自分ひとりが仕事を抱えて忙しく、やってもやっても終わらない、それでいて周りには余力のある人が結構いたりする、そんなケースってありますよね。
その原因の多くは、仕事を別な人に任せられない、預けられない、つまり、担当者を変更することができないことによります。
別な人では能力がない、その業務に向いていない、経験が不足している、と考えて仕事を振らない訳です。
仕事を振らなければ何も解決しない
しかし、このような状態をそのままにしていても、何ら解決することは無く、直ぐにでも仕事を振り分けるべきです。
それは、仕事を振り分けられない原因が、100点満点を求めようとするところにあるからです。100点満点である必要はなく、70点でもよい、いや、それ以下でもよいと考えるべきなのです。
仕事を任せられない場合、この人に仕事を任せても不安だ、あの人ではできそうにない、彼なら問題を起こすに違いない等と、理想通りに行かないことを考えて躊躇(ちゅうちょ)する訳ですが、理想通り行かないことは、当たり前だと認識すべきです。
不安に感じるなら不安のまま任せればいいし、出来ないと思うのならできるところまでやらせればいいし、問題を起こしそうなら問題とならない範囲を任せればいいのです。
失敗を恐れずフォローに徹する
能力が有る人でも最初から出来る人はいませんし、やらせてみたら意外と出来るという場合もあれば、自然と板についてくるなんてケースもあります。大事なことはいたずらに躊躇せず、任せることです。
よくよく考えれば、任せる側の人も、何らかの失敗を繰り返すことで仕事を覚えてきているハズです。
失敗を恐れることなく、いやむしろ、失敗をさせてでも覚えてもらうくらいの気持ち、覚悟で任せたいものです。そして、いったん任せたら、あとはフォローすることが自身の仕事と認識して、フォローに徹するのです。
任せたことで見えてくることもある
さて、そうは言ってもこの人では絶対無理というケースもあるでしょう。そういう時は、その業務の半分だけ任せる、それでも無理なら、例え十分の一でもいいから、とにかく任せてみるのです。
それが例えうまくいかなかったとしても、任せたことで、次に何をすれば良いか、どうやったら任せることができるかが見えてくるものです。
私も以前、組織の大改革があって、私を含むベテラン四人を除いて、それ以外の全てのメンバーが入れ替わるといったことがありました。新しく来た人は業務の基本すら知らない人達がほとんどで、全く経験のない人達をベテラン四人が指導しながら業務を回すという状況でした。
新配属されたメンバーは、決して能力があるとはいえないような人が多かったのですが、仕事を任せる任せないという選択肢はなく、やらせてみるしかない状況でした。
しかし、いざ任せてみると、意外にもこなせたり、しっかりと板についたり、中にはその担当としての第一人者にまで成長した人もいたりして、預けて良かったと思えることが多々ありました。
結果を恐れず、業務を任せる勇気を持って、まずは預けてみることが何より大事です。