世界中には色々なフルーツがあって、かつての日本には無かった種類のフルーツも次々に普及して、以前は食べられなかった品種も身近になりつつあります。
戦後、時代とともに広まって行ったフルーツとしては、バナナ、キウイ、さらにマンゴーと、以前は全く見ることが出来なかったものが、次々と一般家庭の食卓にも並び、今でも新しいフルーツが増えています。
さて先日、普通のスーパーの店頭にパッションフルーツが並んでいて、価格も手ごろであったことから初めて食べてみることにしました。沖縄や九州などの一部を除いて、まだまだ、見かけることの少ないフルーツですが、今後、どんどん普及して行くのではないかと感じました。
日本産
パッションフルーツといえば、南国のイメージも強く、実際の原産国はアメリカ大陸の亜熱帯地方といわれています。ブラジルなどが主な栽培国のようで、日本でも沖縄や鹿児島など、南方の限られた地域でしか栽培されていません。
今回購入したものは、輸入品ではなく、鹿児島県産、つまり日本産のもので、まだまだあまり見かけないとはいえ、日本の農家でもけっこう栽培されていることを初めて知り、少し驚きました。
パッションフルーツの外見は、一般の南国フルーツと比べても、ぜんぜん鮮やかでは無く、全体的に黒っぽい紫色で、形は西洋ナシのように、少し円錐っぽい球状で、大きさはキウイをひと回り大きくしたくらいです。見ただけでは、正直、本当においしいの、という印象があります。
また、一般的には酸っぱいと言われているので、甘味のあるフルーツが好きな人にとっては、敬遠しがちとなるかも知れません。食べたことが無いと、どうしても避けてしまいたくなるような人もいることでしょう。
味はサッパリ
では気になる、実際の味はどんな感じでしょう。酸味があるので少し酸っぱい感じはあるのですが、レモンやライムなんかほど酸っぱくはありません。味を表現するのは難しいのですが、一般のフルーツそのものの味や風味があるので、比較的なじみ易い感じがします。
「一般のフルーツそのもの」っていったい何だ、と疑問に感じると思いますので、少し説明を加えます。
例えば、何種類ものフルーツを使って、フルーツのヨーグルト和えみたいなデザートを作るとして、リンゴ、オレンジ、キウイ、バナナ、パイナップル等々なんでも構いませんが、身近な果物を数種類小さく切って混ぜ合わせたとします。
その混ぜ合わせた時に、自然と抽出された果物の果汁の集まりが、何のフルーツとは言えないまでも、「フルーツの味」と言える果汁になります。ちょうどそんな感じの味・風味なんです。
しかも、その味は、ほんのり酸味が効いていて、甘ったるさやしつこさはないので、サッパリとした感じで、口当たりがとてもいいのです。
夏場の飲み物として最適
さて、実際の食べ方ですが、正直いってそのまま食べるのでは、果実そのもののボリュームがあまりありませんので、あまり食べた感じがしません。
従って、そのまま食べるより、何か手を加えるのがよいのですが、自然な果実の味を活かすのであれば、水で薄めて、好みでほんの少しハチミツを加えて、ジュースのようにして飲むのが一番いいと思います。酸味が効いたサッパリ味なので、夏場の水分補給には最適です。
人工的な味は感じないですし、天然の「フルーツの味」が強く味わえて、サッパリしている分だけ、後味もとても良いです。冷水用のポットに入れて冷蔵庫で冷やしておけば、喉が渇いた時の、格別の一杯とも言えるでしょう。
未だ食べたことがない人は、まず、試しに一度食べてみるとよいでしょう。一度この味を覚えたら、止められなくなるかも知れない、他のフルーツには無い味わいです。プレーンヨーグルトに入れても美味しいですよ。