自動車は、たとえ運転していなくても、所有しているだけで維持費が掛かります。
維持費の中でも税金や自賠責保険料などは必要不可欠な経費で、その費用を削減することは無理ですが、駐車料金については工夫次第で削減することは可能です。
ここでは、自動車の維持費のうち、駐車料金を安くする方法をまとめました。
駐車料金
自動車を所有する上で必要な駐車料金を大別すると、車両の保管にかかる費用と、運転に伴って目的地などで駐車するために要する費用との2つに分けられます。
2つのうち、運転に伴って発生する費用については、自動車を維持するための費用というよりも、運転する度に発生する費用に当たるため、ここでは議論の対象から外します。
自動車の運転に伴って発生する駐車料金に関するノウハウについては、下記の記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。
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さて、自動車を保管しようとした場合、持家に駐車場が付いていれば、駐車に伴う費用は特に必要はありません。
しかし、賃貸住宅に住む場合や居住地に駐車場が無い場合、或いは複数の車両を所有している場合などは、駐車場を確保するための賃貸料などが必要になって来ます。
そして、こうした駐車料賃貸料は、一定の金額が定期的な出費として負担になることから、その金額の大きさはバカになりません。仮に、1ヶ月の駐車場賃貸料が1万円だとすると、年間では12万円もかかることになります。
運転するしないに関わらず、所有しているだけで、まとまった金額が必要になるから、その負担が大きいのです。
費用を不要にするには
そこでまず、考えることは駐車費用を無料にできないかです。
軽自動車の場合、自治体によっては車庫証明を必要としない場合もありますから、駐車する場所さえ確保できれば、きちとした駐車設備がなくても問題ありません。
従って、居住地域が軽自動車の車庫証明を必要としない地域の場合、駐車場の賃貸契約を不要にする方向で検討するのがベストです。
また、車庫証明が必要な場合でも、自宅などに土地があり、駐車場として利用可能であれば、車庫証明を発行して貰えるように、土地を整備して駐車場の賃貸契約を不要にしたいものです。
車庫証明は、駐車する十分な土地と空間があり、公道との出入りが無理なく行える状態で、居住地から近距離で、場所として適切であると判断されれば発行してもらえます。
もし、住宅の購入や賃貸契約を考えているのであれば、将来必要となる駐車場の台数も念頭に、どのような駐車場付きの住まいがいいかを考えることも大切でしょう。
予め駐車設備を確保しておくのと、あとから駐車設備を確保するのとでは、長期的に見た場合、前者の方がトータルコストを抑制できるからです。
安くするコツ
さて、駐車料金を無料にするのは、土地を所有しているなどの条件が必要ですから、難しいことも多いでしょう。そこで、駐車料金を少しでも安くすることが重要になってきます。
1ヶ月の駐車場賃貸料が1万円だとして、仮に千円だけ安い場合は9千円ですから大差は無いようにも見えます。しかし、年間では一万二千円安くできることになりますから、差は大きいものです。
それだけ定期的な出費というものは無視できないほど大きいのですから、少しでも安くしようと考えるのは大切なことです。
以下、駐車場の賃貸料を安くする上でのポイントを説明します。
地域差
駐車場は住んでいる地域周辺で探すと思いますが、駐車場の月極料金は周辺地域内でも場所によって異なります。
駐車場契約をする場合、誰でも少しでも安いところを探すかと思いますが、同じ地域で探す場合、そこの相場の料金がありますから、通常は大差はありません。
しかし、色々探すと他と比較してけっこう安い駐車場もあるものです。特に線路を隔てたり、大通りを隔てたりすると、料金の相場が大きく変わることがあります。
また、舗装や整備の状態などによっても料金は変わりますから、居住地からの距離なども含めて、総合的にコスパの良い場所を選択するのが良いでしょう。
安いとこは満車
とは言っても、駐車料金が安いところは人気がありますから、空いていないケースが多いのが現実です。実際に地域周辺で駐車場を探す場合、空が多いところほど料金が高めの傾向があります。
例えば、全く同じような駐車場でも、A駐車場は空がなくて月極料金が12000円、B駐車場は空があるけど月極料金が15000円といったケースはよくあります。
こんな場合、誰しもA駐車場に空が出ないかなぁと思うところですが、諦めるのはまだ早いです。駐車料金を安くするために、値引き交渉と空き待ちの予約を試みてみましょう。
値引き交渉は通常、不動産を通して行いますが、「近隣のA駐車場は12000円ですが、B駐車場も同じ料金にして貰えないでしょうか」という内容で交渉します。
上手く行くケースの方が少ないとは思いますが、可能性はありますし、例え3000円の値引きができず、1000円の値引きだけだったとしても年間ではその差が12000円になりますから、交渉してみない手はありません。
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空き待ちの予約というのは、空いていない安めの駐車場を、管理する不動産に対して、「空が出たら契約したいので連絡下さい」などと伝えて、予約という形を採ることです。
不動産や駐車場によっては対応して貰えませんが、交渉の余地はあります。空がでるまでは別な駐車場を契約していて、空が出た段階で契約を変更(乗り換え)しても、通常、駐車場には敷金や礼金は掛かりませんから、長期的には安くなります。
私も実家に住んでいた頃、皆が契約していた駐車場と比べて徒歩で3分ほど遠方に位置する駐車場を選んだことで、3000円ほど安くすることができていました。
また、同時に最安値の駐車場も予約していたため、結果として、数年後に更に3000円ほど安い駐車場と契約することができた経験があります。
賃貸駐車場以外も視野に
さて、一般の月極駐車場から選ぼうとすると、選択する幅は限られますし、料金の相場はある程度決まっていますから、安くなると言っても限界があります。
しかし、選択する幅を広げることで、思いのほか安くなる場合があります。
例えば、賃貸アパートなどに付属している駐車場などは、入居者用の駐車設備ですが、車を所有しない入居者が多数いる場合は、使われない状態となることがあります。
この場合、大家などのアパートの所有者にとってみれば、不動産を有効に活用できていない訳ですから、可能であれば貸したいという願望があります。
賃貸アパートなどに付属している駐車場の場合、付帯設備の一種であるため、一般の月極駐車場よりも賃料の相場が安くなっていますから、交渉して駐車場のみの契約が成り立てば、安く借りることも可能です。
但し、この種の駐車場は賃貸家屋とのセットが基本ですから、交渉に応じてくれるケースは少ないのは事実です。
また、一日貸駐車場や、時間貸し駐車場の中には、利用者が少なく有効利用されていない駐車場があります。こうした駐車場も、その所有者や管理者は、少しでも有効に利用したいと考えますから、交渉する余地があります。
交渉するのはタダですから、ダメ元でもいいから試してみたいものです。
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更に、土地を所有している親戚や知人が近くに居る場合は、交渉しだいでは安く借りられる場合もあります。
以前、私の母方の実家では、使わなくなった駐車場が空いたままの状態のことがありましたが、近くに住む遠い親戚が利用したいという要望があったので、格安で貸していたことがあります。
貸す側も使わない状態で無駄にしたくないという気持ちがありますし、借りる側も少しでも安くしたいという願望がありますから、両者の願いが見合うのであれば、交渉がうまく行くことはあり得ます。
但し、一般の月極駐車場ではない場合、個別で交渉することが多くなりますが、交渉相手が個人などの場合には、契約時に、不動産などに仲介して貰う方が無難です。特に、相手が第三者の場合、要らぬトラブルのもとにもなり兼ねませんから注意が必要です。