大手携帯電話事業者のサービスに不満を持っている人は、少なくないのではないでしょうか。私もその一人で、この業界はいったいどうなっているのかと、疑問を持たざるを得ません。
一般に何か事業を展開しようとすれば、基本理念として「顧客に製品やサービスを提供することで、結果として利益を生む」ということ、簡単に言えばギブアンドテイクということがあるかと思います。
基本方針は目先の契約者の獲得
従って、例えば、自動車業界であれば、優れた自動車を提供することで売上・利益を得るわけで、そこには他社よりも良い製品・サービスを提供して、より多くの顧客を獲得しようとする市場競争があるわけです。
当然、大手携帯電話事業者も、ユーザに対して、よりよい通信サービスを提供することで、その対価として収益を得るわけですが、ユーザに高品位なサービスを提供することを第一とする姿勢が欠けていて、事業者の経営主義的な面が第一になっていると言わざるを得ません。
つまり、他社との市場競争に勝って行こうとするために、とにかく目先の契約者数を伸ばそうとする行動が最優先されていて、ユーザ視点に立った品質やサービスで差別化して行こう、という姿勢が欠如しているわけです。
理屈に合わない状態
世の中の一般的な姿勢として、長期契約者、いわゆるお得意さんといわれる顧客を大切にしよう、優遇しようとするものですが、大手携帯電話事業者においては、その逆で、長期契約者を冷遇しているのが現実でありましょう。
言い方を換えれば、新規契約者や乗り換え契約者を優遇するあまり、結果として、長期契約者が軽視されて冷遇されるようになっているのです。
具体的な姿としては、新規契約者や乗り換え契約者の方が料金が安くて、継続利用ユーザの方が割高になるところに表れています。
そして、気になる点は、契約して2年とか一定期間が経過すれば、端末代については分割払いが完了していることになりますが、その後の料金は、却って高くなって、他社へ乗り換えた方が安いという状況が生まれます。
また、同じ端末を大事に長く使ったとしても、利用料金には反映されず、使い続けると安くなるどころか、却って高くなるような状況なんかもあります。
ユーザは迷惑すら感じている
従って、ユーザとしては、料金が高くなるのなら、面倒くさいけど他社へ乗り換えた方が良いと考える人も多く、実際、2年毎に乗り換えているような人も珍しくありません。
利用料金が安くなって、しかも新しい端末に変えられる、その上、キャッシュバックなどで、ちょっとした収入が得られるとなれば、乗り換えるのはむしろ自然ともいえます。
しかし、そんな自然なことをするにしても、ユーザ側はメールアドレスを変更したり、電話帳を移行したりしなければならず、本来なら必要のない手間までかかったりするわけで、ある意味、いい迷惑です。
事業者がしているおかしなこと
なんで、このような訳のわからん状態になっているのかといえば、単純に、各事業者に目先の契約者を獲得しようとする行動原理があるからです。
それこそ、目先の契約者数を確保するためなら、たとえキャッシュパックなどの大きな費用を費やしても、契約から2年間は収益率が低くても、なりふり構わずそのようなことをするのです。
高額なキャッシュバックなどをやりすぎた結果、過度のキャンペーンを抑制するように政府から指導を受けていても、抵触しない範囲では続けていたり、店舗レベルでは依然そのようなことをやっていたりします。
そして、不思議なことが、自らキャッシュバックなどの戦略をしておきながら、キャッシュバック目当てに頻繁に乗り換えるユーザについては、ブラックリストに載せて、乗り換えさせないようなことまでしています。あまりの馬鹿さ加減に、呆れてしまいます。
これらの背景には、端末機器メーカから販売を促進しようとする働きかけがあったり、品質やサービス面で他社とは差別化がしにくい状況があったりするのは理解できるのですが、もっとユーザ視点に立って、長期利用者を大事にし、品質・サービスで勝負するといった、当たり前のことをして欲しいと思うばかりです。