先日、仕事を終えて帰宅すると、食卓には夕飯の準備がされていて、そこには酸辣湯麺がありました。
以前から、家でも酸辣湯のスープはよく飲むことはあったのですが、酸辣湯麺というラーメンを食べるのは初めてでした。
ひと口食べると、店でよく食べる酸辣湯麺とそん色のない味わいで、思わず
「おいしい!うまく作れたね!」
と妻に語りかけました。
しかしその時、妻の口から出てきた言葉は
「それ、インスタントラーメンだよ」
のひと言でした。
目次
酸辣湯麺(スーラ―タンメン)とは
その言葉を耳にした私は、正直
「あり得ない」
との思いが込み上げ、
「インスタントでこの味?」
と信じられませんでした。
信じようとしない私に対して妻は、
「これ、これ!」
と、買い置きしていた同じ商品のパッケージを見せてくれましたが、それは紛れもなくインスタントラーメンでした。
「ちょっと値段は高めだけどね」
という妻に対して、
「また買おう!」
と即に話した私でした。
さて、酸辣湯麺は日本で広く普及しているラーメンとは少し違いますので、馴染みの無い人もいるかと思います。
酸辣湯麺は、中国語の酸辣汤面(suānlàtāngmiàn)から来ている料理名で、いわゆるラーメンの一種です。
中国語で酸辣汤面を、スゥアンラータンミィエンと発音することから、日本ではサンラータンメンやスーラータンメンなどと呼ばれています。
従って、呼び名は違っても、酸辣湯麺もサンラータンメンもスーラータンメンも、全て同じ料理のことを指します。
もとは酸辣湯と呼ばれるスープ料理で、その中に麺を入れてできたラーメンが酸辣湯麺です。
日本では、一般のラーメン屋ではあまり見かけませんが、本格的な中華料理屋などでは扱っている店が多く、食べる機会も割と身近にあります。
このラーメンのスープは酸辣湯という漢字が表す通り、お酢の酸味がきいてちょっと辛さがあるスープです。
酸味の効いたスープに馴染めない人もいるかも知れませんが、一度「はまる」とやめられない味です。
私も以前は、全く食べられない味付けでしたが、中国に一緒に行った友人が「美味しい、美味しい」といって食べているのを見て初めて口にしました。
その時は、「まずっ!」という感じでしたが、いつしか自然と美味しいと思えるようになり、今や大好きなスープのひとつになりました。
それからと言うもの、中華料理屋のメニューに掲載されていれば、頻繁に注文するようになりました。
また、酸辣湯(スープ)だけなら家でもちょくちょく食べるようになりました。
ちなみに、本場の中国では通常は黒酢を使っていますので、日本の味とは少し違います。(黒酢が苦手だから好きになれない人もいるようです)
いずれにしても、酸味がしっかりと効いて、ちょっぴり辛いところが酸辣湯を美味しく味わえるポイントです。
私が食べた酸辣湯麺は明星の中華三昧シリーズ
さて、私がインスタントラーメンとは信じられなかったラーメンですが、これは明星食品が発売している中華三昧シリーズのひとつ「酸辣湯麺」(スーラータンメン)です。(上の写真)
私が驚いたのは麺がインスタントっぽくない点もありましたが、スープがインスタントとは思えない味だったところです。
インスタントですから、決して料理方法も難しくなく、誰でも簡単に調理できてしまうのですが、それでいてあれだけの味を出せるのは凄いと感じました。
商品の封を開けると中身は、乾燥麺と、粉末スープ、液体スープの3つが入っていますから、これだけ見ればどこにでもあるインスタントラーメンと大差ありません。
敢えて言えば、調理には「とき卵」を入れるのがポイントで、これが酸辣湯らしい味を出してくれます。
もちろん卵なしでも作れますが、なければ酸辣湯らしくなりません。
調理手順を簡単に言えば
(1)予め卵を溶きほぐしておく。
(2)熱湯に麺を入れて茹で、一旦、麺だけを器に移す。
(3)麺を出したお湯に粉末スープを入れ、溶き卵を回し入れる。
(4)火を止めて液体スープを加えてかき混ぜる。
(5)器に移しておいた麺に、スープをかける。
という流れです。
これを見ても、よくあるインスタントラーメンと変わらない、手間がかからない料理であることが分かります。
実際の酸辣湯麺
では、実際にどんな商品なのかをぜひ見て欲しいと思います。
調理してから完成までの流れを見てみましょう。
流れを見れば少しでも美味しさを感じ取ってもらえると思いますからね。
まず、卵をひとつ溶いておきます。卵を割ってかき混ぜるだけですから誰でもできますね。
お湯を沸かして麺を入れ、3分ほど経ってやわらかくなったら麺を取り出します。
下記が取り出した直後の麺ですが、色つやを見ても、インスタントラーメンらしくない、ちょっと高価な感じがします。
麺を取り出したお湯をそのまま利用して粉末スープを加えます。
下記が粉末スープを加えた直後の様子です。
そこに溶き卵を加えてかき混ぜます。
すると下記のように、酸辣湯らしくなってきました。
火を止めて液体スープを加えてかき混ぜると、なんか立派な酸辣湯って感じです。(下記)
これを先ほどの麺の上にかけると出来上がりです。
数分あれば完成してしまう。
簡単極まりないです。まさに即席ですね。
見ただけでも美味しそうですよね。
実際にとても美味しいです。いただきま~す。うまっ!
インスタントでなぜここまで美味いのか
とまぁ、こんな具合に衝撃にも似たような感覚を味わったわけです。
でもなぜ、インスタントでこの味が出せるのか。
あり得ない。
「即席のくせして恐るべし」との思いがこみ上げたわけで、さっそく美味しさの秘密を考えてみました。
そもそも格が違う
まず、そもそも商品のシリーズ名が「中華三昧」ってところに、格の違いが表れています。
明星食品がそれだけ力をいれた商品。
同じインスタントでもハイグレードな位置づけってことですね。
値段も一般のインスタントラーメンより高めな点にも表れています。
麺もスープも優れている
さて、美味しいラーメンの条件と言えば、スープも麺も揃ってよくできていること。
スープは美味いけど麺はちょっと…
麺は上出来だけどこのスープは…
これらはどちらもダメですね。
スープと麺。どちらの完成度が低くても美味いとは言えません。
その点、この酸辣湯麺は、どちらも素晴らしい。
先に麺のことを言えば、上記に示したように、少しツヤがあり一般の即席ラーメンのなかでは高グレードな感じ。ツルツル感が生のラーメンを思わせます。
インスタントラーメンで実現できる、最も高品質な麺と言えるのではないでしょうか。
深みのあるスープ
そしてポイントは、やはりスープですね。
一言でいえば、深みのある味。
単調な味のスープではないのですね。
ちょっと、上記に示した製品のパッケージの原材料名を見てみて下さい。
原材料、けっこう多く記載されていませんか。
インスタントラーメンのくせして、バリエーションの広い原材料を使っているのが分かると思います。
安さだけを求めたインスタントラーメンだと、原材料の欄ってせいぜい4~5行くらいでは。
多いものでも7~8行でしょう。
でも、この酸辣湯麺は12行。びっちり書かれています。
それだけ多くの食材を利用しているわけですから、味に深みがでることも頷けますね。
スープへのこだわりが表れていますね。
追求された味
そして、このスープを飲んで感じるのは、味への追及です。
パッケージを見ると、黒酢が含まれていますが、同時に醸造酢も含まれています。
本場のスーラ―タンメンは、黒酢のみがベースのハズ。
でも、醸造酢も一緒に入れることで、本場の味を失わず、且つ、日本人好みの味に近づけようとしている意図を感じるんです。
もっと言えば、大衆に好まれるスーラ―タンメンの味を追及した結果として生まれた製品。
そのように感じるのです。
ここまで見てきて、美味しい理由が本当によく分かったような気がしました。
どこにでもある一般のラーメン屋のラーメンだったら、この酸辣湯麺の方が絶対美味しいですよ。
そう、確信します。
始めて食べて以来、我が家では常食するようになりました。
もちろん、安売りしているとまとめ買いです。
で、子供たちも含め、家族みんなが大好きなので、我が家は食べるときに争奪戦になります。
まさに、我が家の「高級料理?!」とでもいうべき料理です。
アレンジもおススメ
ところで、これだけ美味しいスーラ―タンメンですから、アレンジしたらもっと美味しくなる筈。
そう考える人も多いと思います。
でも、まずしっかり認識すべきは、アレンジしなくても、かなり美味いってことです。
特別なアレンジはなくても、それだけで完成度が高いって感じます。
でも、卵だけは絶対入れて下さい。卵がないと全然違いますから。
で、実際にお勧めのアレンジは、ちょっとしたものを加えること。
例えば、何か具材を追加するならきのこ類がいいですね。とても相性がいいと思います。
青い野菜類は、スープの味を薄めてしまうので、あまりおススメしません。
入れるなら少量にするか、水を少なめにするなどの工夫が必要でしょう。
あと、自分好みの味に近づけるために、ちょっとした薬味や香辛料なんかもいいでしょう。
追加で酢を足すとか。胡椒やラー油なんか入れるのも定番。ネギやニンニクも人によってはいいでしょう。
まぁ、ここら辺は好みの問題なので、好きなものを入れればいいでしょう。
でも、製品の完成度が高いので、あくまでアクセントとして少し追加する感じがいいと思います。
そして、何といってもおススメなのは「替え玉」です。
市販の麺だけを別に購入しておいて余ったスープに追加です。
我が家では、頻繁に用いる方法です。
酸辣湯麺の酸辣湯は、もともとはスープとして味わうもの。
なので、余ってしまったスープを単に捨てるのは、ちょっともったいないのです。
スープだけ飲み干すと気になるのが塩分。
だから、麺を増量させて自然な形で摂取するのです。
食べ盛りの子供がいる我が家では、4人家族で4人前なんて足りる訳ありません。
だから、「替え玉」がちょうどいいのです。
っというわけで、インスタントを感じさせない明星食品の酸辣湯麺を紹介しました。
酸辣湯が好きな人なら絶対に美味しいと思うハズです。
食べたことの無い人は、是非ご賞味を。