老後とは何歳から?イメージする年齢や実態に基く年齢など幅広く解説

老後って何歳からのこと?」と問われて答えられるでしょうか。

ある人が「60歳」と答えても、別な人は「65歳」と答えるかも知れません。
中には、「70歳」と答える人もいるかも知れません。

それだけ老後を意味する年齢は曖昧なのですが、実際はあらゆる場面で「老後」と言う言葉が使われています。

老後とは何歳からか?

ここでは、「老後とは何歳からなのか」について、あらゆる角度から説明します。

老後の言葉の定義による年齢は?

まず最初に”老後”の言葉の定義を見てみましょう。

老後は「老」と「後」が合わさった熟語と考えると、単純に「老いた後(のち)」の意味になります。

実際にデジタル大辞典を引いてみると、

年をとってからのち。

と書かれていますから、「老いた後」であることが分かります。

しかしこれだけでは、実際に何歳を意味するのかがよく分かりません。

では、英語で「老後」を何と訳すか見てみましょう。

プログレッシブ和英中辞典には、

one’s last days
one’s remaining years
in one’s old age

と書かれています。

いずれも、フレーズとして訳されているだけで、老後に対応する単語は見つかりません。

上記の英語は、「生涯の終りの時期や年老いた年代」などの意味ですから、いずれも年齢としては曖昧です。

では、中国語ではどのように訳すでしょうか。

小学館の日中辞典には、老後を意味する中国語を

晩年

と記載しています。

そして、この晩年(中国語)を元の日本語に訳し直す(小学館の日中辞典)と、

晩年

となっています。要するに、中国語の晩年は、日本語でも晩年なんですね。

ここで改めて、晩年という日本語を辞書で調べてみると、デジタル大辞典には

一生の終りに近い時期。年老いてからの時期。

とあります。

以上を見る限り、いずれも明確な年齢に触れている説明は一切ないことが分かります。

ちょっとここで、類語辞典を調べてみましょう。

大修館書店の類語大辞典には老後に関する類語として、

晩年、晩歳、晩期、晩節、末年(まつねん・ばつねん)、晩暮(ばんぼ)、老年、老人、高齢、老齢、高寿、年寄、老来、、高年シニア

などがあります。

いずれも特定の年齢を意味しない、年老いた時期を表す曖昧な言葉だけです。

但し、老人については言葉としては単に「老いた人」を表すものの、老人福祉法の中では「65歳以上」と明確に定義しています。

老後を言葉の定義として見た場合はとても曖昧で、具体的な年齢を表していないことが分かります。

一般に認識されている年齢は?

次に、老後が一般に何歳からだと認識されているのかを見てみます。

これについては、色々な機関によって「老後は何歳から?」というテーマでアンケート調査が行われてきました。

それらの結果は、調査によってまちまちですが、そこには共通するとても面白い傾向が見られます。

その傾向をあげると、

(1)高齢者は若年層よりも高い年齢ととらえている
(2)女性の方が男性よりも高い年齢をイメージしている
(3)年金制度・雇用制度の変化や高齢化に伴い高くなりつつある

の3点です。

では、これら3点についてもう少し詳しく見てみましょう。

まず、「(1)高齢者は若年層よりも高い年齢ととらえている」についてですが、ある調査において、20年代の若年層では老後は60歳からという回答が多かったのに対して、60代では70歳からという回答が多くなっていました。

つまり、年齢が上がるに従って「老後」の年齢を高く見る傾向があります。

これは実際に年をとってみると「自分はまだまだ若い」という意識が強まって行くことや、自分自身を老人と認めたくないという潜在的な意識が働いていることによるのでしょう。

次に、「(2)女性の方が男性よりも高い年齢をイメージしている」についてですが、ある調査において男性は老後は65歳からという回答が最多であったのに対して、女性は70歳からという回答が最多でした。

つまり、女性の方が男性に比べて、高い年齢を老後と考えている傾向があると言えます。

この理由としては、平均寿命が男性よりも女性の方が上であることがあげられます。

また、もう1つの理由として、女性の社会進出がまだまだ低い日本では、男性の方が定年退職する年齢についての意識が強いからだと言えます。

3つ目に、「(3)年金制度・雇用制度の変化や高齢化に伴い高くなりつつある」についてですが、調査した年月が古いほど低い年齢を、新しいほど高い年齢を示しています。

分かりやすい例をあげれば、60歳が定年退職の相場の年齢であった時代は、「60歳から」と回答する人が多かったのに対して、65歳が定年退職になりつつある今日では、「65歳から」と回答する人が多くなっています。

これは、年金の支給開始年齢が引き上げられていることや、高齢化が急速に進んでいることを背景にした傾向とも言えます。

このように、「老後は何歳からか?」という人々の意識は、その年齢層や性別、調査時期によって変化します。

従って「老後は何歳から」と問われても、一概に明確な年齢を出すのは難しく、人によって様々というのが現実でしょう。

とは言え、様々な調査結果から総合的に判断すると、現代では「老後は65歳から」と考えている人が最も多いようです。

そして、今後はその年齢も70歳、75歳、80歳のように徐々に高くなって行くと考えられます。

定年退職する時期は

さて、「老後は〇〇歳から」のように、具体的な年齢では考えず、

「老後」=「定年退職後」

ととらえる人がとても多くいます。

これは、仕事をしなくなることで、収入が途絶える反面、自由な時間ができるという、人生の大きな節目であることによります。

実際に、この捉え方をしている場面はあちこちで見られます。

例えば「老後はどうする?」などのテーマを揚げる場合、一般に「定年退職後はどうする?」という見方で論じられます。

また、「老後の趣味」を語る場合も、定年退職後にできた余暇をどう過ごすかと言う意味を持ちます。

このように、「老後=定年退職後」ととらえるのは、ごく一般的と言えます。

では、その定年退職する実際の年齢はどれ位なのでしょう。

それを説明する前に、高年齢者雇用安定法について理解しておきましょう。

この法律は、高齢化に伴って高齢者の雇用を安定化させる目的で改定され、平成18年4月から企業は下記3点のいずれかの義務を果たす必要が生じています。

1.60歳定年の引き上げ
2.60歳以降の継続雇用制度の導入
3.定年制度の廃止

そして平成18年以降、厚生労働省はその実態を把握する目的で調査を開始し、その結果を発表しています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200_00003.html

その最近の発表(令和元年)によると、

65歳までの高年齢者雇用確保措置のある企業の割合:99.8%
65歳を定年とする企業の割合:17.2%

となっています。

これから、65歳までは働ける環境がほぼ整って来ていると言えます。

また、同発表によれば、

66歳以上働ける制度がある企業の割合:30.8%
70歳以上働ける制度がある企業の割合:28.9%
定年制度を廃止した企業の割合:2.7%

などとなっています。

これは、今後も定年の引き上げが進むことを物語っています。

また、この発表で示されている、60歳定年で実際に継続雇用となった人の割合を見ると、約85%の人が働き続けていることが分かります。

つまり、60歳が定年退職年齢である企業はまだまだ多いものの、65歳まで働ける継続雇用制度を利用して、実際に働き続ける人が多くなっていることを意味します。

定年制度が未だ60歳である企業が多いことを考えると、

「老後」⇒「定年退職後」⇒「60歳以降」

と言えます。

しかし、人々の意識としては、実際に働けなくなる時期を事実上の定年と捉える人が多いことから

「老後」⇒「継続雇用の退職後」⇒「65歳以降」

と考えた方が自然なようです。

年金受給を開始する時期は

ところで、老後の始まりを定年退職後と考える人が多くいる一方で、年金の受給開始を老後と考える人もけっこういます。

上記で説明した高年齢者雇用安定法は、年金受給開始年齢の引き上げに伴って改定されました。

従って、基本的には

「定年退職年齢」=「年金受給開始年齢」

となるのが一般的ですが、実際には若干のズレがあります。

実際の年金支給開始年齢は、定額部分と報酬比例部分によっても異なりますし、男女によっても違います。

既に受給している人の中には50代から支給され始めた人も多くいますが、現在では60歳以降に支給されるのが普通で、実際の支給年齢は生年月日によって段階的に上がるように定められています。

これは、支給開始年齢が65歳に引き上げられる経過措置として決められたもので、例えば、厚生年金の場合を簡単に言えば、昭和41年4月2日以降に生まれた人は、基本的に65歳が受給開始年齢ということになります。

詳しくは、厚生労働省が早見表を公開していますので、そちらをご覧下さい。(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0426-7f-07.pdf

最近の年金制度では、受給時期を遅らせることで受給額を増やせる仕組みが導入されて来ていますので、実際の受給年齢はこれより高齢になってくる可能性も高いといえます。

一方、今後は更に高齢化が進んで行くことを考えると、近い将来、受給年齢が更に引き上げられることも十分考えられます。

いずれにしろ、受給開始年齢は世代によって違っているのが現状ですが、今後、老後を迎える人から見れば、65歳に受給開始というのが一般的となるでしょう。

従って、

「老後」=「年金受給開始後」

という見方をした場合、65歳くらいが老後のはじまりと言えそうです。

平均寿命から見てみると

ではここで、「老後は何歳からか」を考える上で重要となる、平均寿命の推移を見てみましょう。

厚生労働省が公開しているデータ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/22th/index.html
によると平均寿命は下記のように推移しています。

昭和22年(1947) 50.06 53.96
昭和30年(1955) 63.60 67.75
昭和40年(1965) 67.74 72.92
昭和50年(1975) 71.73 76.89
昭和60年(1985) 74.78 80.48
平成7年(1995) 76.38 82.85
平成17年(2005) 78.56 85.52
平成27年(2015) 80.75 86.99
令和元年(2019) 81.41 87.45

これから、1975年(昭和50年)当時と比べると、現代は男女とも平均寿命が10歳ほど上がっていることが分かります。

また、1995年(平成7年)当時と比べると、現代は男女とも平均寿命が5歳ほど上がっていることが分かります。

1975年頃と1995年頃の定年退職年齢の相場は55歳と60歳でしたので、それぞれの場合について平均寿命との差を求めると

1975年(昭和50年)
男…71.73-55=16.73
女…76.89-55=21.89

1995年(平成7年)
男…76.38-60=16.38
女…82.85-60=22.85

つまり、男性の場合は平均寿命の16歳くらい前が定年退職年齢で、女性の場合は平均寿命の約22年前が定年退職年齢に相当していたと言えます。

これを現代(令和元年)に当てはめると、

男:81.41-16=65.41
女:87.45-22=65.45

という年齢がはじき出されます。

これから、現代における定年退職の相応年齢が65歳という数値になります。

とても現実的な、頷ける数値であることが分かります。

まとめ~老後は何歳からか

以上、老後は何歳からかについて様々な角度から見てきました。

これらを要約すると以下の通りです。

  • 老後の言葉そのものは明確な年齢を表さない
  • 老後をイメージする年齢は老若男女によって違い、時代と共の高齢化しているが、現在ではおおよそ65歳が相場である
  • 老後を定年退職後という見方をした場合は60歳となるが、継続雇用制度を考慮すると65歳と考えるのが現実的である
  • 老後を年金受給開始後と見た場合、これからの時代は65歳以降と考えるのが適切である
  • 平均寿命を基準に考えると平均寿命の十数歳前から二十余歳前くらいからが老後といえる

これらを総合的に考えると、「老後は65歳以降を指す」というのが平均的な最も妥当な年齢と言えましょう。

但し、この数値は絶対的な年齢ではありませんから、個人によっても様々です。

特に、高齢者の場合、

「本人が身体的に不自由だと感じ始める時期」
「その人が精神的に老いたと感じた時」

などのように、実年齢とは直接関係ない、「実際に老いを感じた時期」をあげるケースが目立っています。

たとえ老後が何歳を意味していようと、老いても健康で元気に、前向きな余生を歩んで行きたいものですね。

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