必見!中国の小学生の教科書に学ぶ、初心者が心得るべき中国語学習方法

多くのネーティブと接しながら、独学で中国語を学んできた私は、実践的な中国語の学習方法のコツを得てきました。

今回、実際に中国の小学生が学校で使用する教科書の内容を知ることができ、改めて基礎の重要性を再認識しました。

中国の小学生の教科書から読み取る中国語の学び方

中国語を学ぶ入門者・初心者が、学習を始めるにあたり絶対に心得ておくべき学習のポイントをまとめました。

実践で通じない原因の多くは四声

私は、可能な限り直接ネイティブと接する機会を設けるように努力して来ましたので、実際の生きた会話をすることが多くあります。

そんなコミュニケーションを取る時に起きる問題が、

(1)相手の話が分からないこと
(2)こちらの話が伝わらないこと

の2点です。

そんな時でも、(1)の場合ならば、

「今、なんて言った?」
「〇〇の言葉の意味は何?」
「それ、どういう意味?」

と言う具合に聞き返せば、説明してくれたり、言い直してくれたりしますので、それほど問題にはなりません。

しかし、(2)の場合は、本来、伝わると思って話しているのに伝わらないので、けっこう困ってしまいます。

特に、別な言葉や、他の表現・言い回しを知らない場合、「伝わらなくて困った」という思いを強く抱きます。

そして、そんな伝わらなかった時の原因のほとんどは、こちらの発音、特に声調・四声に問題があることによります。

つまり、話した中国語が相手に伝わるか伝わらないかを大きく作用する要因が、この四声にあると言っても過言ではありません。

実際、私が体験した伝わらないという問題では、その99%以上が四声に原因があったと感じています。また、未だに四声に起因する情報伝達の壁の大きさを感じもします。

例えば、私が話す中国語の意味を理解できずに怪訝な顔をしている相手の姿を見て、四声の発音を言い直したら理解して貰えたという経験は非常に多くあります。

四声がちょっと異なるだけで、全く別な言葉になってしまう。全然通じなくなってしまう。それが中国語です

まさに、中国語の円滑なコミュニケーションは、四声を極めることにあると言えるのです。

四声とは何?箸と橋で考える

ここで、四声と言われてもピンと来ない人もいると思います。
特に、入門者や初心者ではよく理解できないところでしょう。

分かりやすく言えば、四声とは4種類あるイントネーションのことです。
(厳密にはイントネーションとは少し違いますが…)
要は、発声する音の高低の変化の仕方が4種類あるということです。

これを理解するためには、日本の「箸」と「橋」を例にするのが分かりやすいでしょう。

日本語で「箸」は食事をする時に使う道具、「橋」は川などを渡る通路ですから、全く別なものです。しかし、両者は共に話し言葉では「はし」と発音します。

従って、会話などで「はし」と言う言葉が出てきた場合、会話の流れや前後の表現などで、「箸」なのか「橋」なのかを区別します。「箸で食べなさい」「橋を渡ってから右折する」などは、前後の言葉から判断すれば直ぐにどちらの「はし」なのか分かります。

しかし、例えば「『はし』という字を、漢字で書いて下さい」と言われれば、何の漢字なのか分かりません。この時、区別するヒントになるのが発音の高低です。

下り調子で発声すれば「箸」、上がり調子で発声すれば「橋」です。(日本でも地域によって違いがあるようですが…)

つまり、下り調子の「はし」を耳で聞きとれば「箸のことだろう」と予想できますし、上がり調子の「はし」を耳で聞きとれば「橋のことだろう」と予想できます。

要は、日本語でも、相手に言葉を伝達する上で、音の調子が重要な役割となる場合があります。

とは言え、実際の日本語の会話では、
「食事に使う『はし』を漢字で書いて下さい」
「川を渡る時に使う『はし』を漢字で書いて下さい」
のような言い方をすることが多いので、発声の調子の違いが大きく影響することはあまりありません。

しかし中国語の場合、音の調子には4つの種類(四声)があるだけでなく、この調子(声調)が違うだけで意味がぜんぜん異なることが多くあるため、日本語とは比べ物にならないくらい、重要になるのです。

初等教育で四声を徹底

さて、前置きが長くなりましたが、実際に使われている小学生の教科書を見てみましょう。

ここで紹介する教科書は、小学一年生が学童として、国語(中国語)を最初に学ぶ時に使う一年生用の上巻です。

実際に中国で使われている小学一年生の国語の教科書

まず、これは表紙ですが、さすがに日本の教科書と似ていて、小さな児童が馴染みやすいように、絵本っぽく見えますね。
どこの国も子供に対する配慮は同じなのですね。

ちなみに、语文は日本語では語文の漢字に相当し、意味は国語です。一年级は一年生の意味、上册は上巻の意味ですね。教科書は教科书と書きます。

実際に内容を見てみましょう。

教科書の目次の一部その1

教科書の目次の一部その2

上記は、目次です。内容を大きく分けると、

识字・・・水色の部分
汉语拼音・・・緑色の部分
课文・・・オレンジ色の部分

の3つの部分に分けられます。

これら3つについて、それぞれを説明します。

识字は識に相当)とは、文字の読みのことで、文字をどれくらい読めるかを意味する教育用の言葉です。

汉语拼音とは、漢字の発音を表す表記方法でピンインと呼ばれています。

课文(课は課に相当)とは、教科書における文章のことで本文に当たります。

では、具体的にどんなことが書かれているか、ちょっと見てみましょう。

漢数字など比較的易しい漢字がある

これは、文字(漢字)がどんな筆記をするものなのかを説明するために、簡単な漢字を例にあげて説明しているページです。上記の水色の部分に該当します。

目次の7ページに「金木水火土」という項がありますが、これは、その項の一部としてその次の8ページに記載されています。

まずは、簡単な文字に触れさせて、漢字がどのようなものかを説明しているんですね。
小学一年生らしい、本当に簡単な内容ですね。

漢字の成り立ちの説明

上記は、漢字が象形文字の類であり、そこから生まれたことを説明しているページ(水色の部分)です。目次の11ページに「日月水火」とありますが、そのページに記載されている内容です。

日本の国語の教科書にも似たような漢字の謂れに関する説明がありますが、文字に興味を持たせるための第一歩という感じです。

母音の発音の説明。4つの声調(四声)を説明していることが分かる。

上記は、発音記号であるピンインのうち、母音のa、o、eを説明したページです。(目次の緑色部分で、20ページの「aoe」の項目に相当し、次の21ページの様子)

ピンインの中で一番最初に出てくるところですが、音の高低の変化が分かるように自動車の絵が描かれているのが分かります。

自動車の高低の変化の仕方が、そのまま発音の高さや低さの変化の仕方を表しています。

同じ音でありながらa、o、eそれぞれに4種の高低があって、あくまで別な発音であることが示されています。

子音の発音に関する説明。四声の説明をしっかりしている様子が分かる。

次に子音に関する発音の説明のページで、子音のピンインを説明している最初の項目のページです。(目次の24ページの「bpmf」の項目に相当し、次の25ページの様子)

子音b、p、m、fを説明していますが、子音+母音で一つの音を表すことについて、b+a=baの例をあげています。

しかし、同じbaでも、四声によって4パターンあることをきちんと説明しています。これは4つの違う発音があるという意味ですね。

ちなみに写真にある4種の意味は下記の通りです。

bā(第一声)・・・八(数字の8)
bá(第二声)・・・拔(抜き取る)
bǎ(第三声)・・・靶(弓の標的・的)
bà(第四声)・・・坝(ダム)

そして、b、p、m、fの場合、全てはaと一緒になって、ba、pa、ma、faの発音を持つことが分かりますが、iと一緒になることができるのはbi、pi、miの3つだけでfiという発音は存在しないことも示されています。

このように、ピンインによって音の高低を含んだ発音が示されて、母音と子音の組合せの種類が書かれています。いわゆる発音の基本の基本を習得するためと言えましょう。

そして、前述の目次から分かるように、このピンインについては20頁から51頁に到るまで、発音のためだけに三十余頁が使われているのです。日本語の「あいうえお」みたいなものですから、念入りに学習していることがよく分かります。

四声が異なれば違う発音だと心得る

さて、今まで見てきた教科書の内容から、何かを感じませんでしたか。
そうです。音を表す記号ピンインには、音を表すだけのローマ字と、音の高低の変化を表す四声から構成されています。

これについては、日本人であれば、上記の4種のba(バ)は、バという同じ発音が、異なる4種類の音の調子を持っていると考えると思います。少なくても、そういう感覚や認識を持つと思います。

もちろん、これはこれで間違いではありません。

しかし、日本人が中国語を学ぼうとする場合、こういった感覚を持つべきではなく、あくまで異なる4つの発音記号だと認識すべきなのです。

中国人は、発音記号が同じでも四声が異なれば、異なる発音という感覚を持っています。4つの異なる読み方をする漢字だということを自然と心得るのです。

ピンインをキーボードで打つ場合、baと打てば四声に無関係な変換候補が出てくる(実際は、変換方法にもよる)のが一般的ですから、日本人が「音は同じ」と考えるのも無理のないことです。

しかし、中国語を学ぶ日本人が持つべき感覚としては、四声が異なれば違う発音をする字と言う感覚を持つべきなのです。

この感覚を持ってこそ、日本人が中国語を学ぶ際の学習をよりスムーズにしてくれます。

要点をまとめると

日本人の感覚:ba1…ba4は、発音が同じで発声の調子(声調)が異なる字
中国人の感覚:ba1…ba4は、発音そのものが全く異なる字

です。

意味としては、日本人の感覚に記した内容が正しいのですが、中国語を学ぶ外国人が持つべき感覚としては、中国人の感覚が適しているのです。

四声を明確に分けること、区別することがとても大切なのです。

カラダで覚える

では、ここでこの教科書とは直接関係ない別な教材をひとつ紹介しましょう。

これは、私が訪中した時、現地で購入した子供向けの教材で、VCD(ビデオCD×2枚組)です。

子供向け学習用ビデオCD

タイトルをみて頂くと分かりますが、汉语拼音となっていて、上記の教科書の項にあった名称と同じです。

このVCDの内容は、ピンインの発音を四声別に繰り返し発声するもので、対象は2歳以上の子供になっています。

アニメを含んだ準動画で、視覚的に吸収しやすい工夫がされています。

日本でも、小学校入学前の幼稚園児などを対象に、あいうえおやアイウエオなどの基礎学習を学ばせようとする姿がありますが、このVCDも、目と耳から発音の基礎を前もって学ばせようと考えた幼児教育用の教材ですね。(さほど立派なものではありませんが…)

このような教材があるということは、国語の基礎の基礎としてピンインの発音を体得することが重要であると考えられていると言えます。

幼少期に直接耳に音を焼き付ける、即ちカラダで覚えることが大切なのです。

聞き分ける、言い分ける

では、日本人が外国語として中国語を学ぶ場合はどうでしょうか。

中国の子供は幼少から、四声の異なる音を耳で聞きながら育っています。
そして、小学校からそれらの音と、発音記号であるピンイン、そして実際の文字である漢字とのつながりを身に付けていきます。

しかし、中国生まれでもない限り、日本人が幼少期から、四声の違いを耳で覚えてきた経験はしているはずはありません

そんな状態で、言葉を覚えると、日本人はどうしても、四声に対する感覚が鈍くなります。

その結果、「声調が異なっても同じ音だから通じる」という間違った感覚をどこかで持ってしまうのです。ある種の思い込みですね。

重要なことは、四声の発音の違いを、ハッキリと別なものと認識しながら、繰り返し聞き取りの練習(聞き分ける)をする、発声の練習(言い分ける)をすることです。

例えば、bā bá bǎ bàは全て違う音だと、しっかり自覚しながら繰り返し練習することが大事です。

4つの異なる声調の違いがカラダ(耳)に染みつくくらい、聞き分ける、言い分けることが大切です。

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