仕事をする職場の環境は良好な方がいいですし、業務を遂行するための設備やツールなどの条件も、充実している方が仕事は、はかどるものです。
そんな職場環境や業務上の条件などは、良いに越したことはありませんし、良い仕事をするためにも、業務を大きく推進する上でも、とても重要なことです。
しかし、職場環境や業務上の条件などが整っているだけでは、業務がはかどるとは限りません。
職場の環境、条件は重要
一般に、仕事を進める上では、職場の環境はとても重要です。
例えば、職場の温度や湿度を例にあげると分かりやすいのですが、人は何をする上でも、快適な温度や湿度というものがありますので、それらが快適であればあるほど働きやすくなり、それは仕事の効率化へと結びつきます。
また、仕事をする上では環境と共に、業務上の条件というものも大切です。
例えば、仕事に役立つアプリケーションソフトが充実しているとか、業務推進上の予算が多く確保できているとか、有能な人材が揃っているとか、業務を遂行する上で、関連する条件が整っているほど仕事はしやすくなります。
つまり、職場の環境が優れていることや、業務遂行のための条件が整っていることは、仕事をしっかり進める上で、とても重要であると言えます。
環境条件が整えば業務が進むか
では、職場の環境や条件が整ってさえいたら、業務はうまく進むでしょうか。結論を先に言えば答えは「ノー」です。
その理由を端的に言えば、業務を進めるのは環境や条件ではなく人だからです。
もちろん、環境や条件は整っていて欲しいものですし、充実していればいるほど良いものです。
また、環境や条件は悪いより良い方がいいに決まっています。そして、環境や条件が整っているほど、一般に業務がうまく行くことも事実です。
しかし、環境や条件が整っているから業務が進むのではなく、あくまで人が業務を遂行するからこそ進むのです。
換言すれば、人が業務を遂行する中に環境や条件が活きて行くのです。また、見方を換えれば、環境や条件はあくまで「手段のひとつ」とも言えます。
こう言ったことは当たり前のことではありますが、実際の業務などを見ていると、環境や条件が整っていることが、却って業務の妨げになっていることが結構あります。
環境条件に縛られるな!
日常の業務を遂行していると、職場の環境には慣れてしまうものですし、業務上で普段使っている設備やツールは、それらを使うのが当たり前だと思ってしまうものです。
するといつしか、「そのような環境や条件などがあるから仕事が進むのだ」という意識が知らず知らずのうちにできて来て、仕事の推進が、環境や条件で決まるかのような錯覚を起こすのです。
そのような状態になると、どこかで環境や条件を頼りにする傾向になり、その状態が更に続くと、ともすれば業務の遅れなどの言い訳を、環境や条件のせいにするようにすらなるのです。
重ねて言いますが、環境や条件は業務を大きく推進する上でとても大切です。
しかし大事なことは、環境や条件を言い訳や隠れ蓑のようにしているようでは、いい仕事はできない、業務の推進は限定的になってしまうということです。
また、環境や条件を当てにしたり、言い訳の材料や隠れ蓑にしたりすると、仕事そのものが、現在ある環境や条件の下でしか考えられなくなってしまうのです。
その結果、それはどこかしらで「環境を変えて行こう、改善して行こう」とか、「条件を整えて行こう、充実させて行こう」といった意識を薄れさせてしまいます。
結論として言えることは、そういった「環境や条件に縛られた状態に陥るな!」ということです。
そのために意識しておくべき最も重要なことは、環境や条件を整える中に業務が進むのではなく、業務を進める中に環境や条件が整って行くということです。