私が住んでいる長野市にある温泉のひとつ、豊野温泉「りんごの湯」はりんごを看板にした地域に根付いた温泉です。
しかしながら、外から訪れる観光客がちょっと足を延ばして入る日帰り温泉としても適しています。
ここでは、そんな豊野温泉「りんごの湯」の様々な魅力について紹介します。
目次
最大の特長はリンゴ
長野市にはいくつもの温泉がありますが、温泉によってその特徴は様々です。
ここで紹介する豊野温泉「りんごの湯」の最大の特長は、何と言っても「リンゴ」です。
この温泉の名称にも「りんごの湯」という名前が使われていて、りんごの温泉と言えばこの温泉と言っても過言ではありません。
温泉のロゴにもリンゴのマークが入っていて、ここにもリンゴがこの温泉の象徴そのものであることが表れています。
この温泉がある場所は長野市の豊野という地域で、長野に多くあるリンゴの名産地のひとつでもあります。
温泉にアクセスする時に通る国道18号(国道117号でもある)沿い周辺には、無数のリンゴの木があり、道路わきのところどころに果樹園があって、産地直売の店も連なっています。
収穫最盛期には、リンゴのもぎ取りなんかを行っているところもあります。
国道18号(117号)は、通称「アップルライン」とも呼ばれるくらいです。
そんな「リンゴの里」とも言うべき地域が、この温泉のある豊野ですが、その地域の中にあるのがこの日帰り温泉なのです。
そして、リンゴが最大の特長と言われるのには更に理由があって、温泉のお湯の中にリンゴが入れられる点にあります。
これは通常、5日、15日、25日という限定された日だけなのですが、リンゴの収穫が盛んな時期などは、イベントなどに伴って入れられる時もあります。
湯船には100個にも及ばんとするリンゴが入れられますから、湯に浸かっているとリンゴに囲まれた感じになります。
どこか不思議な感じもしますが、「りんごの湯」だけあるなぁという思いも湧きます。もちろん、食べたくもなります。
観光型より地域型
さて、この温泉ですが、どちらかというと観光用の温泉というよりも、地域に密着した地域型の温泉という趣が強いです。
実際に客層を見てみると、地元から足を運ぶ人が圧倒的に多いことが分かります。
雰囲気的にはリピータの集まりという感じがしなくもありません。
店員と顔見知りになって、世間話をしている姿なども多く見られますから、まさに地域密着型の温泉と言えましょう。
逆に言えば、この人は観光客だなぁと感じされる人は、あまり見かけません。それだけ地域に馴染んだ温泉と言えます。
そして、そんな姿は産地直売品などが販売されている一面にも表れています。
この地域はリンゴを主力にした農村地域ですから、色々な農産物が収穫されます。
それがそのまま温泉施設で販売されるのですから、そこにも地域の顔が表れています。
ちなみに2019年秋には台風19号によって千曲川が氾濫し、この温泉付近でも多くの人が被災しました。
この時、被災者を対象に無料で温泉を開放し、時間が経過した後も割引サービスを展開するなど、地域のために貢献しようとする姿がありました。
単なる営利目的だけでなく、地元への感謝や貢献を考えて運営されている素晴らしい姿勢を感じました。
この温泉と同じリゾートグループに、小布施町にある「あけびの湯」という個性ある温泉もあります。興味のある方は、関連記事がありますのでどうぞ。
施設概要
この温泉の施設の詳細については、公式サイト(https://ringonoyu.co.jp/)や他の関連サイトが詳しでしょうから、そちらをご覧ください。
ここでは、その主な特徴が分かるように、簡潔にまとめたいと思います。
温泉施設は、男女別に東西に分かれ、それぞれ屋内に1つ、屋外(露天風呂)に1つあります。(屋外は2つの部分がつながっている)
いずれの浴槽も決して広いとは言えませんが、洗い場は相応の広さが確保されています。
サウナも整っていますから、通常の日帰り温泉としては十分です。
何より価格がリーズナブル(大人410円で18時以降は350円!)なところが魅力で、これがリピータを多くしている要因にもなっているようです。
温泉の源泉は、豊野温泉で、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。加水・循環なしの源泉かけ流しですから、立派な温泉と言えます。
温泉施設の他には、食事処(レストラン)や販売店、キッズコーナーなどもあります。
なので、温泉に入る前後に食事やひと休みしてくつろぐこともできます。
販売店では地域ならではのオリジナリティの強い商品もありますから、それも魅力です。
上述した産地直売品も揃っていますから、それもポイントが高いですね。
「休息処」と呼ばれる、わりと広い休める空間もあります。
この温泉施設をひと言で言えば、
「温泉に必要な要素がきちんと揃っていながら、とてもリーズナブルな価格、それでいて付加設備も整っている」
というところでしょう。
マッサージがとても充実している
さて、施設の概要は以上ですが、特に着目すべきはマッサージが充実している点でしょう。
上記に館内の案内図を掲載しましたが、実はこれ、初めて行った時のもの。
今は、少し変わっていて、マッサージが以前よりも充実しています。
前掲の写真と比べて分かりますが、1階、2階ともに、癒し処「なごみ」用のスペースがハッキリ確保されています。
それだけ、マッサージが充実してきていると言えますね。
以前は、個室として
「ぶどうの間(24畳)」
「つつじの間(10畳)」
「こぶしの間(10畳)」
「けやきの間(10畳)」
「あかまつの間(10畳)」
がありました。
このうち、「あかまつの間(10畳)」が無くなって、癒し処「なごみ」用のスペースに変わっているんです。
癒し処「なごみ」という正式な名称が記載されています。
地域型の施設として、多目的ホールや個室・大広間がありますが、これらを確保した上で、マッサージを充実させた感じですね。
実際にマッサージのメニューが豊富で、ユーザの希望に合わせた幅広い対応が可能。
具体的にメニューを示すと下記の通り。
ボディケア
15分 1500円 部分のお疲れに
30分 2900円 部分のお疲れ中心に
45分 4300円 全身さらっと
60分 5700円 全身じっくり
足底療法
20分 2000円 足裏中心ケア
40分 3800円 足裏中心+ふくらはぎ オイルケア
セットコース
ボディケアと足底両方を組み合わせてお客様のご希望の時間でカスタマイズ
50分 4800円
70分 6400円
90分 8200円
基本的に、時間単位で希望のコースを選択。
その人の身体の状態に合わせて選べるのが嬉しいですね。
上記以外にも、フェイシャルケアなどもありますから、単なる日帰り温泉の域を超えています。
ちなみに、癒し処「なごみ」の基本情報は下記の通りです。
電話:026-257-6161(りんごの湯と同一)
営業時間:11:00-20:00(最終受付19:00)
定休日:水曜日・第4火曜日
念のため、事前に電話するのが確実ですね。
観光客にもおススメ
こんな温泉ですから、地域の人が多く利用しているわけですが、私としては観光客にもぜひおススメしたいと思います。
その理由は、
- しっかりとした温泉である
- 地域性を感じられる
- 国道18号から直ぐでアクセスが簡単
の3点あります。
しっかりとした温泉
まず、最初の「しっかりとした温泉である」についてですが、自然な温泉らしさが出ています。
日本に数多くある温泉の中には、温泉を事業とすることが目的で人工的な要素が多いところもあります。
しかし、豊野温泉の場合、源泉かけながしですし、お湯の色が薄茶褐色である点にも天然さが表れています。
いわば自然と湧いて出た源泉に、自然と創られた温泉って感じですね。
地域性を感じられる
次に、2番目の「地域性を感じられる」についてですが、この地域の特色がそのまま出ています。
観光で訪れる場合、その地域にしかない趣などを味わいたいものですが、リンゴの産地であることを前面に表したこの温泉は、まさにそのような温泉です。
「リンゴの産地なんだなぁ」ということを直に味わうことができるのです。
そして、そこに訪れる客層は周辺の人が多くいますから、却ってその地域の人や空気に触れるきっかけにもなります。
観光地そのものの温泉の場合、そこで出会う人は他の地域から来た観光客ばかりです。
その点、この温泉で出あう人・接する人は、地元の人ばかりですから、その地域の空気・雰囲気にそのまま触れることができます。
18号から直ぐでアクセスが簡単
最後に、「18号から直ぐでアクセスが簡単」についてですが、言葉の通り国道18号から脇道に入ってすぐなのでアクセスがとてもしやすいのです。(ちなみに、国道117号と重複)
観光や旅行でとこかに立ち寄る場合、アクセスのしやすさはとても重要です。その点、国道から割と近くにある点でとても優れています。
長野北部には山々に囲まれた観光地がたくさんありますが、長野市や小布施町などに立ち寄るケースも少なくありません。そんな旅程を組む場合の通り道にあるのがこの温泉なのです。
以上3点がこの温泉が観光にも適した理由です。
「観光のためだけに作られた温泉」などとはひと味違った趣があります。
18号を通る旅程を計画している方。りんごの湯でひと風呂あびて、旅の疲れを癒してみては如何でしょう。