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中国語の老は頻繁に使われるが「老いた」という意味だけではない

中国語に接していて頻繁に出てくる言葉に「」を使った言い回しがあります。

日本語で「老」と言えば「老いる」という意味がありますので、年老いたとか、古くなたっことを連想してしまいます。

しかし、中国語では、そのような意味で使うケースはあくまで一部です。

中国語のは、老いたという意味だけではない

むしろ、どちらかというと「老いた」とは別の意味やニュアンスで用いられることの方が多く、これを知らないと先入観を持ったり、誤解をしてしまったりすることもあります。

を使った中国語を正しく理解するためには、どのような意味を持つのかをハッキリと認識しておくことが大切です。

日本語で「老」と言えば

さて、中国語で使われる「」の意味を論じる前に、日本語では「老」という漢字をどのように使うのかを確認しておきましょう。

「老」は音読みでは「ろう」と読み、訓読みでは「老(お)いる」「老(ふ)ける」の様に使います。

その主な意味としては、「年をとること」で、老人、老後、養老などの熟語がそのような意味で使われています。

また、派生して生まれた意味として、「ひからびていること」や「古くなっていること」を表し、老化、老朽などの言葉が使われます。

また、「長い経験を積んでいること」を表し、長老、老練などの言葉が使われます。

このように、日本語の場合、老いた意味やそこから派生した意味で使われるのが一般的です。

中国語で「」(lǎo)を使うのは

では、中国語の場合はどうでしょうか。

」という漢字は、その語源が「年寄りが腰を曲げて杖をついている姿を表現した象形文字」なので、語源としての意味は日本語でも中国語でも同じです。

従って、中国語にも基本的には日本語と共通の意味が多くあります。

例えば、我老了(wǒlǎole)と言えば、「私は老いた」という意味になりますし、老母(lǎomǔ)と言えば「年をとった母」の意味になります。

他にも、老汉(lǎohàn)と言えば年をとった男性のこと、老年(lǎonián)と言えば老年や高齢のこと、老头儿(lǎotóur)と言えば親しみを込めた老人・年寄りのことです。

日本語の老人と同じ意味の老人(lǎorén)という言葉もあります。

また、古いとか熟したという意味もあり、

老朋友(lǎopéngyǒu)と言えば「古くからの友達」の意味ですし、
老机器(lǎojīqì)と言えば古い機械、即ち旧式の機械の意味になりますし、
老手儿(lǎoshǒur)と言えばベテラン・熟練者の意味になります。

更に、老家(lǎojiā)と言えば「古くからの家」即ち実家、生家、故郷の意味ですし、老乡(lǎoxiāng)と言えば同郷の人の意味ですから、派生した意味としての使い方であることが良く分かります。

このように、日本語で使う「老いる」の意味や、そこから派生した意味などは中国語でも同様に使われます。

しかし、日本語では馴染みが無い、他の意味や用法があります。

具体的には、兄弟の順序を表したり、親族などの末っ子を意味したり、年長者に対する敬称に用いたりします。

兄弟の順序に用いる場合、老大(lǎodà)と言えば長男、老ニ(lǎoèr)と言えば次男を意味します。

この場合、長男や次男の年齢に関わらず用いますので、たとえ相手が子供であっても、「我老大是…」(wǒlǎodàshì)などと表現して「うちの長男は…」のような意味になります。

また、親族の末っ子の意味としては、老叔(lǎoshū)と言えば父方の兄弟の最年少の叔父を意味しますし、老姨(lǎoyí)と言えば母方の姉妹の最年少の叔母を意味します。

これも対象となる相手が年老いていなくても用いる表現です。

更に、年長者に対する敬称に使う場合、その人の姓の前に「」(lǎo)付けて、例えば老李(lǎolǐ・さん)、老王(lǎowáng・王さん)などのように用います。

これは自分より年上の年長者に対して親しみをもっている表現で、対象の相手が老いた人とは限りません

但し、老人に対する親しみを込めた称呼として、李老(lǐlǎo)のように姓の後に(lǎo)を付けて使う用法もありますので注意が必要です。

ちなみに、目上の人や主人に対する敬称として以前から使われて来た言葉の1つに老爷(lǎoye)がありますが、現在では母方の父親(祖父)を呼ぶ話し言葉として用いる使い方が定着しています。

こんな表現もある

以上説明した、弟の順序、親族の末っ子、年長者の敬称などに用いる用法は、日常で非常に頻繁に使われます

これらはいずれも、相手が老人とは限りませんから、「老いた」という意味ではない使い方がけっこう多いことが分かります。

そして、「老いた」という意味を伴わない、覚えておきたい表現が2つあります。1つは老師(lǎoshī)で、もう1つは老婆(lǎopo)です。

老師は、言葉だけ見ると「年老いた師匠」のようなイメージを持ちますが、先生を意味する熟語です。

学校の先生などを呼ぶ時に広く使われる言葉で、相手(先生)が若くても使います。

また、老婆は漢字だけ見れば、日本語の老婆(ろうば)を連想し、年老いた女性を意味すると考えてしまいます。

しかし、これは妻という意味で、現在の中国では日常的にとてもよく使います。

もちろん相手が若い場合にも用います。(ちなみに、夫には老公(lǎogōng)という言葉があります)

これら「老師」と「老婆」は、ぜひ覚えておきたい言葉です。

そして、老はある種の名詞の接頭語としても用いられ、虎のことを老虎(lǎohǔ)、ネズミのことを老鼠(lǎoshǔ)と表現します。

もちろん、これらに「老いた」という意味はありません。

ちなみに、ミッキーマウスのことを中国語で米老鼠(mǐlǎoshǔ)と言います。

若くて元気なミッキーマウスに対して「」を使うとは、とても面白いものですね。

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