オシロスコープで直流電圧を測定できないのは、うまくトリガを掛けられないからです。
ここでは、オシロスコープで直流電圧を測定するために、トリガを掛ける方法を幾つか紹介します。
機種(モデル)によっては操作できない方法もありますが、記述してある方法を試して行けば、必ず解決することができます。
方法1:自動トリガモードに設定
オシロスコープには、トリガモードがありますが、これを自動(オート、AUTO)に設定にします。
自動トリガにしておけば、無条件にトリガが掛かるようになります。
通常のオシロスコープの場合、トリガメニューからトリガモードを選択して設定します。
但し、自動レベル(AUTO LEVEL)とは異なりますので、間違わないように注意しましょう。
方法2:強制トリガ機能を使用
最近のオシロスコープは、強制トリガ機能を搭載しています。
強制トリガボダン(「Force Trigger」、「Force-Trig」、「FORCE TRIG」等)を押すことで、信号の如何に関わらずトリガを掛けることができます。
通常のオシロスコープでは、強制トリガ用のボタンは操作パネル内にあります。
方法3:自動セット機能を利用
たいていのオシロスコープには、自動セット(オートセット)機能(「AUTO SET」)があります。
「AUTO SET」ボタンを押せば、入力されている信号を自動的に認識してトリガを掛けてくれます。
通常のオシロスコープでは、自動セット用のボタンは操作パネル内にあります。
方法4:トリガソースをAC LINEに設定
トリガソース(Trigger Source)を選ぶ時に、AC LINE(電源)を選択します。
通常は、トリガメニューから選び、「LINE」、「Line」、「AC Line」のような表記になっています。
トリガソースを、電源にすると、商用電源の周波数(50Hz又は60Hz)に合わせてトリガが掛かります。
トリガメニューからトリガソースをAC LINEに設定する電源を選択できるモデルは、割と最近のオシロスコープです。
方法5:別な信号でトリガ
直流信号とは別な信号をトリガソースとして選択する方法も可能です。
例えば、測定したい直流電圧をチャネル1に入力している場合、チャネル2(或いは外部トリガ等)などをトリガソースに設定して、チャネル2に周期的な信号を入力します。
わざわざ、周期的な信号を準備するのが面倒のように感じますが、オシロスコープに搭載されているプローブ補正用の信号を接続するだけで簡単に実現できます。
プローブ補正用の信号は、ほぼ全てのオシロスコープが持ち合わせている機能です。
この信号がないオシロスコープの場合、簡単な発振器を代わりに用いることができます。
方法6:別な測定器を使用
本来、オシロスコープは直流電圧を測定する目的には向いていません。
オシロスコープで測定しても、測定精度はあまりよくないので、できれば別な測定器を用いる方がいいでしょう。
別な測定器としては、直流電圧計やデジタルマルチメータが適当です。