中国語の辞書にはいくつも種類がありますが、コスパに優れて、使いやすい電子辞書の方が断然にお得です。
中でもカシオ計算機(CASIO)製の中国語モデルは、単に実績があるだけでなく、進歩を続けてきた極めて完成度の高い製品と言えます。
長年、この電子辞書を使い続けて、その便利さを実感している私が、いかに優れているかを説明します。
中国語の辞書をお考えのて方に、ぜひおススメしたい製品です。
中国語の辞書は何がよいか
この電子辞書を勧めたい人は
私が、カシオの電子辞書(中国語モデル)をおススメしたいのは、中国語をしっかり学びたい人に対してです。
具体的には、
- 実践的な中国語を身につけたい
- 本気で中国語を学びたい
- 中国へ留学したい
のような人です。
従って、
「大学で単位を取得するために履修しているので、とりあえず辞書が欲しい」
という程度であれば、他の辞書の方が適しているかも知れません。
また、ここでおススメするモデルは、普通話、簡体字を基本としています。
繁体字をベースとしている台湾語や、普通話とは異なる広東語、上海語などの学習を考えているのであれば、他の辞書を考えるべきでしょう。
要は、大陸で使われている普通話、簡体字をベースとした中国語を本気で学習したい人に絶対おすすめの辞書がここで紹介するモデルです。
辞書の種類を大別すると
おススメする電子辞書の話に入る前に、中国語辞書の全般的な話をしておきます。
中国語の辞書は、下記の4つに大別できます。
(1)ウェブサイト上の辞書
(2)中国語辞書のアプリ
(3)印刷出版された辞書
(4)中国語の電子辞書
手段としてどれがが適しているかは、状況や用途にもよります。
しかし、中国語をしっかりと学ぼうと考えた場合、(1)や(2)の手段は適切ではありません。
(1)ウェブサイト上の辞書の場合、利用できる辞書は限られていますし、コンテンツのボリュームとしても見劣りします。
その都度なにかの単語を調べる場合は手軽でいいのですが、決して機能性が高くありませんので、幅広い学習には不向きと言えます。
また、(2)中国語辞書のアプリを使う場合、有料無料を問わず、コンテンツのボリュームに欠けます。
特に、無料のアプリの場合などは、簡易的な辞書が多く、学習用に向いているとは言えません。
また、単機能としてのアプリが殆どですから、多角的な用途には向いていません。
以上の理由から、しっかりと中国語を学ぼうとするならば、比較的コンテンツが充実している
(3)印刷出版された辞書
(4)中国語の電子辞書
のいずれかを選ぶのが妥当と言えます。
あわせて読みたい私が中国語を学ぶキッカケになった中国語学習の意義の大きさ
電子辞書の方が断然にいい
とは言え、実際に辞書を選ぼうとする場合、
「印刷出版された辞書がいいのか、それとも電子辞書がいいのか?」
と、迷う人も多いと思います。
しかし、私は絶対に電子辞書を使うべきだと考えます。
その理由を端的に言えば、トータルコストが安く、使い勝手がよく、機能性に富んでいるからです。
また、同じ電子辞書の中でも、実績や機能性の面でとても優れているCASIOの中国語モデルがイチオシです。
具体的におススメしたい機種は、CASIOの中国語モデルの「XD-SX7300」(2023年4月現在の最新モデル)です。
以下、
- 同じ辞書の中でもどうして電子辞書の方がいいのか
- 電子辞書の中でもなぜCASIOの中国語モデルがいいのか
の2つについて細かく説明します。
あわせて読みたい中国語の会話力やリスニング力を付ける勉強なら、この方法が一番
印刷出版された辞書より電子辞書がなぜ優れているか
印刷出版された辞書よりも電子辞書の方がなぜ優れているのか。
それは、電子辞書にはいくつもの利点があるからです。
具体的な利点をあげると
①小型軽量で携帯しやすい
②コンテンツが豊富でトータルコストが安い
③リスニングを含んだ学習ができる
④調べる方法が容易ですぐに調べられる
⑤併用可能な機能が豊富にある
などです。
では、これらの利点をもう詳しく説明しましょう。
①小型軽量で携帯しやすい
印刷された辞書の場合、それなりの大きさがありますし、重量もあります。
もし、中日辞書と日中辞書の2冊を持ち歩こうとすれば、かさ張るだけでなく重たく、とても不便だと感じるハズです。
電子辞書の場合、複数の辞書が1つに収納されていますから、持ち歩くのに不便を感じません。
おススメするモデルの場合、大きさは文庫本程度で、重量は300gもありません。
電子辞書は、小型で軽量ですから、印刷出版された辞書よりはるかに携帯しやすいのです。
携帯せず、家で使うだけだとしても、収納スペースに大きな差が出ます。
②コンテンツが豊富でトータルコストが安い
さて、次にあげられる電子辞書の利点としては、コンテンツが豊富なことです。
推奨するモデルの場合、中国語系のコンテンツだけでも20点。
国語系や英語系、その他のコンテンツを含めるとものすごい量になります。(詳細は後述)
電子辞書としての価格は決して安いとは言えませんが、コンテンツのボリュームに対する価格という見方をした場合、「格安」と言えるほどコストパフォーマンスが優れています。
推奨するモデルは、過去に何度もモデルチェンジが繰り返されて来ていますが、基本的な辞書はどのモデルにも搭載されています。
代々のモデルで搭載されて来た中国語に関する基本辞書には、「中日大辞典(大修館書店)」「中日辞典(小学館)」「日中辞典(小学館)」「現代漢語大詞典(上海辞書出版社)」「漢英大詞典(上海辞書出版社)」「英漢大詞典(上海辞書出版社)」があります。
これら6点のうち、日本で印刷出版されている辞書について、その値段(定価・税抜)を見てみましょう。(2021年時点の定価)
- 大修館書店『中日大辭典』第三版…8,600円
- 小学館『中日辞典』第3版…7,500円
- 小学館『日中辞典』第3版…8,000円
この3冊の合計は24,100円( =8,600 + 7,500 + 8,000 )となります。
残りの3点は、国外の出版で輸入品となるため値段はまちまちですが、日本で普通に購入しようとすれば、価格はおおよそ下記のようになります。
- 上海辞書出版社『現代漢語大詞典』…15,750円
- 上海辞書出版社『漢英大詞典』…12,000円
- 上海辞書出版社『英漢大詞典』…12,250円
この3点の合計は40,000円です。前掲の3点と合わせた6点の合計だと、64,100円にもなります。
中国語系の基本辞書の比較だけで、すでに電子辞書の安さ(コスパの良さ)が分かります。
電子辞書の場合、これ以外に国語系、英語系の辞書が豊富に搭載されていますから、総合的に考えるとコストパフォーマンスが更に優れていることが分かります。
私が推奨するモデルでは、
国語系として、デジタル大辞泉(小学館)、明鏡国語辞典(大修館書店)、新漢語林(大修館書店)など、
英語系として、ジーニアス英和大辞典(大修館書店)、ジーニアス和英辞典(大修館書店)、オックスフォード現代英英辞典(オックスフォード大学出版局)など
を搭載していますから、申し分ありません。
厳密に言えば、電子辞書には搭載されていない付録などもありますが、基本コンテンツは含まれていますから大きな問題ではありません。
また、上記に示した価格は定価ですし国外の出版物はかなり安く購入できる場合もありますが、コンテンツ数が圧倒的に多いですから、総合的なコストパフォーマンスが絶対的に優位なことは変わりません。
実際、上記の他にも、中国語以外の諸外国語の会話集や百科事典など、広い分野のコンテンツを含むため、活用の範囲が広くなっています。
電子辞書は、辞書数が無数あり、豊富なコンテンツボリュームであるため、総合的なコストパフォーマンスがとても優れているのです。
③発音機能があるからリスニングを含んだ学習ができる
次に挙げられる電子辞書のメリットとしては、リスニングを含んだ学習ができる点です。
印刷出版された辞書の場合、発音に関連する調べ物や学習は事実上できません。
印刷物では、発音記号の類に制限されますので、なまの音を聞くことはできないのです。
仮にできたとしても、DVDなど別な媒体が必要で、操作性が劣ります。
中国語に限らず、外国語を習得しようとする人にとっては、発音(なまの音)に関する情報は不可欠ですから、電子辞書が優位であることがよく分かります。
電子辞書を使えば、対象となる語や語句、単語、例文などを選択して再生すれば、スピーカやイヤホンを通して、ネイティブの発音を直に聞けます。
そのため、リスニング(ヒアリング)の練習をすることができますし、自身の発音の練習にもつながります。
音を含む学習を有意義に行えることが電子辞書の大きなメリットなのです。
④調べる方法が容易ですぐに調べられる
次にあげるメリットは、調べるときの操作性です。
一般に辞書で調べものをする時に、使いやすさ、引きやすさはとても重要ですが、電子辞書の方が印刷された辞書よりも、簡単に調べることができます。
例えば、国語辞典の場合、「あいうえお」の順番を考えながら引かなければなりません。
しかし、電子辞書なら調べる言葉を直接キー入力すればよいので、「あいうえお」順を考えない分だけ直ぐに調べることができます。
そして、中国語の辞典の場合、国語辞典などと比べて更に操作性が優れていると言えます。
ためしに中日辞典(印刷出版された辞書)を調べることを思い浮かべてみて下さい。
その際、(辞書にもよりますが)「ピンインで調べる」、「部首で調べる」或いは「画数で調べる」ことになるでしょう。
ところが、もし
「ピンインがよく分からない」、
「部首が不明だ」、
「画数がハッキリしない」
という漢字だったらどうでしょう。
単語を一つ調べるだけでも大変なことだと想像がつきます。
こういう場合、ピンインや部首、画数を予測しながら調べることになると思いますが、予測が当たらないと物凄い手間が掛かることになります。(経験された方は実感だと思います)
これは、日本の漢字辞典(漢和辞典)を引くことをイメージすると分かりやすいでしょう。
画数も不明で、読み方も分からず、部首もよく理解していない小学生の頃、漢和辞典で苦労した人も多いと思います。
国語辞典よりもはるかに調べるのに苦労するのですね。
印刷出版された中国語辞書の場合も、この漢和辞典に似ていて、普通に調べるだけでもかなり苦労を伴います。
しかし、電子辞書を使うと、格段と操作性が上がり、直ぐに調べることができるのです!
例えばピンインを入力する場合、abcの順番など気にせずに直接キーボードから入力すれば瞬時に対象の語句にたどり着けます。
ピンインがよく分からなくても、候補のピンイン記号を打ち直せば、それほど時間は掛かりません。
発音やピンインに不慣れな初心者でも、手書き入力という機能がありますから、字形を真似して書いて、候補の中から漢字を選択すれば直ぐに調べることができます。
ピンイン入力と手書き入力さえあれば基本的に十分ですが、電子辞書には他にも、日本語の読みから調べる方法や、画数から調べる方法もあります。
直ぐに調べられるという操作性は、電子辞書の方がはるかに優れているのです。
⑤併用可能な機能が豊富にある
ここまで、電子辞書が印刷された辞書よりも優位な点をいくつか挙げて来ましたが、機能が豊富にある点も見逃せません。
例えば、日中辞典で中国語の言葉を調べた後、調べた中国語の言葉を逆に中日辞典で確認したい場合があると思います。
印刷出版された辞書の場合、日中辞典で調べた後に、今度は中日辞典で調べることになりますが、この場合けっこう手間になります。
しかし、電子辞書を使うと、日中辞典で調べた単語を選択して、ジャンプ機能で中日辞典へ飛べば、一瞬で結果を示してくれます。操作性がとても優れているのですね。
このジャンプ機能の利用方法は幅広く、中日辞典で中国語を調べたい場合に、日本の漢字を先に調べて、その漢字から中日辞典にジャンプする使い方もできます。
また、中日辞典を調べた結果、辞書に知らない言葉(日本語)が出てきても、直ぐに国語辞典へジャンプして調べることができますから、調べている途中で知らない言葉が出てきても困りません。
調べ終われば「戻る」キーで直ぐにもとの辞書に戻れますから、操作しやすいことこの上ありません。
印刷出版された辞書の場合、その都度、調べなおさなければいけないので非常に手間がかかり、電子辞書の足元にも及びません。
更に、電子辞書には、複数辞書検索機能もあります。
これは、ひらがなやローマ字、漢字などを入力して検索すると、その言葉を含む辞書を一覧で示してくれる機能で、色々な調べ物をする場合に非常に役立ちます。
いちいち、ひとつひとつの辞書を調べることなく、必要な結果だけを選ぶことができるので私も多用しているすごく便利な機能です。
このように、電子辞書には、電子だからこそ実現できる便利な機能がたくさん備わっています。
そんな機能を有効に活用することで、使用用途も広がり、調べ物や学習などで大きな力を発揮して貰えます。
電子辞書にも短所はある
以上、記載してきた通り、電子辞書には印刷出版された辞書と比べて、非常に優れています。
本格的に学びたい、実践的に学びたい。
そのように考えているのであれば、揃えておくべきでしょう。絶対におススメです。
少なくても、私はずっと使ってきて本当に役立っていると実感しています。
もちろん、今後も使い続けて行きます。
とまぁ、いいことばかりを書いてきましたが、短所もしっかりと抑えておくべきです。
私が短所だと感じる点は、
①故障した場合にダメージが大きい
②コンテンツの選択肢が限られる
③使用頻度が低いとコスパが悪い
の3点です。
①故障した場合にダメージが大きい
まず、「故障した場合にダメージが大きい」については、文字通り、もし故障したら高価な分だけ受けるダメージが大きいと言う意味です。
故障すれば、修理のサポート期間であればメーカで修理も可能でしょうが、相応の修理費用が掛かります。
元の価格がそれなりにする分だけ、その修理費もバカにならないでしょう。
もし、修理のサポート期間が過ぎていれば、直すこともできません。
しかも、故障の場合は、その瞬間から使えなくなるのですから、不便極まりありません。
印刷物だと、折れる、汚れる、切れるようなことがあっても、継続して使用することはできます。
電子辞書の場合は、故障の仕方にもよりますが、たいていの場合は使えなくなってしまいます。
電子辞書は電子的な構造をしているため、故障した時のダメージが大きいのです。
但し、故障は通常の使い方をしているのなら、単に可能性があるという程度のものですから、必要以上に神経質になる必要はありません。
私が使用している2台のモデルのうち1台は、2007年のモデルで持ち運び専用としてほぼ毎日携帯して使っていますが、故障したことはもちろんありません。
14年間ほど使ってきましたが、調子が悪くなったことも一度もありません。
CASIOはこのモデルについて、堅牢な造りを謳っていますが、造りとしてシッカリした製品と考えて良いと思います。
そういう意味では、故障はひとつのリスクとして認識しておくことが現実的と言えるでしょう。
②コンテンツの選択肢が限られる
次に、「コンテンツの選択肢が限られる」についてですが、電子辞書の場合、一般にコンテンツを選択できるような製品にはなっていませんので、辞書にこだわりがある場合には不向きです。
例えば、私が推奨するモデルでは、日中辞典として小学館の『日中辞典』を搭載していますが、”どうしても講談社の「日中辞典』でなければだめだ”、などの希望があっても、その辞書を選ぶことはできません。
国語辞典などでもそうですが、一般に複数の出版社から色々な辞書が出版されています。
それらの辞書は、それぞれ特徴を持っていて、
語彙数が多いもの
用法が詳しいもの
専門用語が豊富なもの
用例が幾多も掲載されているもの
などなど色々なタイプがあります。
辞書を選ぶ場合、その目的や用途に最も適した特徴を持つ辞書や、自分の好みに合った辞典を探しますが、電子辞書の場合、選ばれた辞書が採用されていますので、辞書の種類を選ぶことが難しく、事実上は選択肢はほとんどありません。
この点については、中国語モデルに限らず、国語系の辞書や英語系の辞書にも同じことが言えます。
また、見方を変えれば、選択の余地が限られる分だけ、更に上の中国語レベルを目指す場合には物足りないといった状況を生むかも知れません。
電子辞書の場合、辞書の種類を選べないため、自ずとコンテンツの選択幅が狭くなるという欠点があるのです。
③使用頻度が低いとコスパが悪い
最後に、「使用頻度が低いとコスパが悪い」という短所があります。
これは、上記で取り上げた「トータルコストが安い」の裏返しで、電子辞書の機能のほんの一部しか使わない場合は、却ってコストパフォーマンスが悪くなると言う意味です。
例えば、簡単な中国語を調べられる中日辞典だけあれば十分な場合、他の余分な辞書は無駄になり、とても高くついてしまいます。
しかも、使いもしない不要な辞書がたくさんあれば、せっかくの機能も活かしきれなくなってしまいます。
また、たとえ色々な辞書を使う場合でも、使用頻度が低ければ、あまり購入する価値はないと言えます。
私が、この記事の冒頭で、「中国語をしっかり学びたい人におススメだ」と述べたのは、この意味からです。
電子辞書は、使用頻度が低いとコスパが悪くなるのです。
カシオの中国語モデルの実力の凄さ
ここまで、電子辞書が印刷された辞書よりも優れていることを述べてきました。
ここからは私が実際におススメする電子辞書について説明します。
私が、おススメするモデルはカシオ計算機(CASIO)製の中国語モデルで、現時点(2023年4月現在)における最新モデル(機種名)は「XD-SX7300」です。(仕様の詳細はメーカのサイトをどうぞ)
優れた点に触れる前に、まずこのモデルの実績を見て頂きたいと思います。
中国語モデルの実績が凄い
カシオ計算機は、世の中に電子辞書が登場する初期の頃から製品を発売してきました。
それ以来、その製品群は数多に上り、その実績も評価も誰もが知るところです。
実際、EX-wordと称するカシオの電子辞書は、一種のブランドのような名称にすらなっています。
そして実績を背景に、英語以外の外国語に特化したモデルを発売するようになってから、中国語モデルと位置づけられる製品を次々と発売してきました。
では、具体的にその履歴を見てみましょう。
発売年 | 機種名 | コンテンツ |
2006 | XD-ST7300 | 7(28) |
XD-GT7350 | 8(31) | |
2007 | XD-SW7300 | 6(26) |
XD-GW7350 | 8(30) | |
2008 | XD-SP7300 | 7(29) |
XD-GP7350 | 8(32) | |
2009 | XD-SF7300 | 12(61) |
XD-GF7350 | 16(66) | |
2010 | XD-A7300 | 17(88) |
2011 | XD-B7300 | 18(85) |
2012 | XD-D7300 | 20(100) |
2013 | XD-N7300 | 21(100) |
2014 | XD-U7300 | 22(100) |
2015 | XD-K7300 | 22(100) |
2016 | XD-Y7300 | 22(100) |
2017 | XD-G7300 | 22(100) |
2018 | XD-Z7300 | 33(110) |
2019 | XD-SR7300 | 20(80) |
2020 | XD-SX7300 | 20(79) |
表中、「発売年」はその電子辞書が発売された西暦、「機種名」は電子辞書の具体的な型式、「コンテンツ」は中国語系の辞書類のコンテンツ数とトータルの辞書類のコンテンツ数(括弧内)を意味します。
表を見て頂くと分かりますが、中国語モデルは2009年以前の製品では、スタンダードモデルとエクスパートモデル(表中の黄色)の2種類に分かれていました。
一般用と上級用に分かれていたのですね。
ところが、2010年にはこれら2種類のモデルが統合されて、一つのモデルになっています。
これは、無駄を省いて完成度の高い1つのモデルに統一したと言えます。
そして、2012年のモデルからは、コンテンツ数が中国語系の辞書類は約20、トータルの辞書類は約100となって、それ以降はそれを受け継ぎながら、年々新しいモデルが出され、少しずつ改良が加わり続けて今日の最新モデルに至っています。
2019年以降のモデルでは、モデル名が「XD-S*7300」のように変わり、総コンテンツ数が少し減ってはいますが、より実用的なコンテンツに絞った発展的なモデルチェンジと言えるでしょう。
私が実際に使っているのは、携帯用として2007年のモデル「XD-GW7350」と、常用として2013年のモデル「XD-N7300」の2台です。
XD-GW7350(2007年モデル)はエクスパートモデル(上級用)ですが、正直まだまだ完成度が低いところはありました。
しかし、XD-N7300(2013年)では、タッチパネルやカラーディスプレイとなってコンテンツ数も飛躍的に伸びています。
そして、XD-N7300では、ほぼ最新機種と同等の機能を備えており、中国語の電子辞書として既にこの頃、完成された製品になったと言えるでしょう。
中国語関連コンテンツが充実
では、このモデルの優れた点について詳細を説明して行きます。
先にも触れましたが、カシオの中国語モデルでは、
「中日大辞典(大修館書店)」「中日辞典(小学館)」「日中辞典(小学館)」「現代漢語大詞典(上海辞書出版社)」「漢英大詞典(上海辞書出版社)」「英漢大詞典(上海辞書出版社)」
の基本辞書を備えています。
それ以外にも中国語関連コンテンツが豊富で、代々のモデルチェンジで多少の違いはあるものの、下記のコンテンツは基本的に継承されて来ています。
- ひとり歩きの会話集 中国語(JTBパブリッシング)
- ひとり歩きの会話集 台湾編 (JTBパブリッシング)
- はじめての上海語(明日香出版社)
- はじめての台湾語(明日香出版社)
- はじめての広東語(明日香出版社)
- 旅の指さし会話帳 中国語(情報センター出版局)
- 日中英固有名詞辞典(日中韓辭典研究所)
- オールカラー中国語生活図解辞典(小学館)
- 中国語 新語ビジネス用語辞典 (大修館書店)
- Dr.PASSPORT 日本語→中国語版(マイス)
いずれも、収録されている単語数や例文などが豊富で、しかも実用的にまとまっています。
中国語が得意でない人でも、旅行に携帯すれば、心強い味方になってくれるでしょう。
上記は、例文が多く収録されていますので、実践的な学習の助けにもなってくれます。
上記以外にも、歴代の機種によって色々なコンテンツがあります。
どのコンテンツも使い方次第で、大きな学習効果が得られると思います。
第二外国語の学習として適す
さて、私がこの電子辞書を非常に便利だと感じるのは、現代漢語大詞典や漢英大詞典、英漢大詞典が使える点です。
外国語を学んで単語を調べる場合に必ずぶつかる問題の1つに、単語が持つ微妙なニュアンスの違いがあります。
ニュアンスは、単に言葉の意味を調べただけでは、その本質をつかみにくいから厄介です。
例えば、日本語でも「匂(にお)い」と「臭(にお)い」は同じ発音で、共に嗅覚を刺激する意味の単語ですが、微妙な違いは外国人にとっては難しい一面があります。
日本人が外国語を学ぶ場合、これと同様のことが言えます。
ニュアンスがよく分からない時、現代漢語大詞典を調べると、中国語を中国語で解説している分だけ、その言葉が持つニュアンスをストレートに感じ取ることができます。漢語辞典は中国語感覚を身につけやすいのですね。
また、中国語を学ぶ日本人は、ほとんどの場合が第二外国語としてですから、既に英語の知識は持っています。
特に、語学に興味のある人であれば、かなりの英語力を持っている人も多いことでしょう。
そんな、既に学んできた英語を利用すると、第二外国語(中国語)の学習効果は飛躍的に伸びます。
母国語(日本語)と学習する言語(中国語)以外の別な言語(英語)を介することで、学習の幅が広がるのですね。
中国語を調べている時、漢英大詞典を利用すれば、「対応する英語」を調べることができるため、単語の持つニュアンスがつかみやすくなります。
更に、調べた「対応する英語」を、今度は英漢大詞典で調べなおすと、更に理解を深めることができるでしょう。
これは、単に言葉や単語だけではなく、表現の仕方や用法などにも言えることで、漢英辞典と英漢辞典を併用することで、より効果的な深みのある学習ができるようになるのです。
手書き入力もあり単語が簡単に見つかる
では、操作性が優れていることを示しましょう。
辞書を使う場合、調べる単語がすぐに見つけられることは非常に重要です。
まず、ピンイン入力による引き方を示します。
ここでは、日中辞典の使用方法で説明します。
日中辞典を選択して、「ピンインから探す」を選びます。
そこで、「nihao]とキーボードで打ってみましょう。
このように直ぐに対象の単語が見つかります。
では次に、手書き入力から調べてみましょう。
日中辞典を選択して、「漢字を手書き入力から探す」を選びます。
付属ペンを使って、画面に手書き入力したのち「認識」ボタンを押すと、手で書いた字形(文字)を自動で認識して対象の漢字を示してくれます。
もし、別な字に誤認識されてしまった場合は、訂正ボタンを押して別な候補から選択できます。
你好の場合は、你に続いて好を入力すれば、你好の単語を調べられます。
他にも、日本語の読みから入力したり、部首や画数から候補を選んだりすることもできます。(ここでは説明を省略します)
いずれの検索方法でも、キーボードを打つだけ、或いはタッチペンで記述するだけで済みますから、とても速く調べることができるのです。
このようにカシオの中国語モデルでは、検索機能が充実して完成度も高く、とても優れているのです。
発音を確認できてリスニングの練習にもなる
さて、この電子辞書の優れた点に発音機能があります。
先ほど調べた你好にスピーカのマークがついていましたが、音声ボタンを押して対象の単語を選択して決定ボタンを押すと、スピーカからネイティブの発音が発声されます。
用例から例文を探して、同じように音声ボタンを用いれば、フレーズごと再生してくれます。
これは、日中辞典に限らず、中日辞典や中日大辞典に出てくる単語やフレーズでも対応しています。(スピーカマークが無くても、別な辞書に音声が収録されていると、それを参照して再生してくれます)
さらに、中国語系の辞典や参考書籍、旅行用会話集など、その多くの機能で発音に対応しているため、言葉やフレーズの意味と同時に実際の発音を習得することが容易です。
しかも、英語系の辞書の多くでも英語の発音機能を備えていますので、英語のリスニングの学習も可能ですからうれしい限りです。
たとえ、電車内や図書館などスピーカを使うことが難しい場所でも、イヤホンやヘッドホンを接続できますので、どこにいても利用できます。
発音に関する機能が幅広い点も、この電子辞書の大きな特徴・長所です。
ジャンプ機能で複数の辞書を効果的に利用可能
ジャンプ機能については、上記で既に触れましたが、この機能がいかに優れているかを具体的に説明しましょう。
例えば、中日大辞典で老爷を調べると、説明文の中に官吏(かんり)という言葉が出てきます。
もし、この「官吏」の意味がよく分からなかった場合、ジャンプキーを押して、カーソルを合わせて決定ボタンを押すと候補の辞典が出てきます。
ここで大辞泉(国語辞典)を選ぶと、大辞泉で官吏を直ぐに調べることができます。
その後、戻るボタンを押せば元の中日大辞典に戻ります。
ちょっと調べて直ぐに戻れますから、とても操作しやすいですね。
また、中日辞典で老婆を調べた結果、意味がいまひとつ分からなかったとします。
そこで、中日大辞典ではどうだろうと考えた場合、同様に、スーパージャンプ機能を使えば、即座に中日大辞典で老婆の意味を知ることができます。
同様に、大辞泉(国語辞典)で調べた漢字から中日辞典にジャンプしたり、日中辞典で調べた結果から新漢語林にジャンプしたりなど、多くの辞書間で利用できる機能なので、使い勝手がもの凄く優れています。
私もこのスーパージャンプは日ごろから多用している機能のひとつですが、これがあることで飛躍的な利便性を得ていると実感しています。
ジャンプ機能の他にも、アルファベットやひらがな、漢字から複数の辞書を同時に検索する機能などもあり、使えば使うほどその便利さに感嘆するほどです。
たくさんの辞書を搭載していて、相互に関連した使い方ができる点は本当に優れています。
長年この種のモデルを手掛けてきたカシオだからこそ、その使い勝手にも磨きが掛かっているのだと痛感します。
電池消耗も考慮されている
今まで、主に電子辞書の使い勝手について説明してきました。
しかし、見逃してはいけないのが電池の消耗に関する点です。
電子辞書は電子機器である以上、電力を消費しますが、その電源は乾電池が一般的です。
もし、電子辞書を日常的に使っていると、気づいたら電池が無くなっていることも頻繁にあります。
カシオの電子辞書では、電池が消耗して残り少ないと、電池残量が少ないことをメッセージで出してくれます。
メッセージが出てすぐに交換すれば、電池切れで使えなくなるということにはなりません。
少なくとも、私の経験上は、電池切れで困ったことは一度もありません。
メッセージが出始めてからもしばらくの間は使えるからですね。
そして、気になるのは電池の消費だと思います。
日常的に使っていると、使う電池もかなりの量になりますので。
しかし、その点もしっかり考慮されています。
実は、カシオの電子辞書は、EVOLTAとかENELOOPといった充電式乾電池を想定した設計になっています。
電池交換の際に、使用した電池を選択するのですが、EVOLTAやENELOOPも選択できる仕様になっているのです。
これは、電池の種類に応じて電子辞書を最適な状態に設定するためと言えます。
つまり、コスパの優位な充電式乾電池を使いやすくしているんですね。
そして、世の中の電子機器の中には、充電式乾電池が全然使えない製品や、たとえ使えても相性が悪くて動作が不安定なケースもあります。
その点、カシオの電子辞書では、充電式乾電池を想定した設計になっていますから、安心して使えます。
私も、電子辞書には常に充電式乾電池を使っていますが、電池代を気にすることなく使えています。
充電式乾電池は絶対におススメです。電子辞書を買う場合は、充電式乾電池もセットで揃えておくべきですね。
ぜひおススメしたいカシオの中国語モデル
以上、中国語用の電子辞書ならカシオの中国語モデルが絶対におススメだという話をしてきました。
印刷出版された辞書よりも、電子辞書の方がはるかに使い勝手が良いことは既に理解して頂けたかと思います。
しかし、
「カシオ以外の電子辞書もあるのではないか」
との疑問を持たれた方もいるかと思います。
私が、カシオの中国語モデルを勧めるのは、他のメーカのモデルも含めて比類ない機種だと感じるからです。
他のモデルでは機能として中途半端。そう思うのです。
敢えて対抗できる候補を挙げれば、中国語会話のコンテンツを持つシャープの電子辞書があります。
この電子辞書に追加オプションで中日辞典と日中辞典を搭載して使えば、それなりの機能は使えることでしょう。
しかし、この場合、あくまでオプション扱いなので中国語に特化した訳ではありません。
また、実績という意味でもカシオの中国語モデルと比べると劣ります。
私としては、もし中途半端にシャープ製や他のメーカの電子辞書を求めるのであれば、思い切ってカシオの中国語モデルをおススメします。
「ちょっと高い」と感じるのであれば、むしろスマートフォンのアプリを使うとか、Web検索の利用だけで済ますとか、必要最低限の印刷出版された辞典を購入するなどといった方がいいと思います。
カシオの中国語モデルの最新モデルは、「XD-SX7300」(2023年4月現在)で、私が使用しているモデルの基本機能を全て継承しています。
私が使う旧モデルですら、「完成した製品」と呼べる電子辞書ですから、最新モデルは更に磨きが掛かって進歩していると言えるでしょう。
私も、将来、買い替えの時期が来たら、このモデルの最新機種を選ぶことは間違いありません。
中国語の辞書に迷っている方。絶対におススメです。
私が、このモデルを2台(常用と携帯用)持っているのも、そこまでの価値があるからこそです。
ちなみに、最新モデルの「XD-SX7300」には、ボディーが白の「XD-SX7300WE」と、ボディーが赤の「XD-SX7300RD」があります。
色は好みで選べばいいと思いますが、実売価格に差が生じる場合は、安い方の色がいいですよ。
その理由は1つ。電子辞書は、衝撃や傷などから本体を守るために、ケースが必須だからです。
実際、私も2台ともケース(1台はメーカ専用ケース、1台は市販の汎用ケース)を使っています。
充電式乾電池を持っていない人は、これを機会に揃えることをおススメします。(コスパがいいですからね)
CASIO Ex-word 電子辞書 XD-SX7300RD
CASIO Ex-word 電子辞書 XD-SX7300WE