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なぜ緑色なのに青信号?調べたら緑を青と言うものが多いことに驚く

信号機の青信号は緑色なのになぜ青信号と言うのか?

誰しもが一度は抱く素朴な疑問ですが、いざ考えてみるとよく分からないものです。

どうしても気になった私は、いざ調ベてみたところ、結論としては「緑系の色も含めて青と呼称する」ということでした。

緑色なのになぜ青信号というのか

そんなことあるのかと思いきや、実は身の回りに、緑色だけど青と呼ぶものは無数あることが分かりました。

青の定義

なぜ青信号というのかという疑問が沸いて、私が真っ先に確認したことは、そもそも「青」ってどのように定義されているのだろうかでした。

気になって、まず辞書を調べてみた結果は、

色の名。三原色の一つで、晴れた空のような色。藍(あい)系統の色から、黄みを加えた緑系統の色までを総称する

となっていました。(デジタル大辞泉)

また、和英辞典についても調べてみると

(1)[青色]blue, azure;[空色]sky-blue
(2)[緑色]green

とありました。(プログレッシブ和英中辞典)

要するに緑系統の色も総称して青と呼ぶってことです。

これが青信号と呼ぶ根拠だろうと推測できたのですが、「緑のことを青なんて本当に言うのだろうか?」と疑問が湧きました。

それはさておき、青信号のことを先に明確にすべくネットを調べるとJAFがシンプルな回答を公開していました。

JAFのサイトによれば

緑を青と呼ぶ理由は、日本語の「青」が表す範囲の広さにあるようです。青野菜、青物、青葉など緑色のものを青と呼ぶ場合が多かったため、緑信号を青信号と表現するようになったようです。

とありました。

青信号については細かい諸説はあるようですが、要するに青が表す範囲は広く、緑系統も含むってことです。

辞書で調べた結果と同じでした。

日本語の青の意味の問題?

さて、JAFの説明で「日本語の『青』が表す範囲の広さ」とありますので、日本語の問題ということになります。

少し気になりますので、もう少し調べてみます。

英語で青信号は、「a green light」と言います。決して、「a blue light」とは言いません。

実際、米国や英国に設置してある信号機は、緑色のライトですから、日本語だけの問題という感じがします。

しかし、そもそも「青」は漢字ですから、中国から来た文字です。中国語の青についても調べてみましょう。

小学館の中日辞典で「青(qīng)」を引くと

1.青色(の)、緑色(の)、ブルー(の)、青い
2.黒い
3.青い草;身軸の作物
4.年が若いこと
5.青海省の略称
6.<姓>青(せい)・チン

と出てきます。

また、大修館書店の中日大辞典には、

1.青色
2.浅藍色
3.黒色
4.緑色
5.青草、青い作物
6.若者、青年、若者
7.〔青海省〕の略称
8.姓

とあります。

つまり、中国語の「青」にも緑色を含む幅広い色の意味があることが分かります。

実際、中国語で青ガエルのことを青蛙(qīngwa)と言いますが、これは体の色が緑色をしたカエルのことを指します。

以上のことから、中国から来た漢字「青」には、緑色など青以外の色を含む意味があり、その意味を含んだまま日本に伝来して、日本でもその意味を持ったまま使われて来たと言えます。

緑の物を青と表現

さて、上記でJAFが「青野菜、青物、青葉など緑色のものを青と呼ぶ」と記述しているように、確かに実際は緑の物に対して、青という表現を使っているケースは多々あります。

青野菜は青菜とも言いますが、小松菜やホウレン草を見ても、青色ではなく緑色であることがよく分かります。

青物は青色の野菜のことを指しますが、実際の色はやはり緑色です。

青葉は緑色をした草木の葉のことを言いますので、これも色としては緑です。

青葉と言っても、実際は緑色をしている

他にもたくさん例があり、青木と言えば青々としている木々を指しますし、青草と言えば青々とした草を意味しますし、青田と言えば稲が青々としている田のことを意味しますが、実際にこれらは全て緑色をしています。

また、青山は青々と植物が茂っている山のことを指しますし、青汁は緑葉野菜を中心に絞り出した汁のことを意味しますし、青梅は硬い梅の実のことを意味しますし、青豆は大豆の一品種を指しますが、いずれもやはり緑色をしています。

青汁と言っても、実際は緑色をしている

更に、青漬といえば、青みを失わないように野菜を漬けたものを意味し、青煮といえば緑色の野菜の色を生かして煮上げることを意味するそうですが、これらもまた緑色です。

このように「青」という表現を使っていながら実際は「緑」色というものは、植物を中心にたくさんあるのですね。

まだまだある

そして、「青」と表現していながら実際は「緑」色とうものは、植物だけではなく、他にも使われます。

青虫といえば、蝶々やガなどの幼虫のうち緑色をしているものを意味します。緑虫とはあまり言いませんね。

また、青リンゴと言いますが、実際のリンゴの色は青ではなく、薄緑のような色です。

青リンゴの実際の色はうすい緑色

更に、青ガエルと言っても青色をしたカエルでは無く、あくまで緑色のカエルのことを指します。

青ガエルと呼んでも、実際は緑色をしている

他にも、青い瞳と言えば、瞳が青色をしている人を指しますが、実際にその人の瞳を見れば緑っぽい青ですし、人によっては緑に近い色の瞳の人も多く、いずれも青い瞳という言い方をします。

以上、「青」と表現していながら実際は「緑」色というものをかずかず見て来ましたが、普段意識しないだけで色々とあるものですね。

世代によっては使わない?

では、緑色のものを指して青と表現するのは限られた世代の人だけでしょうか。

結論を言えば、年配の人ほど多く使う傾向はあるようですが、実際は誰でも使います。

例えば、学童などは学校で交通安全指導を受けますが、その際、緑色の信号を指して「青信号」と呼んでいます。

また、上記の青リンゴ、青虫、青ガエルなどは世代を問わずに使う言葉です。

更に、「青々と生い茂る草木」などといった表現は年代によって変わる表現ではありません。

このように、緑色のものを指して青と表現するのは、老若を問わずどんな世代でも使うのです。

しかし、ここで挙げた青信号や青リンゴなどは、どちらかと言えば慣用的な表現として定着した言葉と言えます。

慣用的ではなく、単に緑の物を指して青と表現するのは、どちらかと言えば年配者に多いと言えます。

その理由は、昔に比べて現在の方が、色の区別をより明確にする傾向が強くなって来ているからでしょう。

緑のものを指して青と表現すること。けっこう奥が深いですね。

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