小学生の子供を持つ親であれば、「自分の子供が学校で問題なく過ごせているか」が気になるところでしょう。
しかし、小さな子供の場合、道徳や善悪も分かりませんし、精神的にも未熟ですから、子供同士が衝突することは日々よくあります。
そんな時、それがトラブルに発展して行くか行かぬかは、児童の原因というよりも、親に原因がある場合がほとんどです。
私も小学生の子供がいますので、学校で生じるトラブルを目にすることがありますし、耳にすることもあります。
そんな数々のトラブルを見聞きしていると、その99%は児童本人が起こしているトラブルではなく、むしろその児童の親が起こしているトラブルであることに気付かされます。
目次
トラブルを起こす親の特徴
トラブルを招くような親は、いわゆるトラブルメーカとでも言うべき親ですが、トラブルを起こす親には共通する特徴があります。
その特徴は細かく言えば色々ありますが、主な特徴をあげれば
- 子供であるという認識が薄い
- 感情で行動する
- 子供に対して過保護
- 自分の子供のことをよく知らない
の4点です。
子供であるという認識が薄い
まず真っ先に挙げられる特徴は、小さい子供は問題を起こして当たり前、という認識が薄いことです。
通常、児童が何か問題を起こした場合、当事者同士の親が「子供のやることですから、お互い様です」などと言って、必要以上にことを荒立てたりはしないものです。
しかし、「小さい子供は問題を起こして当たり前」という親の認識が薄いと、児童を責められる状況ではないにも関わらず、子供に罵声を浴びせたり、ひどいケースだと児童に直接手をあげたりする場合もあります。
そもそも、小学生くらいの児童は、失敗を繰り返すことで成長して行く年代です。善悪が良く分からないことは当たり前ですし、道徳やモラル、ルールなども良く知りません。
たとえ知っていても、自制する力が弱かったり、頭だけの知識で行動として実行できなかったりもします。
小学校は、そういった失敗して当たり前の児童たちが、何人も寄り添って集団生活をしている訳ですから、そこで衝突や問題が起きるのが当たり前です。むしろ、衝突・問題が起きない方が不思議です。
実際に教師と話をしてみればよく分かりますが、毎日がそういった衝突や問題の連続で、そういう経験を積み重ねて子供たちは成長して行きます。
児童の間で衝突や問題が起きた時、必要以上に騒いでトラブルに発展させるのは、相手が小さな子供であるとの認識が薄い親のほうの問題なのです。
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感情で行動する
次にあげられる特徴としては、感情まかせに行動する点です。
どんな親でも、自分の子供が他の児童から何かしらの嫌がらせを受けたり、ケンカをして身体的な苦痛を味わったりすれば不愉快になるのは当然です。
とは言え、子供のことで何かが起きると、それがたとえ些細なことでも直ぐに頭に血を上らせて、血相を変えて怒りを露わにするようでは、理性が不足して感情をコントロールできない人と言わざるを得ません。
もちろん、子供の行動が度を越しているとか、何度も繰り返すとかであれば、感情的になることもまだ理解できます。
しかし、そのようなケースは全体の一部ですし、そもそも子供は度を越しているかどうかの自覚は持てないものです。また、失敗は何度も繰り返すものですから、たいていの場合は、理性をきかせない親の方が問題です。
そして、相手の親の態度に不満を持って感情的になるケースもあります。相手の親といえども一人の人間ですから、完壁な対応をする訳ではありません。その態度にいちいち腹を立てていては、キリがありませんが、実際には割とよく見かけます。
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子供に対して過保護
更に、よく目に付く特徴としては、子供に対して過保護な親が多いことです。
子供が大事であれば、「かわいい子には旅をさせろ」という諺があるように、世間で、もまれて力強く育てるという姿勢が大切です。
しかし、大事にしすぎる余り、過剰になって必要以上に手助けをするのです。何で、そこまで手を貸すのか、なぜそにまで干渉するのかと思えるくらいのこともあり、却って子供をダメにするケースも目に付きます。
過保護な親の場合、何か学校で問題が起きると、子供を守ろうとする異常なまでの思いが湧き、物事の道理などを見ず、相手の児童に対して見境ない行動をとる場合もあります。
近年、中国において、一人っ子政策を長年続けて来た影響で、甘やかされて育ってきた世代が増えて来ていますが、甘やかされて育ってきた世代が子育てをする時代になり、小学校などでそれが原因となって家庭間でトラブルが発生するケースが急増し、社会問題になっているそうです。甘やかすこと、過保護にすることは問題を生むのです。
「子供はもまれるからこそ成長する」、「過保護は子供をダメにする」という認識を親が持たないことが問題なのです。
そして、これについて更に言えることは、その親自身が、自分が過保護になっていることを全く自覚していないことです。
また、そういう親に限って、なかなか子離れができないもので、それも大きな特徴になっています。
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自分の子供のことをよく知らない
最後に、親が自身の子供のことをよく知らないという特徴があります。
子供が、学校であった出来事などを親に話す場合、どのようなことを話すのか、どのようなことは話さないのかなどは、その子供によっても違います。
従って、親が子供の学校生活での様子を知ろうとする場合、その子供の性格や特質をよく把握して接して行かないと、実際に何があったのかを正確に知ることはできません。
一番分かりやすい例をあげれば、どんな子供でも嘘をつくことです。子供は純粋だからこそ、却って嘘をつくのですが、トラブルを起こすような親は、自分の子供は嘘などをつかないなどと思い込んで、子供が嘘をつくことを認識しません。
子供は純粋ですから、褒められれば喜びますし、叱られれば嫌な思いをします。従って、何か悪いことをした時には、自然と自分を守ろうとして叱られないように嘘をつきます。
たとえそれが嘘でなくても、叱られないように事実を少し曲げたような言い方をしてみたり、事実には触れないようにしてみたり、言い訳をしてみたり、誤魔化そうとしてみたりします。
また、子供は自分の目線でしか物事を見ませんし、自分に不利なことは言おうとはしません。
このように、子供は嘘をつくものだということを認識していない親は、自分の子供が話すことが全て事実だと短絡し、相手の児童やその親に対して理不尽な態度を取るのです。
たとえ、子供は嘘をつくものだと認識を持っていたとしても、子供と日々向き合って心を通わせていないと、子供がそのような嘘をついても見破れなくなりますから、それがトラブルへつながって行きます。
ひと昔まえ、「うちの子に限って」というフレーズが流行った時代がありましたが、自分の子供のことをよく知らない親が多いことを表現した的を得た言葉です。それだけ、自分自身の子供のことをよく知らない親は多いのです。
トラブルを避けるには
以上、述べてきたようにトラブルを招く親には、
「子供であるという認識が薄い」
「感情で行動する」
「子供に対して過保護」
「自分の子供のことをよく知らない」
といった大きな特徴があります。
トラブルを避ける最善の方法は、へたに親が介入せず学校に任せることです。そして、もしそれが出来ないケースでは、必ず学校に間に入ってもらうことが大切です。
それは、当事者同士の親が直接やりとりすると、どうしても主観が入って客観的な判断がしにくくなりますし、感情的な問題にも発展しやすくなってしまうからです。
トラブルに発展させないために、まず、学校に任せること、学校に仲介に入って貰うこと、を徹底しましょう。
とは言え、親どうしが直接やりとりするケースは出てきます。そんな時、トラブルを起こさないようにするには、相手の親がどうであるかに関係なく、まず自分自身がそのような親(トラブルメーカ)にならないようにすることが大切です。
トラブルが発生する場合、そこにトラブルの対象となる相手が存在する訳ですが、相手がどのような人物であれ、まず何より自分自身がトラブルメーカとなる要因を排除することこそ肝心なのです。
相手を変えることはできませんが、自分自身を見つめ直してトラブルを招きにくくすることは可能です。ちなみに、相手の親と接するに当っては、事前に学校側に相談しておくことも大切です。
トラブルを避けるためには、上記にあげた特徴が自分自身にないかどうかを見つめることで自ずと見えてきます。
換言すれば、トラブルを招く自身の要因を取り除く努力をすることが大切です。
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子供は問題を起こして当たり前との認識を持つ
まず、上記であげた特徴「子供であるという認識が薄い」を自分自身に当てはめて考えてみましょう。
あなた自身が「小さい子供は問題を起こして当たり前」という認識をきちんと持っているでしょうか。
自分自身の小学校時代を思い出してみて下さい。振り変えれば、誰かとケンカをした、もめ事があった、誰かが泣いたなどは、クラスの中に無数あったことが思い起こされるでしょう。
その度に、担任の先生が善悪や道徳などを教えてくれたことは誰でも記憶にあると思います。それだけ、子供は日々問題を起こして当たり前なのです。その認識を自身がしっかり持つことが大切なのです。
ここで問題になるのは、相手の親がそういう認識を持てていない場合ですが、認識を持てていない親に対しては何を言っても無駄と考えた方が無難です。(話して理解して貰える親もいますが、こじれる場合が多いです)
従って、学校からきちんと説明をして貰うことが最善の方法です。
特に、対象の児童が長男や長女の場合、その親は学校での問題に関して経験も浅く、不慣れな場合も多いので理解されにくい傾向があります。
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理性で行動する
次に、上記であげた特徴「感情で行動する」に関して見つめてみましょう。
あなた自身、学校で自分の子供に何かがあった場合、理性を持って冷静な判断をすることができるでしょうか。
実際のところ、冷静でいることは、理屈で言うほど簡単なことではありません。自分の子供のことだけに、冷静になりきれないのが親です。
従って、何かあった場合の考え方としては、「逆の立場であればどうか」という視点に立つことが重要です。
とは言っても、相手が子供であればまだしも、相手の親が感情的になってきたり、心無い理不尽なことを言ってきたりすると、ついついこちら側も感情的になることもあるでしょう。
そういう場合は、「色んな変な奴(親)がいるものだ」と思い、怒る気持ちをグッとこらえて、心の中で自分に言い聞かせましょう。「世の中には器量の狭い、とてもレベルの低い親がいるものだ。自分は絶対こんな輩とは同じレベルになるまい」と。
感情的になる親に対して、感情的に対応すれば、絶対に収まりが付かなくなります。相手とは違う、レベルの高い人間なんだということを思いっきり示してみせましょう!
そして、感情的にぶつかるケースで目立つ特徴として、父親が育児に無関心なことが多い点が挙げられます。
一般に、女性は情の生き物、男性は理の生き物とも言われ、女性は感情的で、男性は理屈っぼい面を持っていますから、感情的な問題を起こしやすいのは母親のケースが多いのも事実でしょう。
従って、父親が養育に無関心になることなく、もっともっと積極的に子どもと関わり、接していくこともトラブル回避には大切です。
もし、児童が問題を起こして相手の親と話す機会が生じた場合、可能な限り相手の父親に関わって貰うこともトラブルを抑えるコツです。
そして、自分の子供の悪かった点については、潔く謝罪することが大切です。もし、相手の児童の方が悪くて、その親が謝って来なかった場合、一方的にあやまるのは非常に不愉快な思いをするかも知れません。
しかし、感情を逆なでしてトラブルを大きくするよりも、「レベルの低い親がいるものだ」と気持ちを抑えて、無駄なエネルギーを使わないようにした方が得策です。
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過保護になっていないか見つめ直す
更に、上記であげた特徴「子供に対して過保護」に関して見てみましょう。
あなた自身は、自分の子供に対して過保護になっていないでしょうか。そして、過保護であることが如何に子供のためにならないのかを自覚しているでしょうか。
子供に対して過保護になれば、子供は強くなりません。カ強くならなければ、将来、いじめの標的にされる要因にもなるかも知れません。また、世の中の荒波を乗り越えては行けません。決して子供のためにならないのです。
過保護でいれば、子供の成長を妨げるその原因を親が作ってしまうことを、よくよく肝に銘じるべきです。
そして、相手の児童の親が過保護な場合でも、「お宅、子供に対して過保護なんじゃないですか」などと言っていけません。それは、たとえ事実であったとしも、事を荒立てるだけの言葉に過ぎないからです。
過保護に育てた報いを受けるのはあくまで相手の子供です。自分の子供が困る訳ではありません。そのように自分に言い聞かせて、事を荒立てない大人の対応をしましょう。
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子供と深く接し理解する
さて最後に、上記であげた特徴「自分の子供をよく知らない」に関して見てみましょう。
あなた自身、子供と接する機会が少ない、子供と一緒にいる時間が少なくはないでしょうか。日頃から会話をする機会が充分とり、心を通わせようとしているでしょうか。
私が見聞きするトラブル家庭は、共働きの家庭が多く、子供を構ってあがられないような家庭ほど問題を起こしやすい傾向にあります。
仕事は必要なことですから、共働きも仕方がない場合も多くあります。しかし、そのような中で、精いっぱい子供と接する時間を確保してあげることが大切です。
また、子供に対して、いつも叱ってばかりいるような親の家庭は、トラブルを起こしやすいです。これは、いつも叱っていると、子供は心を閉ざしてしまう、たとえ心を閉ざさなくても真実を、本当のことを話してくれなくなります。
こうなれば、親が子供の真の姿を把握することが難しくなり、親が状況の判断をしにくくなるのです。
あなた自身がしっかりと自分の子供と日頃から接し、深く理解するように努めて行きましょう。
そして、相手の親が自身の子供のことを良く知らないケースでは、学校からその児童のことをきちんと話してもらうようにしましょう。
当事者の親に言われると、たとえそれが事実であっても、冷静に話を受け止められないものです。学校から話して貰えば、実際に子供がやったことを客観的に受け止めて貰えますから、解決しやすくなります。
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手を付けられない相手なら
さて、自分がどんなにトラブルに発展させまえとしても、世の中にはモンスターピャーレントのような、どうにも手を付けられないような親も存在します。
こういう場合は、こちら側がどうすることもできませんから、学校側に任せるようにして、学校の指示通りに動き、あとは、ー切相手にしない、関わらないようにすることが大切です。
今の時代、狂ったような親はたくさんいます。参考までに、私がある教師から教えてもらった事例をあげましょう。
それは、ある2年生の児童が4年生の児童に頭をたたかれて、頭にきて強くやり返したというモメゴトです。
教師が直ぐにそのモメゴトを知り、二人の児童を呼び、「上級生でありながら先に手を出すとは悪いことだ」、「やり返すといえども強くやり返すのも良くない」ということで二人の児童はそれぞれ自身の非を認識して、お互いに謝りました。
これくらいなら日常の小学校でよくある話ですから珍しくありません。ところが、4年生の母親は感情的になったあまり、2年生の児童に直接手を出したのです。
しかも、先に手を出した児童が自分自身の子供であり、直接的な原因を作っていることを知っていたにも関わらず、相手の親ではなく、2年生という小さな子供に直接怒りを向けたのですから、これだけでも非常識な話です。
ところがこの話は単に非常識というだけではなかったのです。その母親は、児童に手をだしたことが問題となって学校で説明を求められたのですが、その時その母親は「その児童には一切手はふれていない」と事実と全く正反対のことを校長・教頭の目の前で言い切ったそうです。
児童に手を出したことは、近所の大人が何人も目撃しており、学校側もそれが事実であることは事前に認識していました。しかも、近所の大人が何人も目撃していることはその母親自身も認識していたのです。
つまり、100%嘘だと分かることに対して、学校側に平然と嘘をついたのです。これには、あまりのことに学校側も言葉を失い驚いたそうですが、この話を聞いた私も、こんなに狂った人間がいるのかとびっくりしました。
この事例は、色々起きる小学校のトラブルのうち、私が耳にした実話のうちの1つですが、教師の話では、こんな親は今の時代珍しくもないということです。
この例のように、世の中には狂ったような親はたくさんいるのです。そのような者を相手にしても全く意味はありません。一切相手にしない、関わらないようにすることが大切です。
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