最近観た映画で、最も良かったと感じた映画は、初夏に上映された「美女と野獣」です。
子供が比較的小さいので、普段は家族で一緒に観られる子供向けの映画を見ることが多く、これも家族4人一緒に観た映画でした。
私は本来、アクション映画、サスペンス映画、ホラー映画等が好きで、このようなミュージカル映画、恋愛映画はあまり観ることがありませんでした。
子供のためにと思った映画が、むしろ、私と妻の方が夢中になってしまう感じで、それだけ大人を魅了するものがあったと思います。
主演のエマワトソンも言っていますが、この映画はアクション、コメディ、恋愛、ミュージカルの、4つの映画の側面を持ち合わせています。
それが夢中になった理由のひとつかも知れません。
ミュージカル映画でありながら、それを感じさせないしっかりとしたストーリー展開、それでいながら、ミュージカルだけあってミュージック自体も心に強く響き、それを聞くだけで感動が蘇ります。
この映画で最も目についたのは何といってもエマワトソンの演技力ですね。彼女はハリーポッターの同級生役で有名になりましたが、当時は単なる子役というイメージしかありませんでした。
しかし、この映画での歌、ダンス、演技の表現力はまさに一流、こんな立派な女優になったんだなぁという感じでした。彼女自身はミュージカルが初めてだそうですが、それを難なくこなし、周りのスタッフを驚かせたそうです。
そんな彼女自身、この映画には思い入れが強く、それというのも4歳の頃アニメ版の美女と野獣を観て、ずーっとベル(美女)に憧れていたそうで、いざ、実写版の話が来た時には、絶対に成功させたいとの凄く強い思いがあったといいます。
リメイク版なのでストーリー自身は既に分かってはいるものの、いざ観るとどのような展開になるのかとドキドキする感じがしたのは不思議でした。
本来、恋愛をすることなどあり得ない美女と野獣。その二人の心が少しずつ近づいて行く姿は、まるで普通の男女が恋愛をする姿とオーバーラップし、恋愛映画そのものとの感じを抱きます。
この実写版ではストーリーが少しアレンジされていて見事にまとまっている感じがしました。
その中で、人間らしさを強く感じさせる場面が多々あり、それが心に響くものでした。
王子(野獣)に立ち直って欲しいとの思いで必死に後押しする召使たちの姿。
幼少のベルを守るために母親がとった行動。
父親を大事にするベル、その娘を思う父親、これら父娘の親子の愛情の絆。
美男でも心が醜いガストンが醜悪な姿を顕わしていく姿と、姿が醜くても優しい心を取り戻してゆく野獣の姿との対比。
そしてラストシーンでは、召使たちが遂に人間に戻れなくなり、王子も命を落としてしまった、そう思わせるシーンから一転して全てが蘇って元に戻るシーンへ展開して行くのはまさに感動でした。
その日の内に、すぐサントラCDを購入して車の中でいつも音楽を聞くようになり、DVDも発売をずーっと心待ちにしていました。
そのDVDも発売直後に購入して、直ぐに家族で一緒に観ました。このDVDにはボーナス映像や特典もあり大満足でした。
この美女と野獣、久しぶりに名作映画に出会った感じがしました。
観ていない方、ぜひ観て欲しいと思います、絶対にお勧めです。