先日、子供が通う小学校において、次年度のPTA副会長候補者を選出する会議があり、参加して来ました。
この会議は該当する学年の保護者が必ず参加することになっているもので、万一参加しない場合でも、PTA副会長候補に選出される可能性があるというものです。
その会議を通して、誰しもやりたくないPTA役員というものの実態を見た思いがしました。
PTA副会長選出会議とは
この会議は、PTA会則に従って開催される会議で、学校を代表するPTA副会長の候補を決めるために開催されます。
候補とは言え、特段の理由がない限りは自動的にPTA副会長になります。
また、既にPTA副会長の役に就いている人を含めた複数のPTA副会長のうちから、次々年度のPTA会長が選ばれる制度になっています。
従って、もしこの選出会議で選ばれた場合は、その次の年にはPTA会長に選任される可能性が高いのです。
学校を代表するPTA会長、副会長は、日常のPTA関連の任務の他、学校行事に関連して様々な作業もあるため、それなりに時間を取られることはもちろんですが、そのために時間調整を余儀なくされることも多々あり、その負担はかなり大きいものです。
だから、大抵の人はわざわざそのような役員などにはなりたくもなく、それは私も例外ではありませんでした。(心の叫び:やりたくない~!!)
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現PTA会長の話
実際の会議は、平日の夜、学校の会議室を借りて開催されました。
「欠席することで選ばれでもしたら大変だ」と思ったのか、対象となる保護者は全員欠かさず参加していました。(もちろん私も)
議事を進めるのは、現役のPTA会長、副会長などの役員と、役員経歴があることなどで選出対象が免除となった人で構成される選出委員でした。
まず、最初にPTA会長からPTA会長、副会長の任務や実際の役割などの説明がありました。
その後、自身のPTA会長の体験を通しての話になり
「私もPTA会長になった時には、務まるかなぁと思っていましたが、いざやってみると思ったほど大変ではありませんでした。」
「どうしても時間を取られることがありますが、実際にやれば何とかなるものだと感じました。」
「PTA会長を務めたことで、多くの人と知り合えましたし、得られたものも多く、貴重な経験になったと思っています。」
などの話をしていました。
それを聞いていた私は、心の中で
「嘘つくんじゃね。大変じゃないワケないだろ」
「時間を取られて、きつかったに決まっている」
「得られたものより失ったものが多いんじゃない」
と叫んでいました。もちろん顔色は変えずに。
その発言の言葉の端々からは、PTA会長の「大変な苦労があったが、大変じゃないことを伝えないと役員をやって貰えず、議事がなかなか進まない」との本音の気持ちが伝わって来ました。
そして、その説明の後、
「今回の選出においては、実は例年と違って、現在の副会長の一人が次年度、もう一人が次々年度に会長をやりたい旨の意志を表明していますので、今回、副会長に選任された人は、基本的に会長に就任することはありません」
との、大きな発表がありました。
立候補者はいる?
さて、そのような説明があった後、具体的な選出に入りましたが、まず最初は、
「どなたかPTA副会長になりたい人いますか?」
と立候補を促す発言がされました。(私の心の叫び:やりたくない!)
が、次の瞬間、その発言の言い方を修正し
「どなたかPTA副会長をやってもいいという方いらっしゃいますか?」
となりました。
それを聞いていた私は再び心の中で、
「そうそう。後から言い直した表現の方が正しい。やりたい人などいない。やってもいい人ならいるかも知れない」
とつぶやいていました。
すると、なんと!二人の方が挙手をし、それを見ていた私は
「やらなくて済む!助かった!!」
という思いと、
「あの人達は、何でやるんだろう???」
という疑問が湧いてきました。
「好き好んでやるようなオメデタイ人が本当にこの世にいるのか?」
それで、それを見ていた議事進行役である現PTAの役員も、二人も立候補者が出ることは予期していなかったのか、
「お二人の方が立候補されましたが、このお二方でよろしいでしょうか?」
と確認するように問いかけて来ました。
私は心の中で
「いいに決まっている。反対する人なんかぜってーいねぇ!早く決定しろ!!」
と大声を張り上げるくらいに強い思いで叫んでいました。
と、その時、立候補した二人の人が挙手して、
「確認しておきたいことがあるのですが?」
と言って来ました。
立候補者の一人は、
「本当に、会長にはならなくて済むのですか?」
という質問で、もう一人は、
「今回、全校におけるPTA副会長を経験した場合、今後において、学年ごとやクラスごとに決めるPTA役員は免除されるのでしょうか?」
と言う質問でした。
私はこれを聞いて「やっぱりね!」という感じでした。
結局、「やりたくはないけど、やることで今後もっと大変な役を受けないで済むのなら、今のうちやっておいた方がいいだろう」という考えに基づいた立候補だったのです。
何か安心したような、理解できたような複雑な気落ちでした。
そして、無事に私は何も役員をやらずに済み(クジの結果、補欠候補も回避)、「助かった!」の思いを胸に帰宅したのでした。
その日の夜は、本当にぐっすり眠れました。zzz。
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どうすればPTA役員をやらなくて済むか
さて、この記事の読者の多くは、
「PTA役員をやりたくない、できれば免除されたい。」
そういった思いを抱いていることでしょう。
そんな思いに応えて、免除される場合をまとめておきます。
但し、これは私の子供が通う学校での話ですから、地域や学校によってはPTAの組織体制や規則などが異なりますから、あくまで参考にして下さい。
実は、今回のPTA副会長選出会議の開催に当たっては、前もって開催通知が配布されていましたが、そこにはPTA役員を免除される人についての記載がありました。
そして、免除対象となる人は予め免除となる理由を申し出ておけば、候補者から外れることができました。
具体的な免除対象者は、
(1)PTA役員の経験が既にある人
(2)ひとり親に該当する人
(3)同居家族に要介護者等がいる人
(4)その他、役員を務められない事情がある人
です。
まず、(1)PTA役員の経験が既にある人、についてですが、これは兄弟姉妹を含めて、PTA役員を過去に務めた経験がある人は免除されるというものです。
もちろん、ここでいうPTA役員は学級や学年における役員ではなく、全校を代表するPTA会長や副会長といった役員のことです。
(1)の免除の意図は、PTA役員は重職でもあり、負担も大きいので、一部の偏った人だけが任に当たるようなことがなく、少しでも平等にするためです。
免除の例としては、長男の時にPTA会長を務めた人は、次男の時にはやらなくていい等です。
また、これは転校暦がある場合にも適用され、転校前の学校で既にPTA役員を務めたことがある人も対象になります。
ただし、PTA役員を務めた学校名と年度を明確にしなければいけません。(自己申告ですが、嘘をつけば後々問題になるかも知れません)
次に、(2)ひとり親に該当する人、についてですが、これは死別や離別などによって片親のみが育児に当たっている場合です。
ひとり親の場合、仕事や育児を全て一人でしなければならず、一般の人に比べて全くゆとりが持てないからです。
(2)免除の意図は、ひとり親であると生活そのものが多忙で時間が全く無く、PTA役員の任にあたるのには無理があるためですね。
更に3つ目の、(3)同居家族に要介護者等がいる人、についてですが、これは四六時中、面倒を見なければならない家族がいる場合です。
PTA役員を務める人は、PTAの会議があれば出席しなければなりませんし、行事などがあればその日程に拘束されます。
要介護者などが要れば、こちらの予定や日程に関わらず手を貸さなければならない状況も発生しますので、PTA役員の任は不適であるというのが免除の意図です。
最後に、(4)その他、役員を務められない事情がある人、については人それぞれ色々な事情があり、PTA役員の任に当たれない状況もあるものです。
そういった、色々な事情を持つ人に配慮した免除制度ですが、これは事前に申し出て事情を認めて貰う必要があります。
私の子供が通う学校でも、今回の会議開催に当たり、「事前に申し出て下さい。相談の上で判断します。」との連絡がありました。
そして、PTA役員をやりたくない人にとっては、4番目の”その他、役員を務められない事情がある人”として認められるかどうかがカギになると言えます。
しかし、実際に話を聞いたところでは、
「夫婦共働きで忙しく、時間がどれない」
「子供が4人いて忙しくて手が回らない」
などの事情では、免除の申請は通らないとのことです。
その理由は、
「夫婦共働きはどこにでもある話」
「子供の数は、基本的にその家庭で自ら決めたこと」
「忙しいのは皆同じ」
などです。
また、「細かな理由を聞いていたらキリがない」というのも背景にあるのでしょう。
実際に認められるケースについて話を聞くと、”人道的にどうか”というのがキーポイントのようです。
従って、あなたが、もしPTA役員を免除してもらおうと考えるのであれば、”そこの部分”を強調して理解して貰うように努めるべきでしょう。
その際、学校のPTA担当教員や現役のPTA役員に対して、予め根回しをしておくことも有効です。
但し、特段の理由がなく、単に「やりたくない」というのでは身勝手なだけと思われ、認められません。
また、やりたくないから嘘をついてしまうと、のちのち肩身の狭い思いをすることもあるでしょう。
何らかの事情がありながらも結果として免除されないと、最悪の場合は役員になってしまうこともあるかも知れません。
しかし、本当にそれなりの事情があるのであれば、万一役員になってしまった場合でも、関係者にその事情だけは予め伝えておく方が得策と言えます。
それは、PTA会長や副会長ともなると、入学・卒業式で祝辞とか挨拶などの大役があるだけでなく、関連行事でも役目を果たさなければなりませんが、関係者が事情を知っていれば、もしも対応できない場合があっても周りから手助けしてもらい易いからです。
なかなか、避けにくいPTA役員ですが、子供が通っている学校のPTAの実情をよく把握して、上手に付き合って行きたいものですね。
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