ある日のこと、ある男性から紙幣を印刷して貰えないかとの話をされました。
もし実際に印刷でもすれば、それは犯罪になってしまいますから、当然、私は困惑しました。
しかし、そんな突拍子もない話をされたことで、却って色々な思いを巡らせることになりました。
依頼してきた人は…
冒頭の導入文を読んで、
「何だ!この犯罪めいた記事は?」
と感じた人もいると思います。
でも、これは紛れもない事実です。
「それって犯罪でしょ!」
そう言いたくもなりますよね。
でも、本当の話なのです。
それはある平日の夜のことでした。その男性と私は、私の家で話をしていました。
すると、突然、その男性は以下のように切り出して来たのです。
「実はお願いがあるのだけれど、お札を印刷して貰えないだろうか?」
それを耳にした私は、少し嬉しく感じ「ニヤリ」としました。
そうです、その男性とは私の息子だったのです。
(「なんだ!そんなことか」なんて思わないで下さいね)
お金の価値が分かるようになったからこそ出てきた発言なのだと思い、親として子供の成長が嬉しく思えたのです。
上記の発言は、記事を面白くするためにちょっとアレンジしていますが、実際の息子の口調は、
「ねえ。お願いがあるんだけど。お札を印刷してみれくれないかなぁ~」
って感じでした。
子供の発想は面白い
そう言われた時、とっさに出た私の返答は、
「バカ!そんなことしたら犯罪になる!!」
「やっちゃいけないことなんだ!」
その発言に対して、私の息子は、
「えっ?そうなの??・・・」
意味が全く理解できていない様子で固まっていました。
ちょっと時間が経ってから
「そうなんだ...」
と。
続けて息子は、
「全く同じお札を作れば、色々なものが買えるじゃん!」
「お金持ちになれるじゃん!」
と。
そのように言ってきた息子を見て、
「子供って本当に素直でストレートだ」
「子供が考える発想って面白いものだ」
と、つくづく思いました。
あわせて読みたい子供の運動会を見て感じた「素直が一番伸びる」ということ。
また、同時に思ったことは、
「これって、どんな子供でも一度は考えるようなことじゃないかなぁ」
です。
お金があれば欲しいものが手に入る → お金を自分で作ってしまえばよい
子供は、こういうふうに考えるんですね。
読者のあなたも、小さい頃に、同じように考えたことありませんか?
ありますよね。きっとあるハズです。
実は、私も子供の頃、似たようなことを考えたことがありました。
そして、同じように自分の父親に質問したことがあり、そんな懐かしい昔の出来事を思い出し、息子に語りだしました。
自身も同様の考え
「実はパパも子供の頃、同じようなことを考えたことがあったんだ」
息子に向かって語りだしました。
「お金をもっともっと、たくさん作って、みんなに配れば、みんなが金持ちになれる。パパも昔はそう考えたんだ」
「日本のお金を今の10倍くらい印刷して、国民みんなに配る。みんなが幸せになれる気がするでしょ!」
そのように語ると、息子の瞳は少し輝いて、希望に満ちているように見えました。
「でも、実際は思い通りにならないんだ」
「例えば、ここにあるクッション。お店で1000円で売っているとしよう」
「もし10倍のお金を印刷してみんなに配ればお金が10倍になる。」
「だけど、このクッションも10倍の10000円になってしまうんだ」
「だから結局、お金が増えても買えるものは同じなんだよ」
そのような私の話を聞いていた息子は
「?????」
「?????」
「?????」
全く理解不能状態に陥ってしまいました。
小学生にはちょっと難しかったようです。
きっと「せっかくいい考えを思いついたのに…」と、悔しい思いを抱いたことでしょう。
これ以上説明しても理解できないだろう。
将来、経済を理解して行けば自然と納得して行くだろう。
そのように思った私は、キリのいいところで話を終えました。
実際に起きている
ここまでこの記事を読んで、
「なんだ。現実ばなれした話だと思ったら、子供の着想か」
そう思った人も多いはず。
でも、現実ばなれしたことが、現在この日本で実際に起きているんですね。
経済に詳しい人ならピンと来たはず。
そうです。アベノミクスです。アベコベミクスとも言われています。
もし、偽札を実際に作るとどうなるか。いわゆる通貨偽造ですね。
これはもちろん犯罪で、その刑罰は基本的に終身刑です。要は、一生を棒に振る覚悟が無ければできない、とても重い犯罪です。
なぜそれだけ重い刑になるのか。
それは、偽物が流通する分だけ経済を狂わすからですね。
それと同じように経済を狂わすことが、日銀による国債の買取りです。
こんなことをやったら、日本経済を滅茶苦茶にしてしまう訳ですから、法律で禁止しているんですね。
しかし、これを事実上やってしまっているのがアベノミクスです。
輪転機を回してお札をたくさん刷って市場に流しているってことです。(あたかも、私の子供の頃の発想を実行している…)
「それは嘘でしょ。円相場は暴落してないじゃん」
そう思う人も多いハズ。
でも、簡単なことです。
法律を拡大解釈し、且つ、法に触れないような形式を取っているんです。
数に任せて合法的に進め、アベノミクスというあたかも凄い政策のように見せかけているんですね。
マスメディアを抱え込み、ご用達学者などに盛んに正当性を論述させたりしてですね。
更に、「経済は回復基調にある」なんて無理な発表を長年ずぅーと続けて。
30年近くもGDPが横ばいで、よくも嘘つけるな~って。
「GDP横ばい=経済発展なし」です。
ここまでGDPが横ばいなのは、世界で日本だけです。日本は世界一の経済低迷国なんですね。
アベノミクスは所詮イカサマ。だから、カラクリを知っている人達からアベコベミクスって言われるようになったんです。
・・・・・・・・。
と、まぁ息子のちょっとした発言から、こんなことに思いをめぐらしたわけです。
経済を知らない小学生の素朴な発想
経済を知る政治家の利権のための強硬
どちらも乱れた紙幣の増加ですが雲泥の差。
小学生以下の政治屋に牛耳られている今の日本。
そんな思いが込み上げ、なんとも複雑な思いになった私でした。