トイレの底面にこびりついた汚れが、なかなか落ちなくて困っている人も多いことでしょう。
でも、この汚れは適切な処理をすれば必ず落とせます。
実体験をもとに、絶対に汚れを落とす方法を詳しく説明します。
トイレ底の汚れを、専用クリーナーを使ってブラシで強くこすっても、少しもキレイにならないことがあります。
これを見ると、「これほどヒドイ状態だと、もう汚れは落ちないのでは…」とすら思うこともあるでしょう。
でもこれは、単に、汚れがどういうものかも知らず、簡単に落ちると思い込んでいるからです。
以下、汚れがいかなる物であるかに触れた上で、実際に汚れを落とした作業の流れを説明し、落とすための要点やコツについて解説します。
汚れの正体
この種の汚れは、黄ばみとも呼ばれていてトイレの底面だけではなく、尿などが触れる箇所であれば、 どこにでも付着する汚れです。
汚れの実態は尿石とも呼ばれ、尿の成分であるカルシウムなどが固体化したものなので、固形物として付着してしまうところが厄介な点です。
水洗トイレの場合、使用後にきちんと流していればそれほど汚れが付着することはありません。
しかし、長年使用していたり、流し忘れや流し方が不適切だったり、まめに掃除をしていなかったりすると、汚れは付きやすくなります。
この汚れはアルカリ性なので、酸素系の洗剤で中和させてやれば落としやすくなる、と言われています。
こうした汚れを取る方法については、色々なところで公開されていますので、ノウハウそのものは決して、珍しいことでも難しいことでもありません。
しかし、実際にやってみてどうなのと言う点が興味のあるところでしょうし、「本当にキレイになるの?」という疑問をハッキリさせたいところでしょう。
私が実際に試して得た結論としては、「汚れは、取れる取れないではなく、必ず取れる」と言うことと、「汚れをどのようにとるかが肝心」だということです。
以下、実際に試した作業の流れを説明し、汚れを取るための要点とコツを解説します。
作業の流れ
さて、まず実際に我が家でやってみた一連の作業の流れを説明しましょう。 実際の作業の大まかな流ですが、
(1)トイレ底の水をくみ取る
(2)底に洗剤をスプレーして放置する
(3)底をトイレ掃除用ブラシでこする
というものでした。
実際に用いた洗剤は、写真のような一般に市販されているクエン酸スプレーでした。このスプレーを吹き付けることで、泡状のクエン酸液で対象物を覆うことができます。
クエン酸を選んだ理由は、一般の酸素系の洗剤は使い方を誤ると化学反応を起こして危険ですが、クエン酸は比較的安全と言われているからです。
実際の作業
具体的な作業の詳細ですが、まず、何と言ってもトイレの用を済ませておくことが大切です。
クリーニング作業を一旦開始してからトイレを使うことになると、作業が中断してしまうからです。
特に小さい子供がいる場合などは、作業を始める前に声を掛けてトイレを済ませてもらいましょう。(実際、我が家では次男に声を掛けて、用を済ませてもらいました)
次に、たまった水を汲み取りますが、写真のようにゴム製の手袋と紙コップを用いて、一回一回手ですくってパケツに入れました。
紙コップを使う理由は、使用後に捨てられるという理由もありますが、汲み取る時に形が変化しないと、底部に残った僅かな水を上手に汲み取ることができないからです。
写真が汲み取った後に撮影した写真ですが、底部がかなり汚れている様子が分かると思います。
水が殆ど残っていない状態になったら、クエン酸をスプレーしました。
下の写真がクエン酸をスプレーした後の状態ですが、泡状になったクエン酸液が汚れた部分をきちんと覆っていることがよく分かります。 クエン酸を充分に吹きつけた後は、しばらく放置しました。
この際、念のためトイレの換気を付けっぱなしにしておき、ドアはきちんと閉めておくことにしました。
予期せぬ化学反応でも生じれば危なくなる可能性もあるでしょうから、必ず換気しておくべきですね。
そして放置して20分が経過し、写真にあるトイレ掃除用のブラシで、底部をゴシゴシと擦って落としました。
この際、かなり力を入れて必死に擦りましたが、 決して簡単に汚れが落ちたという感じではありませんでした。
しかし、擦っているとクエン酸液の色が下記の写真のように濃くなって行きましたので、汚れが落ちていることを確信できました。
その後、汚れの状態を確認するために、紙コップでクエン酸液を除いたところ、下記の写真のように一部にまだ汚れが残ってしまっていることが分かりました。
「さすがに、この種の汚れは手ごわい」って感じでしたが、もう一度クエン酸液をスプレーして、10分ほど経過して再トライしたところ、汚れをほとんど落とすことができました。
しかし、局所的には汚れが残っていたので、再び繰り返すことにしましたが、興味があったので残っていた汚点を触ってみたところ、石がこびり付いているような感触がありました。
「なるほど、手ごわいわけだ」と感じましたが、その汚点を集中的に繰り返してブラッシングした結果、最後は写真のようにキレイにすることができました。
要点とコツ
以上のような一連の作業を通して、いくつかのことが分かりました。その要点とコツをまとめると以下の通りです。
・汚れと言うよりもこびり付いた石という意識を持つ
・洗剤や薬だけには頼らず力を込めて落とす
・汚れの状況に応じて繰り返す
・ブラシやスポンジをどのように当てるかがカギ
まず「汚れと言うよりもこびり付いた石という意識を持つ」についてですが、見た目は汚れに見えますので、汚れを取り去るという感覚があると思います。
しかし、あくまで汚れの実態は、尿石のカタマリだということを頭に入れて置くことが大切です。
つまり、固形物として付着している状態で、その固形物を取り除くというのが汚れ落としの実態です。
次に「洗剤や薬だけには頼らず力を込めて落とす」についてですが、相手がアルカリ性の物質なので酸性液体によって落としやすくなるのは事実です。
しかし、一度固体化した物質ですから、何か魔法でもかけたように「サーッとひと拭きで落ちる」などと考えてはいけません。落としやすくなったと言っても、それなりに力を込めなければ汚れは落ちません。
更に「汚れの状況に応じて繰り返す」についてですが、汚れがしつこい場合は、簡単に落ちない場合もあります。その場合は、洗剤を吹きかけて擦る作業を、時間を置きながら繰り返す方法が有効です。
繰り返す際に、汚れがどの部分に残っているのかを視覚的に確認することで、繰り返し時の作業は効率的になります。
最後に「ブラシやスボンジをどのように当てるかがカギ」ですが、底部の少し奥側や形状が入り組んでいる箇所は、ブラシやスポンジが当たりにくいので、落としにくくなります。
従って、どのように当ててどのように擦るかがカギになります。
そしてもし、どうしても落ちない箇所があれば、汚れの部分によくフィットするハケのような物で、そぎ落とすようなことをすれば、必ず落とすことができます。
実際に我が家も部分的にこの方法を試してみましたが、ブラシでコツコツ繰り返して落とすよりも、格段に早く処理できます。
これは、平面のような部分にしか効果的に使えませんが、汚れが目立つ箇所は平面なので、かなり有効な方法と言えます。
手を奥までツッコまなければ作業しにくいのですがが、作業スピードが上がり、かつ確実に落とせますので、特に急ぐ人には超おススメです。
もちろんトイレに傷をつけない程度の物を使うようにしましょう。
以上、トイレ底の汚れを落とす要点とコツをまとめました。これらを念頭に根気よく落とせば、落ちない汚れはありません。
但し、汚れる前に日頃から汚れないようにする予防こそが第一であることは忘れないようにしましょう。