先日、特保マークのあるちょっと変わったへルシアが売っていたので試しに飲んでみました。
この飲み物は「ヘルシア緑茶うまみ贅沢仕立て」という商品で、お茶はお茶なのですが、ラベルに(まろやかに甘く香る) とあるように、ほんのりと甘みを加えることで、独特の味を出しているところが売りの商品のようです。
しかし、「甘く香る」が気になってラベル表示を見たところ、1本500ml当たり熱量15kcalとの表示がされていて、ゼロカロリーでは無いことが分かり、何か違和感を覚えました。
というのも、特保といえば「脂肪を燃焼しやすくする成分を…」というような表示を、比較的よく見かけていた私は、脂肪を燃焼したい人はカロリー入りの飲み物は避けるだろうとの思いがあったからです。
特保とは
そもそも、まず特保(特定保健用食品) とは何かですが、消費者庁によれば、
からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするのに役立つ、などの特定の保健の用途に資する旨を表示するものをいいます。
とあります。従って、必ずしも体脂肪を意識した製品だけとは限りません。
実際に、糖の吸収をおだやかにして、食後の血糖値の上昇を抑制するのを助ける食物繊維類や、腸内の環境を良好に保って、おなかの調子を整えるのに役立つオリゴ糖類などを利用した製品は、身の回りでよく見聞きします。
この製品は
しかしながら、この飲み物には、「体脂肪が気になる方に」との表示がされているだけでなく、ラベルには
本品は、脂肪の分解と消費に働く酵素の活性を高める茶カテキンを豊富に含んでおり、脂肪を代謝する力を高め、エネルギーとして脂肪を消費し、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が気になる方に適しています。
と明記されていて、体脂肪を気にする人をターゲットとした商品となっています。ちなみに、実際に体脂肪によいとされる「茶カテキン」の含有量は540mgと表示されていました。
一般に、店頭に並んでいる飲料系の特保製品は、ほとんどが体脂肪を減らしたり燃焼を助けたりすることをうたったもので、このお茶も例外ではないことになります。
しかし、それら店頭に並ぶいろいろな製品をよく見てみると、お茶系だけでなく、炭酸飲料の類でもみな、熱量(エネルギー) 0kcalと表記されているものばかりで、カロリーがゼロではない商品を見るのはこれが初めてでした。
カロリーをどう考えるか
私が違和感を覚えたのは、体脂肪のための特保はゼロカロリーが当たり前という感覚を持っていたからに他なりません。
しかし、その感覚のあるなしは別として、「体脂肪を気にする人が好んでゼロカロリーでない飲み物を選ぶだろうか?」という疑問がどうしても拭えないのです。
私は、お腹周りが気になる年齢なので、カロリーの摂り過ぎには常日頃から気を付けています。なので、飲み物を買う場合は、特にカロリーには気を配っていて、買う時にはカロリー含有量を確かめてから、実際に購入しています。
体脂肪を減らす助けになる特保商品は、私にとっては気になる存在ではありますが、カロリーが含まれていれば、さすがに引いてしまいます。
ちなみに、この商品に含まれる熱量(エネルギー) 15kcalを、運動のカロリーに換算すると、
「体重60kgの人が、時速4km程度のゆっくりとしたスピードで5分間歩く運動量」
に相当するようです。
このように考えると、ちょっと歩けば済むだけのカロリーとは思いますが、ゼロカロリーとそうでないのとでは、消費者の意識としては、かなり違うのではないでしょうか。
実際にこの商品を飲むと、「甘く香る」と書かれてはいますが、甘さはほとんど感じませんでした。
感じない程度の甘さを加えることで、味わいが引き立つ効果はあるのでしょうが、何もそんな製品を「体脂肪が気になる方」をターゲットとした商品にする必要はないではないか、というのが正直な気持ちです。
製品を開発した人の意図が理かいできない私ですが、ある種の特保ブームの中で、姿を消すのか、店頭に並び続けるのか、一般消費者の判断の結果を見て行きたいと考えています。
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