2021年6月に長野市の大豆島(まめじま)に「これぞパンです」が新規オープンしました。
この店は、従来からあった南箕輪村の本店に次ぐ新たな店舗ですが、主力商品である高級食パンはさすがに凄いと感じました。
しかし、私が凄いと感じた点は他にもまだありました。
目次
「これぞパンです」大豆島店
「これぞパンです」大豆島店がオープンしたのは、2021年6月のことでした。
この店の脇を通る県道372号線は、私がよく利用する路線でもあるため、開店直後からとても気になっていました。
店舗のある建物は以前、焼き鳥を扱った飲食店でしたが、気づいた時にはこの店になっていたのです。
県道を走行中していると、犬の看板が目に飛び込んできて、強いインパクトがあり「ただもの」ではないと感じていましたので、いつかは入ってみようと考えていました。
実際に初めて利用したのは、2021年の秋頃のことでしたが、店内に入ると店舗の奥にパンを焼くエリアが設けられていて、レジの裏には焼き立ての食パンがいくつも並べられているのがとても印象的でした。
この店は、高級食パンの製造・販売を中心に展開している飲食店で、主力製品としては3種類の食パンがあります。
どの食パンもオリジナリティの強さを感じる商品ばかりで、一般の店には絶対にないような個性がにじみ出ていました。
なぜ犬を看板にしているのか
さて、本題に入る前にどうしても触れておかなければならないのが犬の看板です。
写真にあるように、お店の看板はイヌ。
そしてそこに「これぞパンです(This is a “PAN”!!)」のコピー。
でも、犬とパン、どこに共通点があるのかサッパリ分からないと思います。
「私も何で犬なの?」と悩みに悩んで3日間は眠れない日々が続きました。(これは嘘)
まぁ、それくらい謎に感じていたわけですね。
お店のパンフレットに、「ワンダフル」とありますので、この「ワンダフル」の「ワン」が犬の鳴き声と一緒だから?!
いくらなんでも、そんな結び付けは強引すぎます。結び付きません、月とスッポンです。
犬はパン好き。
犬の餌はパン。
これらも強引な結び付け、ありえません。
では、パンの原材料が犬?これも絶対ありえません!
販売されているパンはイヌの形なのか。それも違います。普通の食パンの形状です。
どう考えても「犬」と「パン」は結び付かないんです。(謎)
で、私が考えたのは、「犬を看板にするとインパクトがあり、宣伝効果が高くなるから」です。
しかし、これは単に結果として言えることでした。
正解は、
「経営者(社長)が、とても犬好きだから」
でした。
うーん。さすがに思いつきませんでした。言われてみれば、凄くシンプルな理由で、分かりやすく理解しやすいですね。
聞いたところによれば、経営者は凄い愛犬家で、収益の一部を関連団体(動物保護団体)へ寄付しているとのこと。
なので、犬好きな人は、ぜひ「これぞパンです」のパンを食べましょう!
実際食べてみたところ
さて、前置きが長くなってしまいましたが、パンの味が気になるところでしょう。
さっそく私が実際に食べてみた感想をまとめました。
パンの基本は食パンですが、この店では、プレーン、レーズン、くるみマロンの3種の食パンがあります。
それぞれ食べてみましたが、どれも完成度が高いと感じました。
プレーン食パン
まずはプレーン食パンです。
パンの基本はやはり食パンですが、とりわけ、プレーンの食パンは基本の中の基本。
その他のパンはその応用と考えれば、プレーン食パンがベースになると言えます。
換言すれば、プレーン食パンが美味しいかどうかでそのパン屋の実力も決まるハズです。
で、実際にプレーン食パンを食べた第一の印象は、「自然な味」でした。
これぞパンですでは、小麦粉、国産バター、国産生クリーム、青森県産りんご蜂蜜が食材として謳われていて、卵やマーガリンは使っていません。
この点がこれぞパンですのこだわりなのですが、結果として、癖のない味、おいしい風味が口に残るナチュラルな味わいに仕上がっています。
量産されているどこにでもある食パンの場合、人工的な味が思いっきり表に出ています。
しかし、ここの食パンは、人工的な味を不思議なくらい感じないのです。
美味しいお米は、ご飯だけで食べられると言われますが、これを食パンに当てはめたものと言えるでしょう。
つまり、おいしい食パンって食パンだけでそのまま食べられるんです!
最初に購入した際の帰路につく自家用車内での話です。
家族4人で食べた時、2斤もあった食パンは瞬く間に減り、家に着いた時には半斤にも満たない、ただのパンの塊と化してしまいました。
何ら味付けをせず、他のおかずが何もない状態でも食が進む。ありそうであり得ない食パンです。
この食パン、2斤サイズで価格は840円(税抜き)ですから、一般の食パンと比べると値段がかなり高いのは事実。
そして、これを高いと思うか安いと思うかはその人次第ですが、商品の質を考えた場合、私は決して高くはないと思いました。
ちなみに、その後、何度もリピートしています。
レーズン食パン
さて、お次に紹介する食パンはレーズン食パン。
レーズン食パンは、どうやらこの店の人気商品らしく、事前の電話予約でもお一人様ひとつだけに限定されているほどです。
使われているレーズンは、サンマスカットレーズンと呼ばれるものだそうですが、これだけ見ても食材を厳選している感じがします。(レーズンの格が違う!!)
ちなみに、サンマスカットレーズンは、サンマスカットグレープを乾燥させたものですね。
実際に食べてみると、レーズンそのものの深い味わいがあるだけでなく、レーズンの味が食パン全体に行き渡っているのを感じます。しかも、とてもフルーティーな味です。
世の中には、量産されているぶどうパン、レーズンパンなどが多くありますが、全然違う味と言ったところですね。
同じ食品として比べるものではない。別な食品と考えるべきもの。そう言えるほど、味に違いがあります。
ひと言でいえば、「格が違うレーズンパン」です。
普通のレーズンパンって、それだけで食べると、ちょっと物足りなさを感じます。
しかし、これぞパンですのレーズン食パンは、例えれば、「上質に仕上げた菓子パン」と言えるような、味わい深さがあるんですね。
だから、このパンだけで、バクバクと食が進む。これだけで食事代わりにできる。そういう食パンです。
しかも、パン全体にもレーズンの風味を強く感じられるんですね。
我が家の場合、購入直後に家族4人でつまみ食いしたところ、帰宅する前には全て無くなってしまいました。
まさに、食パンそのものが食欲促進剤みたいな感じです。
このレーズン食パン、2斤サイズで価格は984円(税抜き)しますが、かなりお値打ちの品だと思います。
この味でこの価格なら納得ですよ。
くるみマロン食パン
そして、最後に紹介するのがくるみマロン食パン。
こいつがまたすごいですね。
食べると、パン全体にくるみの香りが広がり、パン生地にも深い味わいがあります。
どうして生地全体に味が強く含まれているのかと不思議な思いでしたが、公式サイトを見たところ、実はマロンペーストとくるみを含めているとのこと。
なるほどと思いましたが、くるみの風味を隠さず、マロンの味で仕上げた甘い味わいが上品さを作り上げています。
味わうほどに高級感も伝わって来ました。
世の中には、くるみを入れたくるみパンの類は色々とありますが、そんな一般のくるみパンってどちらかと言えば、単にパンにくるみを入れただけ。
ところが、これぞパンですのくるみマロンパンは、パン全体に味わいが広がり、マロンとの絶妙な相性で仕上がっているんですね。
レーズンの食パンと同様、やはり格の違いを痛感します。
くるみも食パン全体に含まれていて高ボリュームという感じ。
贅沢な作りとでもいうべきところでしょうか。
このくるみマロン食パンは、2斤サイズで価格が1、380円(税抜き)しますから、かなり高額。
日常的に食べるのはちょっと無理なくらい高いですが、他では食べられない味だけに一度くらいは食べてみたいところですね。
その他の商品・メニュー
さて、高級食パンの店とは言え、取り扱う商品は他にも色々あります。
中でも、ここの食パンで作ったサンドイッチはイチ押しです。
我が家でも、わんぱくサンド、フルーツのサンド、たまごサンドの3種のサンドイッチを食べてみましたが、とにかく美味しい。
サンドしてある具材も、あふれ出しそうなくらいボリュームたっぷりで食材を活かした自然な味わいがとても良かったですね。
なにせ、基本となる食パンが優れた味わいなので、自然とサンドイッチも美味しくなるって感じなんです。
具材と食材が共に凄い。そんな感じです。いずれのサンドイッチも価格は税込みで730円。
決して安くは無いのですが、高級サンドイッチと考えればまずまずではないでしょうか。
他にもこの店で扱う商品は、テイクアウトとイートイン用の両方があります。もちろん飲み物も色々あり。
せっかくなのでメニューを掲載しておきましょう。
テイクアウト用としては、食パン以外に下記のようなメニューがあります。
<サンドイッチ>(テイクアウト用)
具だくさんわんぱくサンドイッチ…730円
具だくさんタマゴサンドイッチ…730円
季節のフルーツサンドイッチ…730円
テリヤキサンド…780円
抹茶サンド…730円
あんバターサンド…730円
また、イートインとしては下記のメニューがあります。
<グラタン>
ビーフシチュー…1,020円
パングラタン…970円
ナポリグラタン…1,020円
オニオングラタン…1,180円
<スーププレート>
具だくさん クラムチャウダー…1,180円
旬の食材使用 季節のスープ…1,180円
<サンドイッチプレート>
具だくさんわんぱくサンドイッチ…970円
具だくさんタマゴサンドイッチ…970円
季節のフルーツサンドイッチ…970円
<スナック>
お食事サラダ…690円
チキンバスケット…750円
盛り盛りポテト…550円
<フレンチトーストプレート>
季節のフルーツフレンチトースト…1,020円
キャラメルバナナフレンチトースト…1,020円
<トースト>
和風トースト…800円
キャラメルトースト…690円
チョコトースト…690円
ミックスベリートースト…800円
<ソフトクリーム>
北海道プレミアムバニラ…400円
バニラ&チョコレート…400円
季節のソフトクリーム…400円
<ジュース(飲み物)>※テークアウト可
ココア(ホット・アイス)…550円
レモネード…550円
カルピス…440円
オレンジジュース…440円
コーラ…440円
<メイソンジャー>…各550円
ピンクグレープフルーツ
グリーンアップル
ブルーハワイ
<コーヒー類>
ブレンドコーヒー…440円
アイスコーヒー…440円
カフェラテ(ホット・アイス)…480円
カプチーノ(ホット)…490円
シナモンジンジャーラテ…600円
キャラメルラテ(ホット・アイス)…490円
公式サイトにも色々掲載されています。
他に凄いと感じたところ
さて、私がこの店を凄いと感じたのは、高級食パンの味だけではありませんでした。
つまり、単に高級な食パンを売るだけではないと感じた点がいくつもあったのです。
では、具体的に感じた3点について説明して行きます。
日数が経過しても劣化を感じさせない
まず、この高級食パンの賞味期限についてです。
公開されている情報によれば賞味期限は4日間と言われています。
従って、一般に広く市販されている食パンなどと比べても大差がない、或いは少しだけ長めのような感じです。
これぞパンですの食パンは、焼き立ての食パンを購入できるのが魅力のひとつで、事実、焼き立ては、焼き立てならではの味わいがあってとても美味しいです。
実際、焼き上がりを食べられるように焼き上がり時間が公開されています。
しかし、ちょっと置く(2日ほど経過)と味が引き締まるとも言われていて、実際に食べてみるとその意味がよ~く分かります。
それで、このパンの凄さなのですが、賞味期限となる4日目に食べても、日数経過に伴う劣化を全く感じないのです。(これってかなり凄い)
一般の食パンをイメージして頂くと分かると思いますが、日数が経過すると、たとえ食べることはできても味が落ちます。美味しくなくなってくるんですね。
でも、これぞパンですの食パンは、日数経過に伴う劣化を感じさせないのです。むしろ味わい深くなるような感じすらします。
実は、リピーターとなった我が家では、調子に乗って3つ(2斤×3=6斤分)購入したことがありました。
我が家は、ご飯(お米)が食生活の中心であるため、さすがに賞味期限の4日間が経過し、最終的に食べたのが1週間後となることがあったのですね。
ところがです。
カビは生えないのはもちろんのこと、風味が衰えず、美味しさはそのまま。
食パンは保存食と言えるものではないですし、空気にも触れていますから普通に劣化する食品のハズ。
11月の涼しい時期ではありましたが、少なくても、量産されている一般の食パンでは絶対にあり得ないことだと思いました。
地味な点ですが、こんなところに凄さを感じました。
コロナ禍でオープン
次に、挙げられる凄さは、コロナ禍でオープンしたことです。
本店(南箕輪村)に次いで大豆島店がオープンしたのは2021年6月のこと。
新型コロナウィルスの収束がまだまだ見えない時期のことでした。
飲食時にはマスクを外すので、飲食業界はコロナの影響をとても強く受けています。
飲食業界では、感染対策を徹底するだけでなく、デリバリーに注力するなど、様々な工夫によってこの難局を乗り越えようと努めています。
中には、コロナの影響を大きく受け事業を縮小する飲食店も多く、閉店や撤退、廃業なんかに至るケースも珍しくありません。
たとえ経営を維持できたとしても、新規出店は見合わせる。
こんな風潮が当たり前のコロナ禍において、別店舗を新規オープンすることはとても凄いと思うんです。
と言うのも、これぞパンです大豆島店は、建物がけっこう広くて、イートイン用の飲食スペースが広く確保されているのです。
つまり、持ち帰りだけではなく、店内での飲食が十分に想定されている訳ですね。
実際、私が何度も足を運ぶ中で、店内の飲食席は空席がとても多く、コロナの影響を強く受けていると痛感しました。
これは、客足が不十分でも採算が取れると考えなければできないこと。
恐らく、商品に自信があるからなのでしょう。
本当に凄いと思います。
高級パン屋の経営の難しさ
3つ目に私が凄いと感じた点は、高級食パン屋の経営の難しさです。
このブログにおいて以前、乃が美の高級食パンの店が長野市にオープンした記事を書きました。(下記)
この店は高級食パンで有名で、全国展開しているチェーン店ですが、長野市の開店当初は話題が話題を呼んで、凄い客足でした。
長蛇の列が連日できて、完売のため買えないなんてことも多々ありました。
ところが、年月が経過すると、長蛇の列などは一切なくなり、いつでも買えるようになりました。
最初は物珍しさもあったのでしょうが、値段が高いため日常的に買うのは難しいのと、飽きもあったのでしょう。
今でも、一定の人気は保ってはいますが、それを今後も持続するとなると簡単ではないのではないでしょうか。
そしてもう1つ。
一本堂という焼き立てパンを売りにする店舗が長野市内にできて、このブログでも紹介したことがありました。(下記)
我が家も、焼き立ての良さと、バラエティな種類の食パンに魅力を感じてちょくちょく利用していました。
ところが、ある日、気づいた時には閉店していました。
恐らく、値段が張ることと、多くの客を得られなかったことが原因だったのでしょう。
このような2つの事例を見ても、高級食パンの類は、値段が高い分だけ日常の消費対象とはならない傾向があり、コンスタントな売上を確保するのは容易ではないと言えます。
一部では、高級パンのブームは既に終わったとも言われています。
そんなリスクを抱えながらも堂々と大きな店舗を新規に構えたことは、かなり凄いことだと感じました。
やはり、商品に自信があってこそなのでしょう。
お店の基本情報
以上のように、ありそうで無いようなお店「これぞパンです」は、独自の商品の裏に、隠れた凄さがあります。
ありふれた店には無い魅力のあるパン屋ですから、一度は足を運んでみたいところです。
最後に、このお店の基本情報をまとめておきますので、参考にして下さい。
店舗名:これぞパンです 大豆島店
営業時間:店舗販売…10:30~ カフェ…11:00~ 17:30(パンが無くなり次第終了)
定休日:不定休(月曜カフェ休業)
住所:〒381-0022 長野県長野市大豆島4195
電話:026-405-7845
公式サイト:https://korepan.jp/(閉鎖)、インスタグラム、フェースブック
所在位置:
東経:138°14’13”
北緯: 36°37’45”
標高:340m
オープン日:2021年6月15日(カフェは6月28日~)
駐車場:無料専用駐車場あり
トイレ:専用トイレあり
無線LAN:あり
アクセス:
アクセスは自動車が便利です。県道372号沿いのエムウェーブ南方にあります。
詳細は、下記の地図を参考にして下さい。
地図: