老後にどんな趣味に励もうか。
そんな思いを抱いている人におススメしたい趣味の1つが読書です。
老後に限らず、読書には本来、大きなメリットがあります。
しかし、老後だからこその利点も多く、老後の趣味として非常に有意義と言えます。
目次
そもそも読書は老後に限らずメリットが大きい
さて、一般的に読書には色々なメリットがあると言われています。
最も分かりやすい利点は、知識が豊富になることです。
読書は、書籍に書かれた事実やノウハウだけではなく、著者の視点や物の見方、人生観など、読まなければ知りえない情報が豊富に含まれています。
従って、本を読めばそれ相応の知識が身に付きます。
その結果、教養も深まりますから、ビジネスでもプライベートでも、生活上に役立てることができます。
また、読書をすれば、着眼点が磨かれ、多角的な視点が持てるようになります。幅広い視野になるのですね。
更に、想像力や独創性を磨くこともでき、アイディアの発想にも役立つでしょう。
その上、読解力も身に尽き、記憶力や集中力も向上させられると言われていますから、メリットがとても大きいです。
表現力や語彙力、更には文書作成能力なども伸ばすことができますから、この上ないとも言えます。
そして、注目すべきメリットは、「読書がストレスを解消できる」ということです。
読書のストレス抑制効果については、まだ研究段階ですが、書籍のジャンルによってはストレスを抑えられる実験結果などが発表されています。
また、一部では読書療法なる言葉も生まれて、実用化もされてきていると言われています。
このように、読書の効果は多岐に渡り、とてもメリットが大きいのです。
老後は時間があるからこそ読書
ここまで読んで、読書にはとてもメリットがあることを認識した人もいると思います。
しかし、たいていの人は、読書によるメリットの多くは、元から認識していたのではないでしょうか。
換言すれば、メリットが大きいことは分かっていながら、忙しくて読書に費やす時間をほとんど取れなかったのが事実ではないでしょうか。
現役時代は、仕事に追われる日々が中心です。
休暇や余暇があっても、日ごろなかなかできない他のことに時間を費やすことが多く、日常的な読書習慣を持ちにくかったという人も多いでしょう。
仮に時間があっても、他の楽しめることに打ち込んでいた。そんな人もたくさんいたことでしょう。
でも、老後は全然違います。
読書のための時間を十二分に確保できるのです。
仕事に追われることはない。
育児に悩まされることもない。
家事があっても時間のやりくりができる。
老後の生活で、現役時代と最も異なる点は、自由な時間が圧倒的に多いことです。
非常にメリットが大きい読書ですから、自由な時間を多く持てる老後こそ、ぜひ趣味のひとつにして行きたいものです。
老後だからこその長所
では、単に時間を確保できることだけが老後に読書をする意義なのでしょうか。
決して、そんなことはありません。
読書は老後だからこそ活かせる長所が多く、より有意義にできる要素をたくさん含んだ魅力のある趣味と言えます。
では、老後だからこそ有意義にしてくれる要素を見て行きましょう。
読書は老化防止にも役立つ
まず、第一に挙げられるのは、読書が老化防止に役立つことです。
最近の研究では、読書は脳のつながりを強化し、脳を活性化することが分かって来ています。
また、ある研究発表によれば、読書が老化に伴う認知力の低下を抑制する働きを持ち、認知症の低下につながると期待されています。
更に、ある統計では、読書をする習慣のある人は長生きするデータも出ています。
これらは、学問としてスタートしたばかりで、未解明な部分は確かにあります。
しかし、本を読む時には、文章を理解し、物事を洞察し、内容を判断するなど脳を使います。
読書を通して脳を使うことを考えると、老化防止に役立つことを、直観的に理解しやすいですね。
老化防止の効果については、今後の研究によって更に明らかにされていくことでしょう。
読書はお金を掛けずに取り組める
次に挙げられるのは、読書はお金を掛けずに取り組める点です。
老後は基本的に年金暮らし。
僅かな収入で生計を立てて行かなければなりませんから、極力無駄な出費はしたくないところです。
趣味と言われるものは世の中に無数ありますが、いずれもそれなりの金銭は必要になるものです。
その点、読書はそれほどお金が掛からないと言えます。
確かに、新刊ばかりを求めれば安く手に入れることはできません。
また、専門書を読みたければ値段は高くつきます。
しかし、老後の趣味の一つとして読書に励むのであれば、無数ある書籍の中から安価で楽しめるものを探し出せば良いだけです。
例えば、図書館で本を借りれば無料です。
古本屋に行けば、タダ同然で売られている本も多数あります。
電子書籍なら安価で読める本もたくさんあります。
友人が読まなくなった本を譲り受けてもいいでしょう。
読みたい本を持っている人がいれば、借りるのも一つの方法です。
新刊書籍やベストセラーだけが本ではありません。
安価で楽しめる本は、世の中、いくらでも埋もれています。
単に本を読むだけでなく、安くて楽しめる本を探し出すことを趣味の一部にしてもよいですしね。
退屈でつまらない日々に刺激を与え充実させてくれる
最後にあげられるのは、読書は退屈でつまらない日々に刺激を与えてくれ、生活を充実させてくれることです。
世間では、「老後はつまらない」という言葉を耳にします。
恐らく、仕事第一で生きてきた人が、退職と共に脱力感を味わい、老後を退屈と感じるのでしょう。
たとえそんな人であっても、読書をすれば、生活は充実します。
読書にはそんな力があるからです。
本のコンテンツには、その書籍に独自の世界があります。
小説であれば、そのストーリーに引き込まれていくことでしょう。
人生観の詰まった書籍であれば、新たな生き方を模索するキッカケになるかもしれません。
専門書であれば、ある分野の知識を深めることができ、探求心を刺激しれくれます。
このように書籍には、それぞれ独自の世界があり、それが読者を引き込んでくれます。
読書により見識が深まり、世界が広がれば、後ろ向きになりがちな老後生活も前向きになれるハズ。
本に夢中になれば、老後に陥りがちな孤独を感じる暇もなくなることでしょう。
本だからこそ味わえるコンテンツ独自の世界。
老後生活を豊かなものにしてくれること間違いありません。
書籍の分野に囚われる必要ない
このように、読書には老後生活ならではのメリットが多くあります。
ぜひ老後の趣味のひとつに取り入れて、充実した生活にして行きたいものです。
ところで、読書が有意義であることが分かっても、いったいどんな分野の本がいいのか迷うかも知れません。
老後の読書はどうあるべきか?
そんな定義を考えてみたり、取り組むコツをさぐってみたり、読み方のノウハウを求めたりする必要は一切ありません。
ジャンルに囚われずに、好きな本、読みたい書籍を読めばいいのです。
例えば、小説ひとつを例にとっても、推理小説や歴史小説、ミステリー、ファンタジー、ノンフィクションなどジャンルは無数あります。
もし、ジャンルにこだわっていると、世界が狭まってしまいます。
だから、興味を持った本、楽しめそうな書籍、老後生活を豊かにしてくれそうな書物を選びましょう。
これは、実用書でも専門書でも、たとえそれがどんな分野でも同じです。
楽しめてこその趣味ですから、好きな書物を好きな時に読む。これが基本です。
また、別な趣味に関する書籍を探して、趣味の範囲を広げたり、趣味を深掘りしたりするのもいいでしょう。
読書を通して自己啓発に励むのもいいかも知れません。
場合によっては雑誌や漫画なども選択肢に入れて、自分なりの楽しみ方を見つけましょう。
どこで読書に励むか
では、実際に本を読む場所はどこがいいでしょう。
これについては、どの場所でなければならないという制約はありませんが、私のおススメは図書館です。
図書館には、静粛な空気があって集中できますし、何より無料で読める書籍が無数あります。
図書館ならひとつひとつ本を開きながら、面白そうな本を探すだけでも楽しめます。
また、図書館なら館内に置いていない本の情報も調べられますから、好みの本を見つけるのにも役立ちます。
図書館に散歩をしながら通う習慣を持つのも悪くないでしょう。
家に籠って読書に励むより、外出して本を読めば、活動量の減りがちな老後の良い運動にもなります。
カフェなども悪くはありませんが、お茶代が掛かるのは老後にはけっこうな負担になります。
自分の部屋で読むのも悪くはありませんが、どうしても内向的になりますので、できるならやはり図書館がいいですね。
いずれの場所であっても、リラックスして読め、老体に負担にならない環境が望ましいでしょう。
老後の読書で気を付けたいこと
最後に、老後の読書で気を付けておきたことを記しておきます。
気を付けておくべき大事なことは、下記の3点です。
- 読書中に時々休息を入れて目を休める
- 楽しむことを意識して読書に励む
- 読書だけに長い時間を費やさない
まず、「読書中に時々休息を入れて目を休める」についてですが、これは目の衰え防止のためです。
老後はどうしても身体全体の機能が弱まって行きますが、特に目の衰えは誰人も避けることができません。
ただでさえ衰えるのに、もし目を酷使するようなことがあれば、必要以上に目の衰えを加速してしまいます。
一定時間読んだら、必ず休憩する。
このリズムを作ることが大切です。
次に、「楽しむことを意識して読書に励む」についですが、これは老後生活を豊かにするためです。
老後の読書は、本来、楽しむための趣味ですが、目的と手段を混同して読書のための読書になってしまうと、楽しむことが二の次になってしまいます。
もし、楽しむことを忘れてしまうと、持続するのが難しくなるかも知れません。
読書を楽しむこと。当り前のことではありますが、老後生活を豊かにするために最も重要なことですから、決して忘れてはいけません。
リラックスした状態で読書を楽しむ。このような姿勢で取り組みたいものですね。
最後に、「読書だけに長い時間を費やさない」についてですが、これは身体の健康管理のためです。
読書をしていると、ついつい夢中になって気づいた時には、何時間も経っていたなんてこともあります。
若ければいくらでも無理はできるものですが、年老いていると長時間の読書は思いのほか身体への大きな負担となります。
もし無理をすれば、体調を崩して思わぬ病につながる可能性もあります。
年を取っていることをしっかり自覚し、身体に負担があまり掛からない適度な読書を心掛けましょう。