長野市に住んでいると、就学児童がいる場合、動物注意のメールがたびたび配信されて来ます。
良くあるケースは「イノシシやシカが出現したので登校に注意する」旨のメールです。
首都圏で生活して来た私にとっては、初めて配信されて来たときには本当に驚きでした。
なんだこれは~生活圏内にイノシシが出没するのか~という感じでした。
メール配信の数日前に、長野駅方面でイノシシに襲われて一人の壮年が怪我をしたというニュースがありましたので、とても心配になりました。
いざ色々と調べてみると、イノシシは、急に走り出したり、逃げ出したり、或いは、棒を振ったり、石を投げたり、大きな音を立てたりすると興奮して襲ってくる可能性があるそうです。
大事なことは、とにかく刺激せずにイノシシと向かい合ったまま、ゆっくりと後ずさりしてその場を離れるようにすることだそうです。
そして、そのメール配信からたいして日月が経過しない間に、今度はシカ出没情報のメールが配信されて来ました。
まじかよーまたかよと。
そしてシカについて調べたところ、襲われることはほとんど無いようですが、刺激させるような行動を慎み、静かに立ち去るのが大事なようです。
以前、職場の人が近くの渓流へドライブをしに行った時のこと、直ぐ近くに野生のシカが居て10メートル程の距離をおいたところで目と目があったそうです。
その時の威圧感は凄かったそうで、とても恐かったとつくづく述べていましたが、草食動物とはいえ、野生の動物は侮れないと思いました。
もし本気で襲ってきて、角で攻撃されたりしたら、下手をすると大けがをし兼ねないなぁと思いました。
まして、相手が熊だったりしたら…と思うと冷や汗が出てくるものです。
近年、クマに襲われて死亡した何てニュースもけっこう見かけますし、何年も前のニュースで取り上げられていましたが、長野駅に熊が出没したなんてこともありました。
当時、ニュースを聞いた時、あれほどの主要駅に熊が出るなんて、そんなことあるのかと非常に驚いたのを覚えています。
さて、イノシシやシカへの注意喚起のメール配信があったので、就学児童がいる地元の方に話を聞いてみました。
すると軽ーるい声で
「イノシシなんか大したことないですよ」
「シカだって大したことないですよ」
と全く動じた様子もない返事が返ってきたのです。
「なんだ!このゆとりの反応は…。お子さんが心配ではないのか…」と唖然としてしまいました。
そしてその方は
「怖いのは熊ですよ」
と一言。
しかし、あまり熊なんて心配していない様子でした。
続けて、
「熊は、出没しても山間部で、ほとんどふもとまで下りてくることはないんです」
「出没しても、事前に情報が入って来るので、そんなに心配はいりませんよ」
と。
なるほどなぁと思っていると、続けて出てきた言葉は、
「一番怖いのは、変質者ですよ!!」
と。
「動物は出没した地域をうろついているので、その周辺を警戒していればいいんです」
「でも、変質者は電車にも乗れる、バスにも乗れる、自動車だって運転できるので、どこにでも出現し得るんです!これほど怖いものはありません」
と。
聞いていて、そういうものか…と。
動物の場合、どちらかというと自己防衛のために攻撃して来ますので、基本的に自己防衛以上のことはしません。
でも、変質者であったら、裏で何を考えているか、どんな悪意をもっているか計り知れません。
考えてみれば、実際に、児童が登下校中に動物に襲われたなんてニュースはほとんど耳にしたことがありません。
しかし逆に、登下校中に人為的な犯罪に巻き込まれたなんてニュースはたびたび耳にします。
そう考えをめぐらせて行くと、その方が言っていたことに「なるほどなぁ。確かにそうだ。」と、とても納得できました。