スギ花粉症の根本治療法「舌下免疫療法」を開始したのが、2019年10月ですからもう3年9カ月にもなります。
「最低でも3年間」と言われている治療期間を越え、4回目の花粉飛散時期も過ぎましたので、一つの節目として記事にまとめます。
今回は3年と9カ月の治療期間の総治療費と、症状がどのように改善しているかの2点にフォーカスを当てます。
目次
治療の経緯・概要
以前の記事を読んでいない方のために、治療の概要に触れておきます。
私が、スギ花粉の根本治療法(舌下免疫療法)を始めたのは、人一倍、症状がひどかったからです。
妻に背中を押されて意を決して治療を始めたのが、2019年の10月のことでした。
今、2023年6月ですから、3年9カ月(45か月)が経過しようとしています。
2020年春には、治療開始後の最初の飛散時期を迎えましたが、その時すでに効果が出ていました。
その後も治療を継続し、完治することはありませんが、飛散時期が来るたびに症状改善の効果を実感しています。
詳細については、今までの連載記事にありますので、そちらを読んでいただくのが一番よく分かります。
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舌下免疫療法の体験談その4-最初の花粉飛散時期で効果の手応えを実感
舌下免疫療法の体験談その5-1年間に掛かる治療費を細かく集計した
治療期間3年の節目を経過
さて、治療当初、担当医からは、
「治療期間に明確な決まりはありませんが、通常は3年~5年です。効果を得るためには、最低でも3年間は続けて頂きたいと思います。」
と言われていました。
なので、ちょうど3年となる2022年10月が、治療を継続するか、治療を終了するかを考える一つの節目でした。
担当医からは、
「治療期間が短いほど、治療終了後の年月経過によって症状が悪化してしまう割合が増加する傾向にある。」
とも聞いていましたので、私は迷わず治療を継続することにしました。
私の気持ちとしては、
「治療を始めた以上は、中途半端にせず、徹底したい。」
との思いがあったからです。
その後、4回目の飛散時期となる2023年春を過ぎ、現在、治療45カ月目に至りました。
今まで掛かった全治療費
3割負担なら月額2000円が目安
では、45カ月間に掛かった治療費の総額について述べます。
この期間における、治療費を全て足すと合計で、ズバリ84,680円です。(税込、以下同様)
45か月間の通院回数は33回ですから、通院回数当たりの治療費は、(33で割って)2,566円です。
また、1ヵ月当たりの治療費は、(45で割って)1,882円です。
治療を始める時に医師から聞いていた概算費用は、月額約2,000円でしたので、事前に聞いていた通りです。
ちなみに、花粉の飛散時期には、本治療期間中でもアレルギー対策の薬(例えば、アレロック等)を処方してもらう場合があるそうですが、私は症状が改善されたため、3年9カ月の治療期間において、その種の薬は、一切、処方して貰うことはありませんでした。
もし、アレルギー対策の薬を処方してもらう場合は、別途、相応の費用が追加されますので、ご注意ください。
私が通院している耳鼻咽喉科は、ごくごく普通の病院ですから、治療費としては相場と相違ないと思います。
治療を検討している人は、必要な費用の参考にして下さい。
但し、私の場合、自己負担が3割ですから、健康保険の負担率が違う人は換算して下さい。
治療費の内訳・詳細
ところで、治療費の概要が分かっても、その内訳も気になると思います。
なので、33回の通院ごとの金額を下記に示します。下表の通りです。
回 | 年 月 | 費用[円] |
1 | 2019年10月 | 5680 |
2 | 2019年11月 | 1650 |
3 | 2019年11月 | 1880 |
4 | 2019年12月 | 1730 |
5 | 2020年1月 | 1730 |
6 | 2020年2月 | 1880 |
7 | 2020年3月 | 1730 |
8 | 2020年4月 | 1730 |
9 | 2020年5月 | 1890 |
10 | 2020年6月 | 1730 |
11 | 2020年7月 | 1730 |
12 | 2020年8月 | 1890 |
13 | 2020年9月 | 1890 |
14 | 2020年10月 | 1730 |
15 | 2020年11月 | 1730 |
16 | 2020年12月 | 1890 |
17 | 2021年1月 | 1730 |
18 | 2021年2月 | 1730 |
19 | 2021年3月 | 1890 |
20 | 2021年4月 | 1750 |
21 | 2021年5月 | 1750 |
22 | 2021年6月 | 1900 |
23 | 2021年7月 | 1750 |
24 | 2021年8月 | 1750 |
25 | 2021年9月 | 1900 |
26 | 2021年10月 | 1730 |
27 | 2021年11月 | 1730 |
28 | 2021年12月 | 5380 |
29 | 2022年3月 | 5380 |
30 | 2022年6月 | 5480 |
31 | 2022年9月 | 5480 |
32 | 2022年12月 | 5490 |
33 | 2023年4月 | 5370 |
見て分かるように、1回目に費用が多めに掛かっていて、その後、2021年11月まで(2回目~27回目)は、ほぼ3か月おきに少し高めの料金になっています。
また、2021年12月以降(28回目~)は、月1回の通院であったのが、3か月に1回の通院になり、1回当りの費用が高くなっています。
1回目に費用が高めになっているのは、初回に実施したアレルギー検査の費用(4,810円)が含まれているからです。
アレルギー検査は最初の1回だけですので、検査費用としてはこれ以降は掛かっていません。
アレルギー検査は、その方法を選ぶことができましたが、私は自分のアレルギーを細かく調べたかったので、最も高価な方法を選びました。
スギ花粉に関するアレルギーの有無を目的にした検査なら、もっと安価に調べられる方法もありました。
検査費用を選択できるなら、治療費を若干でも安く抑えることが可能ですので参考にして下さい。
上表で2回目~27回目の通院では、ほぼ3か月おきに値段が高めになって(13回目は、子供を耳鼻科に連れて行ったついでに診察も受けたので少し高め)いますが、この理由は、3か月おきに「診察+薬の処方」、その間の月は「薬の処方」のみであったためです。
これは背景に、副作用もほとんどなく治療が順調に進んでいたことから、
「3カ月おきに診察すれば問題ない」
との医師の判断があったからです。
もし、副作用がひどければ、毎月の診察は避けられないでしょうし、場合によっては、もっと頻繁に通院するような指示がされることがあるかも知れません。
そう言う場合は、診察頻度に伴って、治療費も増加する可能性がありますので、頭に入れておいた方がいいでしょう。
そして、28回目(2021年12月)以降は、3か月に1回の通院になっていますが、これにも理由があります。
これは、毎月の通院も大変だと言うことから、医師の提案で、
「3か月おきの診察にして、1回につき3か月分の薬を処方する」
ように変更になったからです。
つまり、1回の通院で3か月分の薬を処方して貰うことで、1回当りの費用が増加したのですね。
従来、薬は耳鼻咽喉科で出して貰っていましたが、このリズムになってからは、病院で処方箋を発行して貰って、薬局でシダキュア(薬)を出してもらう方法に変わりました。
結果として、薬局の手数料などが生じるためか、ほんの少しだけ(1ヵ月当り20円程度)費用が上がりましたが、通院頻度が大きく減ったおかげで、かなり楽になりました。
ちなみに、33回目の通院では4カ月ぶりとなっていますが、これは49カ月の間に薬を服用し忘れた事が何回もり、余っている薬の数を調整する意味で、通院時期を少し後方にずらしたことに起因します。
治療費の8割は薬代
ここまで、実際に掛かった治療費の内容を見て貰いましたが、気になるのはあなた自身が受診した場合でしょう。
でも、費用の違いはあまり心配はしなくてもよさそうです。
と言うのも、治療費の約8割はシダキュア(薬)が占めているからです。
上記に、今までの総治療費は、84,680円と説明しましたが、このうち薬が約6万9千円で全体の81%くらいを占めています。
上記で、「薬局」と述べた店は、全国展開しているマツモトキヨシ。
薬の相場に大差はないでしょうから、結果として大きな治療費の差は出ないと想定できます。
治療費の差を生む要因としては、病院や薬局による違い以外には、受診者の個人の症状だと思います。
症状(本来のアレルギー症状や副作用など)の出かたによって、処置方法や通院頻度、追加される薬剤などが異なってくるからですね。
なので、順調に治療が進むと仮定すれば、必要となる治療費は私の場合と大差はないと考えていいでしょう。
治療を検討している人は、ぜひ参考にして下さい。
今年の飛散時期は例年と症状が異なる
例年は、全体的に症状が緩和されていた
さて、今までは治療費の話をして来ましたが、ここからは症状の改善についてです。
治療を開始して以降、下記のように4回の花粉飛散時期を経験しました。
(1)2020年春季
(2)2021年春季
(3)2022年春季
(4)2023年春季
つまり、今年が4回目の飛散時期でしたが、例年とは症状の出かたが大きく異なっていました。
既に、別な記事に書いていますが、私が治療前から悩まされて来た花粉症の症状には、鼻水、喉のかゆみ、くしゃみ、目のかゆみ、鼻づまり、全身のだるさ、などがありました。
この中で、特につらいと感じていたのは、目や喉が「痛痒く」なる症状で、できれば目や喉などを外して丸洗いしたくなるような衝動に駆られていました。
また、寝ている時の鼻づまりが酷かったため、結果としてちょくちょく睡眠不足となっていました。
更に言えば、飛散時期を通じて、2~3か月もの長期に渡って、身体のダルさが継続することも苦しみでした。
しかし、治療を始めてからは、飛散時期を迎えるたびに、症状が改善していることを実感とし、治療をして良かったとつくづく感じます。
症状が無くなった訳ではないので、完治と言える状態ではありませんが、つらかった色々な症状が抑制されて、とても楽になりました。
堪えがたかった目や喉の痛痒さもなくなり、ちょっと痒い程度になりました。
また、鼻づまりもなくなったので、快適な睡眠を送れるようになりました。
重くのしかかるような身体のだるさもなくなりました。
花粉の飛散量に応じて症状の軽重があるものの、治療開始前とは雲泥の差です。
ちなみに、症状の詳細については、下記の記事にありますので、参考にして下さい。
今年は、「何もなかった」と感じる時期があった
今年の飛散時期の症状は、例年とは傾向が全然ちがいました。
例年は、2月の上旬に飛散が始まり、いよいよ本格的に飛び始める2月後半から少しずつ花粉症の症状が出て来ていました。
それについては、今年(2023年)も変わりはありませんでした。
そして、3月に入り飛散量も増加して来た頃、例年のようなそれなりの症状が出て来ました。
治療前と比べれば症状は楽なのですが、それでも気持ちが悪いことは変わりませんでした。
今年は、例年より飛散量が多いとのことでしたので、その時に出ていた症状も、それなりに不快。
以前よりかなり改善しているとは言え、嫌なものは嫌。
だから、
「治療していても、これだけ症状が出るとは…」
との思いが沸くくらいでした。
「このまま、元に戻ってしまうのでは」
などの思いすら脳裏によぎり、飛散時期が終わるまでは、それなりに大変だなぁと考えていました。
ところがです。
3月も半ばになると、症状らしき症状がほぼなくなり、花粉症であることを忘れてしまうほどになったのです。
なので、それ以降は
「今年は、花粉が飛んでないのでは?」
と疑うくらいで、花粉を意識して初めて
「そういえば、ちょっと目がかゆい感じがする」
程度の症状に収まっていました。
今ふり返ると、
「何でこんなに症状がでないの?」
と不思議なほど。
そして、ヒノキアレルギーもある私は、ヒノキの花粉が本格的に飛散する時期に到って、ようやく症状を意識するような状態になりました。
つまり、スギ花粉症としては、飛散時期の初期を経過すると、ほぼ症状を感じなくなり、まるで花粉症アレルギーなど無いかの如くだったのです。
その後、担当医に今年の症状を説明すると、
「スギ花粉の飛散としては、今年は例年より多いくらいでした。」
「急に症状が軽くなるのはあまり考えられません。気温や天候によって飛散状態が変化したことも影響したのかも知れません。」
「治療の効果が得られていることもあると思います。」
との見解でした。
私の感覚としては、これも治療の効果の1つではないかと感じます。
そして、ヒノキの花粉の症状も例年より改善している旨を伝えると、担当医は、
「スギ花粉による過敏反応の影響で、その後のヒノキ花粉への反応が過敏になることはあります。」
「スギ花粉の症状が抑えられていたことで、ヒノキ花粉に対する反応に影響した可能性があります。」
とのことでした。
本来、アレルギー成分としては、スギ花粉とヒノキ花粉は別なので、スギ花粉の治療でヒノキ花粉の治療ができるわけではありません。
しかし、間接的な影響がこんなところにもでるものかと感じ、ありがたく思いました。
なんか、来年の花粉時期が楽しみにすら思えて来ました。
今後も継続
という訳で、これからも治療を継続して行きます。
継続期間が長いほど、効果が持続するとのことですし、せっかくここまで続けたからには徹底して治療したいと思うからです。
今後も、機会を得て、関連記事をポストして行きますので、興味がある方はまた読んで下さい。
ちなみに、今年になってから、舌下免疫療法に使用する薬「シダキュア」は、需要が急拡大して、現在は生産が追い付かないとのこと。
なので、新規で治療する方は制限しているそうです。
それだけ、今年は飛散量が凄かったと言えます。
また、本治療方法が普及している表れでもありますね。
治療を迷っている人は、ぜひ前向きに考えてみることをお勧めします。