小学生の頃、台所のレンジの上に設置してあった換気扇を見ては、ガスの燃焼に伴って欠乏する酸素を補給する意味で、換気をするのだという認識を持っていました。
実際、ガスレンジの周りには、「ガスを使う時には、必ず換気するように」とのシールが貼られていて、換気をしないと酸欠で事故にもつながる、との自覚も持っていました。
その頃は、それ以上のことは考えたこともなく、当時なんとなく思っていたことが、
「何で吸気ではなくて、排気なのだろう?」
という素朴な疑問でした。それと同時に、漠然と抱いていた感覚は
「新鮮な空気がそのまま入って来る、吸気の方がいいんじゃないか」
という思いで、幼い頃のその思いは、そのまま最近まで、ずうーっと残っていました。
最近まで何も考えていなかった
そんな思いを抱いたまま、何も深く考えることなく今日に到り、今ようやくきちっとした意味を知って、「物事は、きちんと考えないと、当たり前のことですら、意味が分からないこともあるものだ」と感じたものです。
他の人から見れば、「そんなことも知らなかったなんてバカみたい」と思えるのでしょうし、私としても恥ずかしい話なのですが、つい最近まで「新鮮な空気を、直接吸気した方がいいんじゃない」なんてことを本気で思っていたのです。
要するに、排気すれば室内の気圧が下がって、外から自然と新鮮な空気が流れ込むわけですが、「だったら、直接吸い込めば(吸気すれば)同じことじゃん」などと、まじめに考えていたわけです。
気付いたキッカケはトイレの換気
排気と吸気の意味の違いに気付いたキッカケは、トイレに設置された換気扇が「もし吸気だったら」と想像したことによりました。
もし、臭くなったトイレの空気を入れ替えるために、排気ではなく吸気だった場合、トイレ内には臭くない外気が入り込んできて、トイレは臭くはなくなって行きますが、それに伴ってトイレから排出された空気は、直ぐに屋外に出るわけではなく、屋内の部屋を経由したり、室内に留まったりするので、どうしても室内に臭さが残って、却って不快な思いをすることになるわけですね。
そして、「これって、台所のガスレンジの換気扇も同じ原理じゃないの」と考えた時、はじめて気づいたのです。
ガスの燃焼によって酸素濃度の低くなった空気をそのまま排気すれば、部屋には外部から自然と外気が入り込んで、室内全体の酸素濃度が保たれます。
しかい、もしこれが吸気だとすると、酸素濃度の低くなった空気はそのまま直ぐには排出されないので、部屋にこもることにより、室内全体の酸素濃度の低下を招きかねないわけですね。
更に言えば、油分を含んだ空気が部屋の中を通れば、壁などに油分の汚れが付着してしまいます。
物事、考えないと不明なことがある
最近ようやく、「吸気」ではダメで「排気」すべきなんだという事を、理解したのですが、キレイな空気を取り込みたいことと、不要な空気を排出したいこととでは、意味が違うってことなんですね。そして、これは浴室なんかの換気扇も意味は同じで、吸気ではなくて排気でなくてはいけないのです。
今回のことで感じたことは、物事って、意味をきちんと深く考えないと、たとえ当たり前のことであっても、理解することは出来ないものだなぁということでした。