2年前のある日、大型台風が日本列島を襲い、各地で大きな被害が出たことがありました。
私の住む長野も例外ではありませんでしたが、上陸後に勢力が弱まる台風の特性上、南方の湾岸付近が受ける被害に比べれば大打撃を受けるほどではありませんでした。
そんな限られた被害の中で、長野で特に目に付いた被害は、交通路の寸断でした。
台風被害は少ない
私が住んでいる長野市は、内陸に位置していますが、どちらかと言うと県の北方ですから、比較的台風の被害とはあまり縁がない地域です。
と言うのも、台風は一般に、南方で発生してゆっくり北上しながら日本付近では東へ向かって進行しますが、陸地へ上陸することで台風の中心気圧が上がって勢力が衰えますから、南岸などよりも被害は小さくなります。
逆に、同じ日本でもまだまだ勢力が衰えにくい、南岸地域などは比較的被害が大きくなります。歴史に残る大災害となった伊勢湾台風などは、湾岸地域に大きな被害をもたらしたその典型ですね。
台風は、西側から東に向かって進みますから (最近は、たまに反対に進む奴もいるが…)、西日本の湾岸沿い、高知県とか三重県とかは、台風が標的にするような最も被害を受けやすい地域になっています。(ハリケーンとサイクロンの違いが気になる人はこちら)
そうそう、高知県といえばイケハヤさんで有名ですが、何で台風被害が大きい高知へ移住したのでしょうか。イケハヤさんはとても賢い方ですが、これだけはどうしても理解できず、とても気になって夜も眠れません。イケハヤランドにシェルターでも作るのでしょうか…。既にシェルターあったりして。
いずれにしても、私の中では「とても大きな謎」のひとつにっています。イケハヤさんは雲の上のような人ですが、いつか面談でもできるような機会があれば(ないない)、この件についてだけは直接聞きたいと思っています。熟睡したいですから。
話が脱線してしまいましたので、元に戻します。要は、長野県、ことに長野市は、内陸の北部に位置しますので、台風の被害は大きくなりにくいのです。
交通が寸断
さて、このように台風の被害が比較的小さい長野でも、さすがに巨大な台風が直撃すれば、それなりの被害を受けます。それは2年前の2017年、台風第何号かは忘れましたが、かなり大規模の台風で、夜間から朝方に掛けて列島を通り抜けて行った凄い奴でした。
それでも私はその夜、何ごともなく普通に眠っていましたので、その日なにがあったか細かいことは知りません。
翌朝、木の枝などがチョロッと路上に散らかっていたのが目につきましたが、特に私の周辺では、被害があったという話はありませんでした。「被害という被害なんてないじゃん!騒ぎ過ぎ!と」思いました
ところが!
ニュースでさかんに、上信越高速道が通行止め、長野高速道が通行見合わせ、北陸新幹線運転見合わせなどと報道されていて、よくよく見てみると、長野市から他県へ移動する主要幹線は全て通れない状態でした。
長野市からだと、高速道路は新潟方面へ北側に抜ける上信越高速道、東京方面へ東側に抜ける上信越高速道、名古屋や山梨方面へ向かう中央道に連絡する長野高速道の3方面のルートがありますが、これら全てが台風の影響で通行できない状態でした。
下記の地図を見ても分かるように、幹線道は限られているのです。
そして、鉄道はどうかと言えば、新幹線が上下線とも運転を見合わせている状態で、主要な交通網は機能していないことが分かりました。
孤立集落のよう
「えっ!これって、集落の孤立と同じじゃね?」と感じた私は、長野ってとんでもない場所だと、焦りにも似たヤバイ感覚を覚えました。
土砂災害などで道路が寸断されるなどした場合、小さな集落などでは唯一の道路が通行できなくなることで、集落全体が孤立して物資が途絶え、生活が成り立たなくなるニュースをたまに耳にすることがあります。
そんなニュースが頭に過った私は
「もし、このまま何日も普及しないとしたら、物資が途絶えて我々は絶滅すんじぇねぇ?」
「長野って、人が住んじゃいけない場所じゃない?」
とすら感じ、少し不安になって、その後のニュースが気になっていました。(仕事どころじゃない)
もちろん、実際は高速道路の路線沿いなどに国道や県道が通っていますし、それ以外に山道などもありますから、完全に通行できないというわけではありません。また、長野は小さな集落とは違いますから、物資が途絶えて直ぐに困るということもないでしよう。
しかし、孤立した領域の規模が大きく違うだけで、孤立県(?) とでも言うべき状態であったことは事実です。
まぁ、その日の午前中には、途絶えていた全ての高速道は復旧し、新幹線も運転再開となりましたから、全く何は問題なかったのですが…。
独立しやすい
と言うわけで、長野って主要幹線が途切れると、周辺との行き来が困難になる地なのだということをその時、始めて認識したんですね。
で、頭に浮かんだことは、周りと隔てやすい構造ってことは、独立宣言してひとつの独立国家になるのには、他の県よりも有利なのかなぁということです。
独立しやすい都道府県ベスト10なら、間違いなく上位にランクインでしょう。海で囲まれた、北海道や沖縄県は間違いなくトップに躍り出るでしょうが、長野なら十分3番目を狙えるのではないでしょうか。
山に囲まれ、尾根や山間部が境界となって、周辺と隔てやすいとう点ではかなりポイントが高いと思うんです。
で、実際に独立したらどんな国になるか想像しながら、あたりを見渡したら、畑、畑、畑だらけ。ひと言でいえば、貧困な農業国になりそうな感じで、あまり住みたくない国ですね。
ちなみに、この「長野国」を日本から見たら、とても迷惑な国になるでしょう。日本の本州のど真ん中に別な国があることになりますから、東京から名古屋へ行きにくいですし、東京から北陸方面も不便です。
これを逆手にとって、日本国から通行税でも取って、観光産業に力を入れれば、長野国は、けっこう豊かななるかも知れませんね。